資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称艾葉
正式名称艾葉
日本語読みがいよう, Gaiyō
現地読みAeyup
ラテン名Artemisiae Folium (JP), Folium Artemisiae Argyi (CP)
英語名Artemisia Leaf (JP), Argy Wormwood Leaf (CP)
原植物名Artemisia argyi Levl. et Vant., チョウセンヨモギ 及びその他同属植物
原植物科名Compositae, キク科
薬用部位分類植物性生薬
細分類全草
産地情報大韓民国(韓国)
入手先情報日本, 大阪府, ㈱栃本天海堂
入手年月日2013/12/12
蒐集者柴原 直利
備考2014年拠点事業
TMPW No28112

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
産地情報
大韓民国(韓国)
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
34.6937378
135.50216509999996
入手先情報
日本,大阪府
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名艾葉(中国産), Aiye, Artemisiae Argyi Folium (CP2020), Argy Wormwood Leaf (CP2020)
生薬異名祁艾,温灸艾
原植物名Artemisia argyi Levl. et Vant., Artemisia princeps Pamp.1 or Artemisia lavandulaefolia DC., ヨモギ1
原植物画像
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原植物科名Compositae, キク科
薬用部位全草または葉
選品藁埃や土気の混じらない,陳いものが良いとされる(NI).
公定書局外(1989), 薬典(2020), 日局18
臨床応用収斂性止血,鎮痛薬として,婦人の漏下,妊娠中の下血,その他子宮出血,腹痛,吐瀉などに応用する.またモグサの製造原料とする.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類止血薬
薬効[性味] 辛、苦,温;有小毒.
[帰経] 肝、脾、腎経.
[効能] 温経止血,散寒止痛; 外用去湿止痒.
[主治] 吐血,衄血,崩漏,月経過多,妊娠下血,少腹冷痛,経寒不調,宮冷不孕に用い,皮膚掻痒に外用する.
成分情報モノテルペノイド Monoterpenoids
A. princeps (*C1):
1,8-Cineole, alpha-Thujone, beta-Thujone

セスキテルペノイド Sesquiterpenoids
A. princeps (*C1):
Sesquiterpene類

簡単な含窒素化合物 Simple nitrogen containing compounds
A. princeps (*C1):
Adenine, Choline, Acetylcholine

成分 構造式

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薬理作用呼吸促進,血圧下降(水エキス).毛細血管透過性抑制.
DNA配列AJ296389, AJ296424, AF045385, AF045386, AF060472, AF061389, AJ296389, AJ296424
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症腹が冷えて痛む, 月経不順, 月経痛, 不妊, 不正性器出血, 月経過多, 切迫流産, 吐血, 鼻出血, 血便, 湿疹, 掻痒
方剤芎帰膠艾湯
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-9. 心腹卒痛
: 心腹(むねはら)突然痛くなる
 └ 蟲痛: 心腹(むねはら)痛み、時(ときどき)作(おこ)り、時(ときどき)止(やみ)、痛止(いたみやみたるときには能(よく)食(しょく)し、痛発(いたみおこり)たるときは口中に冷唾たまり或は清(すみたる)水を吐き、或は涎沫(よだれあわ)を吐て面青黄、或は白して口唇赤は蟲痛なり
【用法】艾葉生なるものを搗て汁を服すべし、生なくば乾たるを水に煎じ服すべし <中巻33丁>

3. 外傷の類: 怪我や蟲獣(むし、けだもの)に咬まれる等の外傷
└ 3-9. 人咬傷 (ひとかみやぶらるる)
: 人に咬まれる
【疾患注釈】おおよそ人に咬まれたるも、亦大に害をなすものなり、病人は殊に害甚だし、若し咬傷(かみやぶら)れなば、速(すみやか)に薬理すべし 
【用法】熱人屎(ひとのしょうべん)にてよくよく傷處を洗い、其あとへ生栗子を紙撚(こより)に塗て火を點(ひをつけ)、焔(ほのお)にて薫(ふすべ)てよし 又は人の乾糞を胡桃殻を割て半片につめて咬(かまれたる)所に覆置て、殻の上よりにて灸すべし、痛ざるに至て止む <中巻74丁>

