資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称白梅花
正式名称白梅花
日本語読みはくばいか, Hakubaika
現地読みMeihua
ラテン名Mume Flos (CP)
英語名Plum Flower (CP)
原植物名Prunus mume Sieb. et Zucc., ウメ
原植物科名Rosaceae, バラ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類花蕾
入手先情報香港, 永大行
入手年月日1974/12/25
TMPW No2249

学術情報データベース

一般生薬名白梅花, Baimeihua, 梅花, Meihua, Mume Flos (CP2020), Plum Flower (CP2020)
生薬画像
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原植物名Prunus mume Siebold et Zuccarini, ウメ, およびその変種
原植物科名Rosaceae, バラ科
薬用部位開花直前の花蕾
公定書薬典(2020)
臨床応用健胃,解毒,鎮静薬として,熱煩症状,精神不定,食欲不振,咽頭部の梗塞感などに応用する.また唇上に瘡ができたとき,白梅花弁を貼るとよい.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類理気薬
薬効[性味] 微酸,平.
[帰経] 肝、胃、肺経.
[効能] 疏肝和中,化痰散結.
[主治] 肝胃気痛,郁悶心煩,梅核気,瘰癧瘡毒に用いる.
成分情報フェニルプロパノイド Phenylpropanoids
(*C1):
Isoeugenol

その他の芳香族化合物 Other aromatic compounds
(*C1):
Benzoic acid, Benzaldehyde

薬理作用未詳.
適応症食欲不振, 気鬱, 痰
方剤通常, 方剤としない
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

<梅実>
1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類
└ 1-1. 中風
: 気を失い半身・手脚きかず、目・口ゆがむ病態 閉証(実証)と脱証(虚証)の二証がある 
 └ 閉証(実証)病状: 卒に倒れ、気を失い、人をしらず、歯を食いしめ、拳を握り、痰を吐くように喘息し、眼口歪み、半身不随、眼を見つめ、或は上目遣いでいるのは中風の閉証である 
【疾患注釈】開口噤擦齒: くいしめたる齒を揩って開く方法
【用法】白梅の肉を以て牙關(はのね)を揩(する)こと數遍すべし、白礬を加よく和(まぜ)て擦付(なすりつけ)てよし <上巻6丁>

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-13. 指頭卒痛
: 指先が突然痛む
【疾患注釈】卒に指痛、忍(こらゆる)べからず、丈夫といえども叫喚(さけびよば)わるに至るべし 
【用法】芒硝五六分、白梅肉にすりまぜ痛所に塗るべし <中巻40丁>

5. 諸物入九竅: 諸物が身体の竅に入る類
└ 5-4. 諸物哽咽
: 諸物咽に引っかかる
 └ 諸魚骨哽咽: 魚の骨咽にたつ
【用法】白梅の核を去(すて)、肉をおしつぶし、大指の頂(さき)ほどに丸め、綿につつみ、線(いと)を結び付け、冷煎茶(ひえたるせんじちゃ)にて呑下すべし、線(いと)の頭(さき)は手に持ち、梅肉(うめぼし)を嘔出すべし、骨附き出るなり <下巻28丁>
└ 5-7. 諸物入肉: 棘が刺さる
 └ 物縫鍼刺: 物縫鍼にかぎらず鍼を刺(たて)てぬけざる
【用法】白梅の肉を入れ、同じく研りて貼るも最もよし 抜去事遅きときは、好(よい)肉を吸い出すことあり <下巻34丁>

6. 諸物中毒: 諸毒にあたる類
└ 6-1. 中諸薬毒
: 諸薬の毒にあたる
 └ 瓜蔕服吐不止: 瓜蔕を服して吐き止まず、煩悶(くるしみもがく)
【用法】白梅肉を喫(くらいて)良 <下巻42丁>
6-2. 中諸穀菜毒: 穀類や野菜の毒にあたる
 └ 中茶毒: 茶の毒に中(あたり)たるなり
【用法】白梅を喫(くらい)て良 <下巻46丁>
関連情報新訂和漢薬
参考文献CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1)和漢薬百科図鑑 Vol. Ⅱ, pp 105-106.
備考花冠の白いものを白梅花,紅いものを紅梅花と称するが,薬用には白梅花を良品とする.しかしその薬効上の根拠はない.
本種の未熟果実を薫蒸して乾燥させたものは「烏梅」である.
更新日2023/09/25