資料館生薬データベース
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31.9110956
131.4238934
産地情報
日本,宮崎県
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
35.0116363
135.76802939999993
入手先情報
日本,京都府
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png
学術情報データベース
一般生薬名 | 天南星, Tiannanxing, Arisaematis Tuber (Non-JPS2022), Arisaematis Rhizoma (CP2020), Arisaema Tuber (Non-JPS2022), Jackinthepulpit Tuber (CP2020) | |||||
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生薬画像 |
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原植物名 | Arisaema heterophyllum Blume1, Arisaema erubescens Schott, Arisaema amurense Maximowicz, マイヅルテンナンショウ1, またはその他同属植物 | |||||
原植物画像 |
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原植物科名 | Araceae, サトイモ科 | |||||
薬用部位 | 塊茎(コルク層を除く) | |||||
選品 | 円くてよく肥え,内部が白いものがよいとされる(NI). | |||||
公定書 | 局外(2022), 薬典(2020) | |||||
臨床応用 | 鎮痙,去痰,除湿薬として,中風,脳卒中による半身不随,口噤強直,破傷風,小児の熱性痙攣などに応用する.また民間では粉末を瘡傷に外用して鎮痛,消腫の効があるとしている. | |||||
医学体系 | 中国医学 | |||||
伝統医学的薬効 | 分類 | 化痰薬 | ||||
薬効 | [性味] 苦、辛,温;有毒. [帰経] 肺、肝、脾経. [効能] 散結消腫. [主治] 癰腫,蛇虫咬傷に外用する. | |||||
成分情報 | 多糖類 Polysaccharides (*C1): 澱粉 [starch] その他 Others (*C1): サポニン [saponin], シュウ酸カルシウム [calcium oxalate] | |||||
DNA配列 | AF274295, AF291914, AJ005629; 伝統医薬データベース. | |||||
証類本草(中国古典) | ※画像をクリックすると本文の画像が表示されます | |||||
適応症 | 咳嗽, 多痰, 胸が苦しい, めまい, 半身不随, 顔面神経麻痺, しびれ, 破傷風, 項背部の強直, 皮膚化膿症, リンパ節腫, 毒蛇咬傷 | |||||
方剤 | 三生飲, 舒筋立安散, 清湿化痰湯, 二朮湯 | |||||
広恵済急方(日本古典) Tips! | 1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類 └ 1-1. 中風: 気を失い半身・手脚きかず、目・口ゆがむ病態 閉証(実証)と脱証(虚証)の二証がある └ 閉証(実証)病状: 卒に倒れ、気を失い、人をしらず、歯を食いしめ、拳を握り、痰を吐くように喘息し、眼口歪み、半身不随、眼を見つめ、或は上目遣いでいるのは中風の閉証である 【疾患注釈】凡(おおよそ)卒倒れて口ひらき、手撤(ひらき)、眼を合(ねむり)大便又は小便をもらし、鼻聲鼾(いびき)の如くなるは脱証にて虚候とす、別に療法あり、後條に載たり、実証にも目瞑(ねむり)、大小便をもらす者ありといえども、其口噤手を握るを以て実候とす、虚候は口も手もともに開く、是其証候おのずから同じからざる所なり、若視あやまつときは、療法も亦大に誤る心を用いて診すべし 【用法】暖かい場所で介抱する 天南星、半夏を等分の粉末とし、鼻の穴に吹き入れてクシャミをださせる <上巻2丁> └ 痰壅不省: 痰が塞がっていて正気ではない状態 【用法】天南星、木香とともに等分を刻んで水から煎じて服用してもよし <上巻4丁> └ 開口噤擦齒: くいしめたる齒を揩って開く方法 【用法】天南星の末五分龍脳少し入研和(すりまぜ)、中指の頭へつけ、噤たる齒を揩(する)こと數次して口自(おのずと)ひらくものなり <上巻6丁> 2. 卒暴諸証: 突然発症する病 └ 2-1. 吐血: 人忽(たちまち)血を吐(はく)なり 此証一様ならず故に七ケ條に分たり └ 傷酒吐血: 酒を常に好む人、或は連日大飲をなしあるいは甚酩酊して後、大に吐血する者あり 【用法】天南星一両刻て豆の大きさのごとくし、爐(いろり)灰汁に浸し、洗焙て研り末となし、毎服に一銭(もんめ)自然銅を酒手に磨(す)り調(まぜ)て復す <中巻6丁> 3. 外傷の類: 怪我や蟲獣(むし、けだもの)に咬まれる等の外傷 └ 3-1. 金瘡: 刀や脇差等による切り傷の類 └ 鳥銃子人肉中打込: 鳥銃子(てっぽうだま)人の肉の中へ打込たる 【用法】天南星、末となし、甘草の煎汁にて和(まぜ)傳(つく)べし <中巻57丁> 10. 小児急証: 小児の急病 └ 10-6. 初生口噤不開: 新生児口を噤んで開かない 【用法】天南星末一錢(もんめ)許(ばかり)に龍脳少許を入、研匂(すりととのえ)、生姜の絞汁に調(ととのえ)て、指先にて兒の牙齦(はぐき)に擦(すりつけ)べし、立(たちどころ)に開くなり <下巻88丁> | |||||
関連情報 | 新訂和漢薬 | |||||
参考文献 | Non-JPS2022: 日本薬局方外生薬規格2022. CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) . C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 35-36. L1) 官準 広恵済急方. L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2). L3) 新訂 和漢薬 pp. 599-600. | |||||
備考 | 「基源」: 日本産はムサシアブミ Arisaema ringens (Thunb.) Schott (九州産),その他,マムシグサ A. japonicum Blume,コウライテンナンショウ A. japonicum Blume var. atropureum (Engl.) Kitamura などの塊茎を輪切りにし石灰をまぶして乾燥したもの. 「薬能」:『湯液本草』(金代)の中で著者の王好古は「痰を治する功は,半夏と同じである」といっているが,半夏もまた辛散であるが脾胃の湿痰に専用するもので効用は同じであるが用い方が異なる.天南星の治療するところのものは,一般に風痰,湿痰が経路に入って引きおこした症候で,中風麻痺,口噤,身体の強ばり,筋脈拘攣,りょう癇,破傷風などである. | |||||
更新日 | 2022/07/19 | |||||