資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称五倍子
正式名称五倍子
日本語読みごばいし, Gobaishi
現地読みWubeizi
ラテン名Galla Chinensis (CP), Galla Rhois
英語名Chinese Gall (CP)
原植物名Rhus javanica L., ヌルデ
原植物科名Anacardiaceae, ウルシ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類虫えい
入手先情報日本, 大阪府, ㈱栃本天海堂
入手年月日1975/02/00
TMPW No2758

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
産地情報
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
34.6937378
135.50216509999996
入手先情報
日本,大阪府
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名五倍子, Wubeizi, Galla Chinensis (CP2020), Galla Rhois, Chinese Gall (CP2020)
生薬画像
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原植物名Rhus javanica Linn., ヌルデ
原植物科名Anacardiaceae, ウルシ科
薬用部位虫えい
公定書薬典(2020)
臨床応用収斂止瀉,鎮咳,止血,止汗薬として,久しい下痢,肺虚の久咳,消渇,盗汗,下血,脱肛,遺溺泄精,便血,多汗,金瘡出血などに応用する.現在ではほとんど薬用としない.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類収渋薬
薬効[性味] 酸、渋,寒.
[帰経] 肺、大腸、腎経.
[効能] 斂肺降火,渋腸止瀉,斂汗,止血,收湿斂瘡.
[主治] 肺虚久咳,肺熱痰嗽,久瀉久痢,自汗盗汗,消渇,便血痒血,外傷出血,癰腫瘡毒,皮膚湿爛に用いる.
成分情報タンニン Tannins
(*C1):
Penta - octagalloyl-beta-glucose, Nona - decagalloylglucose, gallic acid, m-Digallic acid

成分 構造式



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薬理作用収斂作用(tannin).殺菌作用(煎剤:黄色ブドウ球菌,鏈球菌,肺炎球菌,チフス菌,パラチフス菌,痢疾桿菌,炭疽桿菌,ジフテリア菌,緑膿桿菌,in vitro).
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症下痢, 咳, 出血, 盗汗, 下血, 痔出血, 脱肛, 多汗, 痰, 外傷出血, 皮膚疾患
方剤希有処方に配合
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-9. 心腹卒痛
: 心腹(むねはら)突然痛くなる
 └ 痰痛: 心腹(むねはら)痛て、腹の中漉々(からから)といえる聲(こえ)ありて手脚寒(ひえ)て痛、或は腰、膝、背、脇(わきばら)抽掣(ひきつり)て痛をなすは痰飲にて痛なり
【用法】五倍子炒焦して、温酒にて服す <中巻35丁>

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-21. 脱肛不収
: 脱肛
【疾患注釈】だっこう出て入ざるなり
【用法】五倍子明礬等分湯にて煎じ洗、絹切又は芭蕉の葉、又はの葉(はすのは)にてそろそろ託入(おしいる)べし <中巻52丁>
 
5. 諸物入九竅: 諸物が身体の竅に入る類
└ 5-4. 諸物哽咽
: 諸物咽に引っかかる
 └ 鶏骨哽咽: 鶏の骨咽にたつ
【用法】五倍子末となし服す、此物咽に入ときは化して下る <下巻28丁>

6. 諸物中毒: 諸毒にあたる類
└ 6-4. 中魚介禽獣肉毒
: 魚介、禽獣類の肉、他諸毒にあたる
 └ 中毒通療: ものにあたりおしなえて治す
【用法】五倍子の末を好酒(よきさけ)にて服す、吐下して良 <下巻60丁>

10. 小児急証: 小児の急病
└ 10-8. 走馬牙疳
: 歯茎がただれ、歯が落ちる
【疾患注釈】齒齦(はぐき)損爛(くずれただれ)、或は腫紫黒色(くろむらさきいろ)に成、齒縫(はのはえぎわ)より鮮血出、口内臭気あり、毒深(つよき)は臭気も亦つよし 身に熱あり、甚しきは齒落、唇鼻顋(えら)頬までも攻蝕(かけとれ)て脱去(おちる)に至る、遅ときは死に至る 
おおよそ疱瘡麻疹(ほうそうはしか)、或は熱病時毒等患いたる後、息臭、口中臭気あるは、其毒消鮮せさるなれば早く良醫(よきいしゃ)を迎(よび)て療理を請べし、延握(のびのびに)すれば此病となる、可恐(おそるべし) 
【用法】先河蚌(和名ドブガイ又はカタカイ)を煮て汁を取り、患處(患部)を洗うべし、又淡(うすき)塩湯或は米とぎ水にて洗うもよし、洗嗽(あらいうがい)したるあとへ、後の薬を塗(ぬる)べし 尿桶中の白かすを刮(けずり)とり、火にて焙、乾末となし、麝香少許(すこしばかり)入れ研(すり)あわせ、患處(患部)へ塗べし、龍脳少許加え用ゆるもよし、其の方中へ五倍子(はぐろぶし)炒、黒(くろく)し、銅青(あかがねのあおきさび)等分末となし、加え用ゆ、最よし <下巻94丁>

関連情報新訂和漢薬
参考文献CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. Ⅱ, pp 223-226.
L1) 官準 広恵済急方.
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2).
L3) 新訂 和漢薬.
備考本品はウルシ科/Anacardiaceaeの ヌルデ Rhus javanica L. (= R. semialata Murr.; R. chinensis Mill.) の若芽や葉上に,アブラムシ科/Aphididaeの ヌルデシロアブラムシ Schlechtendaria chinensis Bell (= Melaphis chinensis Bell) が寄生し,その刺激によって葉上に成長した嚢状虫えいを少時熱湯に浸した後乾燥したもの.
不規則な菱角状で,わずかに瘤状突起があり,また角状分枝があるので,中国では「角倍」,「花倍」または「菱倍」と称する.日本では一般に「木附子」といい,瘤状突起のあるものを「耳附子」,分枝の多いものを「花附子」と称している.
更新日2022/03/09