資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称白芨
正式名称白芨
日本語読みびゃっきゅう, Byakkyū
現地読みBaiji
ラテン名Bletillae Rhizoma (CP), Bletillae Tuber
英語名Common Bletilla Tuber (CP)
原植物名Bletilla striata (Thunb. ex Murray) Reichb. f., シラン
原植物科名Orchidaceae, ラン科
薬用部位分類植物性生薬
細分類塊茎
入手先情報香港, 永大行
入手年月日1974/12/25
TMPW No1073

学術情報データベース

一般生薬名白芨, Baiji, Bletillae Rhizoma (CP2020), Common Bletilla Tuber (CP2020), Bletilla Tuber
生薬画像
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原植物名Bletilla striata (Thunb. ex Murray) Reichenbach f., シラン
原植物画像
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原植物科名Orchidaceae, ラン科
薬用部位塊茎
公定書薬典(2020)
臨床応用止血,排膿,粘滑,緩和薬として,吐血,喀血,衂血を止める.癰腫,切傷,火傷などに外用する.今日では薬用より,陶器製造時の糊剤として工業用に出まわっている.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類止血薬
薬効[性味] 苦、甘、渋,微寒.
[帰経] 肺、肝、胃経.
[効能] 收斂止血,消腫生肌.
[主治] 喀血,吐血,外傷出血,瘡瘍腫毒,皮膚皸裂に用いる.
成分情報多糖類 Polysaccharides
(*C1):
Bletilla-glucomannan (D-mannose:D-glucose=3:1), 澱粉/starch

その他の芳香族化合物 Other aromatic compounds
B. striata (*C2-C4):
Blestrin A, Blestrin B, Blestrianol A, Blestrianol B, Blestrianol C, Blesterin C, Blesterin D

成分 構造式




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薬理作用抑菌作用 (グラム陽性菌,結核菌,小芽胞癬菌 )
DNA配列AF263630, AF074114
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます  訳文画像を表示
適応症吐血, 喀血, 鼻血, 出血, 切り傷
方剤扶脾生脈散加白芨
広恵済急方(日本古典) 

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2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-1. 吐血
: 人忽(たちまち)血を吐(はく)なり 此証一様ならず故に七ケ條に分たり
 └ 中暑吐血: 夏炎熱の節、旅行などして終(つい)に暑毒(しょき)に中(あた)りて吐血する者あり、其証気怯(そのしょうきよわく)、體倦(からだつかれ)、息微かに或は熱し渇つよく、煩悶(いきれもだえ)て吐血するあり おおよそ何れの吐血にても暴(にわか)に血を吐て湧が如くなる者、或は一口二口よりして一二合、漸々(ぜんぜん)に一升より數斗に至り、気血脱て危(あやうき)ことしばしのまあり、此際(このきわ)に至りては、何れの証にても下に載る所の通理方を用ゆべし
【用法】白芨末として二三分童子の小便にて用ゆ <中巻9丁>
関連情報新訂和漢薬
同類生薬サレップ根
参考文献CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 52-53.
C2) Phytochemistry, 29, 1259 (1990).
C3) Phytochemistry, 30, 2733 (1991).
C4) Phytochemistry, 31, 3985 (1992).
L1) 官準 広恵済急方
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2)
L3) 新訂 和漢薬
備考四川省の西,北部では Bletilla ochracea Schltr. を白芨として用いている.古来,肺出血を止める薬として用いられ,現在中国の中医,民間医は喀血を治すのに常用する.日本ではかつて,ヨーロッパ生薬のサレップ根 [SALEP TUBER, ラン科/Orchidaceae の Orchis morio L. など Orchis 属および Anacamptis pyramidalis Richard, Platanthera bifolia Richard などの球茎] の代用として粘滑,緩和薬に用いられたが,今日では稀用のものである.
更新日2021/09/28