資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称荊芥穂
正式名称荊芥
日本語読みけいがいすい, Kegaisui
現地読みJingjiesui
ラテン名Schizonepetae Spica (JP), Schizonepetae Herba (CP)
英語名Schizonepeta Spike (JP), Fineleaf Schizonepeta Herb (CP)
原植物名Schizonepeta tenuifolia Briq., ケイガイ
原植物科名Labiatae, シソ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類花穂
TMPW No2262

学術情報データベース

一般生薬名荊芥, Jingjie, Schizonepetae Herba (JP18), Schizonepetae Spica (CP2020), Schizonepeta Spike (JP18), Fineleef Schizonepeta Spike (CP2020)
生薬異名荊芥穂 (Jingjiesui)
生薬画像
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原植物名Schizonepeta tenuifolia Briquet, ケイガイ
原植物画像
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原植物科名Labiatae, シソ科
薬用部位花期の地上部または花穂
選品芳香の強い新鮮なものが良品(TN).
公定書日局18,薬典(2020)
臨床応用発汗,解熱,去風,鎮痙,止血薬として,感冒の発熱,頭痛,咽喉痛,瘡傷,皮膚疾患,産後不良,吐血,衄血,便血,崩漏などに応用する.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類辛温解表薬
薬効[性味] 辛,微温.
[帰経] 肺、肝経.
[効能] 解表散風,透疹,消瘡.
[主治] 感冒,頭痛,麻疹,風疹,初期の瘡瘍に用いる.
成分情報その他の脂肪族関連化合物 Other aliphatic and related compounds
(*C1):
3-Octanone, 3-Octanol, 1-Octen-3-ol

モノテルペノイド Monoterpenoids
精油約/essential oil about 1.8% (*C1):
d-Menthone, l-Menthone, d-Limonene, l-Pulegone, l-Isomenthone, Isopulegone, alpha-Pinene, beta-Pinene, Camphene, Piperitone, Piperitenone, Schizo-nepetoside A, Schizo-nepetoside B, Schizo-nepetoside C, Schizo-nepetoside D, Schizo-nepetoside E

セスキテルペノイド Sesquiterpenoids
(*C1):
Caryophyllene, beta-Elemene, beta-Humulene

フラボンとフラボノール Flavones & Flavonols
(*C1):
Diosmetin, Hesperetin, Luteolin

成分 構造式

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薬理作用弱い解熱,鎮痒.抗菌(結核菌).
DNA配列伝統医薬データベース.
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症感冒, 悪寒, 発熱, 頭痛, 咽喉痛, 麻疹, 風疹, 掻痒, 皮膚化膿症, 吐血, 鼻出血, 血便
方剤駆風解毒散, 荊芥連翹湯[回春], 十味敗毒湯, 消風散, 清上防風湯, 川芎茶調散, 治頭瘡一方, 当帰飲子, 防風通聖散, 荊芥連翹湯[一貫堂], 洗肝明目湯, 活血解毒湯, 玉穂湯, 駆風解毒散, 瀉胃湯, 清咽利膈湯
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-1. 吐血
: 人忽(たちまち)血を吐(はく)なり 此証一様ならず故に七ケ條に分たり
 └虚損吐血: (注釈参照)
【疾患注釈】其人いつとなく気怯(きつかれ)、形色憔悴(けしきやつれ)或は胸懐鬱然(こころもちおもしろからず)、飲食ともに風味なく、腹は饑(へり)ながら食することは不欲(いや)にて、且物に驚き易く、夜快寝ざる等の証、其以前にありて後に忽吐血者あり、又は其以前に数度嘔吐の証、或いは度々泄瀉の証有たる後に卒然吐血、或いは下血事有者あり、是を虚損吐血とす、血の色鮮紅かるべし 
【用法】人参焙、側栢葉焙、荊芥穂黒焼にして、等分何れも末となし、飛羅麪(うどんのとびこ)を少許を入、新汲水(くみたてのみず)にて和(よく)匂(まぜ)て、稀糊(うすのり)の如して服す <中巻3丁>

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-2. 衂血
: 鼻の孔(あな)より血出るなり
【疾患注釈】人卒に鼻孔中より血出て數升(すうしょう)に至る者あり、或は湧が如く出るあり、或は點滴(ほたほたと)出るあり、或は鮮血、或は敗絮(ふるわた)如くかたまりたるあり 
【用法】荊芥煎じ服すべし <中巻16丁>

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-5. 諸失血眩暈
: 吐血、下血、鼻衂、舌衂、歯損(はをぬきてそんじ)血出で、金創など血出ること過多(おびただし)ければ、皆眩暈して昏迷になる事あり 
【用法】荊芥末となし、白湯にて送下す <中巻24.丁>

9. 産後急証: 産後に関する急病
└ 9-1. 血暈
: 血の道症
 └ 血逆昏暈: 産後惡露(おりもの)下ること少して、胸腹脹痛み、或は一時昏暈(くらみめまい)、血壅(ふさがり)、痰盛に悪血心に上衝(つきあげ)、或は面赤色澤(おもてあかくいろつや)あり、口噤(くちつぐみ)、頭仰(かしらあおぎ)、頸直(えりすぐ)に人事を知ざるは、血逆昏暈なり 
【用法】荊芥末となし、白湯にて用、煎服亦よし <下巻78丁>

9. 産後急証: 産後に関する急病
└ 9-2. 崩漏
: 産後の大量出血
【疾患注釈】婦人俄(にわか)に陰門より血多出ることあり、脱血(ちおりること)過多(おびただし)ければ、元気接續(とりつづき)がたく、死に至る 急に救べし、産後腹中鳴るもの、崩漏することあるものなり、油斷すべからず 
【用法】荊芥の穂焼て黒し、細末となし、童子の小便にて服すべし <下巻80丁>

10. 小児急証: 小児の急病
└ 10-3. 臍風
: 新生児喘息して臍腫脹し、泣声が出ない
【疾患注釈】面赤、喘息、啼聲出ず、臍張(へそはり)て突起(たかくで)、腹張満(はらはりみち)て日夜啼て乳を吮ことあたわず、或は搐搦(てあしびくつき)、口噤て撮(とがり)、凡(おおよそ)臍の邉青黒は理すべからず 
【用法】臍腫たるは荊芥を煎じ、汁を取て洗浄(あらいきよめ)、葱の葉を火の上によく炙、冷(ひゆる)を候(まち)て指甲(ゆびのこう)にて刮(けずり)、薄して腫たる處貼(はりつけ)べし <下巻85丁>
関連情報新訂和漢薬
同類生薬羅勒
参考文献JP18: 第18改正日本薬局方.
CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp 52-53.
L1) 官準 広恵済急方
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2)
L3) 新訂 和漢薬
備考中国東北地区市場の荊芥には Schizonepete multifida Briq. 及び ナギナタコウジュ Elsholtia ciliata (Thunb.) Hylander がまれに混入され,広東省では Salvia plebeia R.Br. や ハナハッカ (オレガノ) Origanum vulgare L., 湖北省ではメボウキ (バジル) Ocimum basilicum L. 雲南,山西省では イヌハッカ Nepeta cataria L. を荊芥と称している.また土荊芥と称するものには多種の植物が用いられる.
古来には羅勒が荊芥(假蘇)の一種として用いられていた.現在羅勒はメボウキの開花期の全草で,産後の血行改善,胃痙攣,腎臓病などに用いる.
更新日2023/02/17