資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称黄土
正式名称伏龍肝
日本語読みぶくりゅうかん, Bukuryūkan
現地読みŌdo
ラテン名Terra Flava Usta
英語名Furnace Soil
原植物名黄土で作った竈の中央の焼けた土
薬用部位分類鉱物性生薬
細分類鉱物
産地情報日本, 四国地方
入手先情報日本, 東京都, ㈱ウチダ和漢薬
入手年月日2005/10/19
蒐集者伏見裕利
TMPW No25282

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
33.7432238
133.63753139999994
産地情報
日本,四国地方
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
35.6894875
139.69170639999993
入手先情報
日本,東京都
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名伏龍肝, Fulonggan, Terra Flava Usta, Furnace Soil
生薬異名竈心対鍋底土, 竈内黄土, 竈中土, 他(備考 / Remarks)
生薬画像
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原植物名黄土で作った竈の中央の焼けた土
薬用部位鉱物
選品陳旧のもの程良い(NI).
臨床応用温性の鎮嘔,収斂,止血薬で,各種出血,吐血,衂血,妊婦嘔吐に応用する.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類止血薬
薬効温中止血,止嘔,止瀉.吐血,衄血,便血,崩漏,嘔吐,妊娠悪阻,脾虚久瀉に用いる.
成分情報その他 Others
北京市場品 (*C1):
Fe+++, Fe++, Ca++, CO3--
日本の七輪 (*C1):
SiO2, CaO, MgO, K2O, Na2O, SO3, Cl, Fe2O3, Al2O3

薬理作用止吐,止瀉.
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症血便, 吐血, 鼻出血, 不正性器出血, 嘔吐, 妊娠悪阻, 慢性下痢
方剤希有処方に配合
広恵済急方(日本古典) 

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2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-1. 吐血
: 人忽(たちまち)血を吐(はく)なり 此証一様ならず故に七ケ條に分たり
 └ 虚損吐血: 其人いつとなく気怯(きつかれ)、形色憔悴(けしきやつれ)或は胸懐鬱然(こころもちおもしろからず)、飲食ともに風味なく、腹は饑(へり)ながら食することは不欲(いや)にて、且物に驚き易く、夜快寝ざる等の証、其以前にありて後に忽吐血者あり、又は其以前に数度嘔吐の証、或いは度々泄瀉の証有たる後に卒然吐血、或いは下血事有者あり、是を虚損吐血とす、血の色鮮紅かるべし 
【用法】
伏龍肝末となし、新汲(くみたての)水の中へ入れ、拌(かきまぜ)淘汰(ゆすり)て後よく澄(すまし)て、其上水にを加、和匂(よくまぜ)あわせて服して後、粥を啜(すする)をよしとす <中巻3丁>
参附湯伏龍肝末となし、服する時點(くわえいれ)攪(かきまぜて)用ゆ最良 <中巻4丁>

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-5. 諸失血眩暈
: 吐血、下血、鼻衂、舌衂、歯損(はをぬきてそんじ)血出て、金創など血出ること過多(おびただし)ければ、皆眩暈して昏迷になる事あり 
【用法】醒來(ひとここちついて)後速やかに伏龍肝末となし、湯に拌(かきまぜ)て飲むべし <中巻24丁>

3. 外傷の類: 怪我や蟲獣(むし、けだもの)に咬まれる等の外傷
└ 3-7. 湯盪火焼
: 火傷の類
【疾患注釈】湯火にて焼(やけ)どせるなり
おおよそ湯火傷、冷水を淋(そそぐ)べからず、一旦は痛止むに似れども、火毒内攻して大(おおい)に害あり 
【用法】伏龍肝を水に和(まぜ)て傳(つく)べし <中巻70丁>

3. 外傷の類: 怪我や蟲獣(むし、けだもの)に咬まれる等の外傷
└ 3-10. 諸蟲咬傷
: 諸々の虫に刺される/咬まれる
 └ 毛蟲刺人: 毛蟲人をさす
【用法】伏龍肝を水にてとき、貼(つけ)てよし <中巻75丁>

7. 婦人産前急証: 妊婦の産前に関する急病
└ 7-4. 妊婦腹痛腰痛
: 妊娠時の腹痛・腰痛
【疾患注釈】懐妊中、何故もなく腹痛事あり
妊婦腰痛、又下血止(血を下して止まざる)ことあり 
【用法】百草霜二匁、棕櫚灰、伏龍肝三匁末となし、一二匁ずつ白湯に酒と童便を沖(さし)て、右の薬を入れ、攪(かきまぜ)服さしむべし <下巻69丁>
関連情報新訂和漢薬
同類生薬黄土(おうど):華北一帯に広がる黄土地帯の土.伏龍肝はこれを赤熱したもの
参考文献C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp 369-370.
L1) 官準 広恵済急方
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2)
L3) 新訂 和漢薬
備考別名を竈心対鍋底土(そうしんたいかていど),竈内黄土(そうないおうど),竈中土(そうちゅうど),釜下土(ふかど),竈中心土(そうちゅうしんど),釜月下土(ふげつかど),竈中黄土(そうちゅうおうど),竈下土(そうかど),釜月土(ふげつど)などと称する.日本では土器を焼いたり,長年使用した七輪を代用とする.
伏龍肝の名称は,昔,中国で,竈を作る時に豚の肝臓を土に混ぜたことに由来する.
更新日2023/10/23