3. 外傷の類: 怪我や蟲獣(むし、けだもの)に咬まれる等の外傷
└ 3-10. 諸蟲咬傷
: 諸々の虫に刺される/咬まれる
 └ 蛇咬: 常の蛇に咬(かまれ)たる
【用法】鹽(しお)を嚼(かみ)て傷處に敷、其上へにて灸を廿一壮すべし、訖(しまい)て復鹽(しお)を嚼(かみ)傷の処へ塗べし、若(もし)山野に塩もも無ときは火縄の火にても、烟草(たばこ)の火にても、傷の處へ押付て熱きを堪(こらゆ)べし <中巻78丁>

3. 外傷の類: 怪我や蟲獣(むし、けだもの)に咬まれる等の外傷
└ 3-11. 諸獣囓傷
: 獣に噛まれる
 └ 瘈狗囓: 瘈(やまい)犬に囓まれたる
【用法】急に瘡口(きずぐち)より血を絞り出ること少きは瘡口の四圍(ぐるり)を鍼にて刺、血を多く絞出し、次に手のさきならば肘の邉、脚さきならば膝頭より、人に小便をしかけさすべし、かわりかわり多くしかくるをよしとす、最其小便、瘡口の處へ流かかる様にして洗べし 其あとへ胡桃殻を二つに割、肉を去て、半片の内へ人の糞を填満(つめ)て、傷所へうつむけに掩(おおい)ふせ置、其上へ艾葉を大く撚(ひねり)かためて灸すべし 其日百壮灸してよし、艾火柱大なる故、胡桃殻は焼て焦(こが)れ、人糞は乾べし、左あらば幾度も取換て灸すべし <中巻89丁>

3. 外傷の類: 怪我や蟲獣(むし、けだもの)に咬まれる等の外傷
└ 3-11. 諸獣囓傷
: 獣に噛まれる
 └ 諸獣諸蟲咬傷痛極: もろもろの獸、もろもろの蟲に咬傷(かみやぶら)れ痛極(いたみつよく)勢危う(いきおいあやうき)もの
【用法】皆を以て咬傷(かみやぶり)たる處に灸すべし、毒気を抜散して安し 或は大蒜一片を其処に布(しき)、其上に大艾焔(おおきくひねりたるもぐさ)にて、二三壮灸してよし、蒜爛(にんにくくただれ)ば取換て灸すべし、毒甚しきは五十壮に至るべし <中巻93丁>

7. 婦人産前急証: 妊婦の産前に関する急病
└ 7-3. 子間
: 妊婦意識不明となる
【疾患注釈】妊娠の婦人、卒に項背(えりせなか)共に強直(こわりすくみ)て、筋脈(すじ)攣急(ひきつめ)、口噤て、痰盛にして、昏迷(きとおく)、或は手足びくびくし角弓反張(ゆみのごとくそりかえり)、心下気上衝(むなさきさしこみつよく)、舌を長く出し、人事をしらず、暫くして程、復作(またおこる)を子癇と云、此症救がたし、若口より糞汁出るものあり、必死す 
【用法】艾葉鷄子(たまご)大半分(おおきさはんぶん)許(ばかり)を酢二椀入一椀に煎じ服すべし <下巻67丁>

7. 婦人産前急証: 妊婦の産前に関する急病
└ 7-4. 妊婦腹痛腰痛
: 妊娠時の腹痛・腰痛
【疾患注釈】懐妊中、何故もなく腹痛事あり 妊婦腰痛、又下血止(血を下して止まざる)ことあり 
【用法】酒或は水にて煎飲べし <下巻69丁>
関連情報新訂和漢薬
参考文献CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp 79-80.
L1) 官準 広恵済急方.
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2).
L3) 新訂 和漢薬.
備考祁州産のものを「祁艾」と称する.
更新日2023/10/18