資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称山梔子
正式名称山梔子
日本語読みさんしし, Sanshishi
現地読みShanzhizi (山梔子); Zhizi (梔子)
ラテン名Gardeniae Fructus (JP), (CP)
英語名Gardenia Fruit (JP), Cape Jasmine Fruit (CP)
原植物名Gardenia jasminoides Ellis, クチナシ
原植物科名Rubiaceae, アカネ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類果実
入手先情報日本, 大阪府, 三国商店
入手年月日1969/12/06
TMPW No1364

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
産地情報
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
34.6937378
135.50216509999996
入手先情報
日本,大阪府
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名山梔子, Shanzhizi, Zhizi, Gardeniae Fructus (JP18), (CP2020), Gardenia Fruit (JP18), Cape Jasmine Fruit (CP2020)
生薬異名水梔子, 梔子
生薬画像
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原植物名Gardenia jasminoides J. Ellis1, Gardenia jasminoides f. grandiflora Makino, Gardenia jasminoides var. radicans Makino, クチナシ1,コリンクチナシ,コクチナシ
原植物画像
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原植物科名Rubiaceae, アカネ科
薬用部位果実
選品山梔子は丸手のもの,水梔子は長手のもの.一般に丸手の充実した,紅色のものが上品である(TN).
公定書日局18,薬典(2020)
臨床応用消炎,止血,利胆,解熱,鎮静薬として,充血または炎症による心煩(精神不安),吐血,血尿,充血,黄疸などに応用する.粉末を黄柏末などと混和し酢で練り,打撲傷に外用する.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類清熱瀉火薬
薬効[性味] 苦,寒.
[帰経] 心、肺、三焦経.
[効能] 瀉火除煩,清熱利湿,涼血解毒;外用消腫止痛.
[主治] 熱病心煩,湿熱黄疸,淋証渋痛,血熱吐衄,目赤腫痛,火毒瘡瘍に応用し,捻挫傷痛に外用する.
成分情報モノテルペノイド Monoterpenoids
Iridoids:
(*C1):
Gardenoside, Geniposide, Genipin, Genipin 1-beta-gentiobioside, Shanzhiside, Methyl decacetylasperuloside, Geniposidic acid, 10-Acetylgeniposide, Gardoside, Scandoside methyl ester
(*C2):
Geniposide, Gardenoside, 以下代謝物 [The following compounds are the metabolites] Genipinine, Genipinine monoacetate, Gardenogenin A, Gardenogenin B, Gardenine

カロテノイド Carotenoids
(*C1):
Crocin (Crocetin + Gentiobiose)

その他の芳香族誘導体 Other aromatic derivatives
(*C1):
p-オキシケイヒ酸誘導体

成分 構造式



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薬理作用緩下,胆汁分泌促進,胃液分泌抑制,鎮痛 (geniposide).胆汁分泌促進,血中ビリルビン・コレステロール上昇抑制 (crocin,crocetin,エキス).血圧降下(エキス).
DNA配列AF201044, AJ286697, AF102426, AJ224833; 伝統医薬データベース.
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます  訳文画像を表示
適応症胸中が熱苦しくて不快, 高熱, 意識障害, 目の充血, 口が苦い, 口渇, 黄疸, 排尿痛, 排尿困難, 尿の混濁, 吐血, 鼻出血, 血便, 血尿, 皮下出血, 皮膚化膿症, 打撲外傷による腫脹・疼痛, 熱傷
方剤茵蔯蒿湯, 茵蔯散, 温清飲, 黄解散, 黄連解毒湯[外台], 黄連解毒湯[回春], 黄連消毒飲, 加減小柴胡湯, 加減涼膈散, 加減涼膈散一方, 葛根紅花湯, 加味帰脾湯, 加味小陥胸湯, 加味逍遥散, 加味逍遥散合四物湯, 加味八脉散, 枳実梔子豉湯, 枳実梔子大黄豉湯, 九味柴胡湯, 荊芥連翹湯[一貫堂], 荊芥連翹湯[回春], 五淋散, 柴胡清肝散, 梔子乾姜湯, 梔子甘草豉湯, 梔子厚朴湯, 梔子豉湯, 梔子生姜豉湯, 梔子大黄湯, 梔子柏皮湯, 四順清涼飲, 滋腎明目湯(腎気明目湯), 瀉胃湯, 順気和中湯, 辛夷清肺湯, 腎気明目湯, 清胃瀉火湯, 清咽利膈湯, 清上防風湯, 清熱解鬱湯, 清肺湯, 清涼飲, 洗肝明目湯, 治黄胖方, 治酒査鼻方, 頓嗽湯, 内疎黄連湯, 防風通聖散, 利膈湯, 龍胆瀉肝湯 [薛氏], 龍胆瀉肝湯 [一貫堂], 涼膈散, 六鬱湯, 回春茵蔯散, ハップ用複方オウバク散
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-2. 衂血
: 鼻の孔(あな)より血出るなり
【疾患注釈】人卒に鼻孔中より血出て數升(すうしょう)に至る者あり、或は湧が如く出るあり、或は點滴(ほたほたと)出るあり、或は鮮血、或は敗絮(ふるわた)如くかたまりたるあり 
【用法】
山梔子炒り、黒くし末となし、管にて鼻孔の中へ吹き込み置き、外よりは紙を水に濡らして、鼻上に搭(おしあて)てよし <中巻16丁>
山梔子一味煎じ服す <中巻16丁>

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-9. 心腹卒痛
: 心腹(むねはら)突然痛くなる
 └ 熱痛: 暴(にわか)に痛み、暴に止みて、復作(またおこ)り、痛む所へ手を近(ちかく)くことを嫌い、或は面赤く、掌中熱く、或は身に熱あり或は大便鞭(かた)く、或は不通(つうぜず)或は瀉(くだる)者あり、瀉様は先ず痛み一陣(ひとしきり)、大便臭きは是熱の痛みなり 
【用法】山梔子炒焦して煎じ服す <中巻34丁>

6. 諸物中毒: 諸毒にあたる類
└ 6-2. 中諸穀菜毒
: 穀類や野菜の毒にあたる
 └ 中菌蕈類毒: 菌蕈(きのこ)の類の毒にあたる
【用法】山梔子刻、水煎じ服す <下巻50丁>
広恵済急方の植物画像

(原文)

(訳文)
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関連情報新訂和漢薬
参考文献JP18: 第18改正日本薬局方.
CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 187-188.
C2) Planta Med.,57,536(1991).
L1) 官準 広恵済急方.
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2) p. 366.
L3) 新訂 和漢薬 pp. 73-74.
備考G. jasminoides には多くの品変種があり,果実の色や形で「山梔子」,「水梔子」,「紅梔子」,「黄梔子」などと称される.山梔子は丸手のもの,水梔子は長手のもの.クチナシはコリンクチナシの品種として分類され,学名は G. jasminoides Ellis forma grandiflora (Lour.) Makinoである.『日本薬局方』ではクチナシを品種として分けず,G. jasminoides にまとめて規定する.「水梔子」の原植物は G. jasminoides Ellis forma longicarpa Z.W. Xie et Okadaである.「山梔子」は古来,天然黄色染料として繁用される.
更新日2023/03/23