資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称浮海石
正式名称浮海石
日本語読みふかいせき, Fukaiseki
現地読みFuhaishi
ラテン名Pumex
英語名Pumice
原植物名 , 火山の岩漿で形成された多孔質の石塊
薬用部位分類鉱物性生薬
細分類鉱物
入手先情報香港, 永大行
入手年月日1974/12/25
TMPW No2816

学術情報データベース

一般生薬名浮海石, Fuhaishi, Pumex, Madreporariae Os, Pumice
生薬異名浮石(Fushi), 軽石(Zishi
生薬画像
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原植物名火山の岩漿で形成された多孔質の石塊
薬用部位鉱物
臨床応用去痰,鎮咳,利尿薬として,慢性気管支炎,咳嗽,老痰、瘰癧,淋病,糖尿病の煩渇などに応用する.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類化痰止咳平喘薬
成分情報その他 Others
浮石 (*C1):
SiO2, Al2O3, K2O
石花 (*C1):
CaCO3, Mg++, Fe+++,酸不溶物

薬理作用未詳.
適応症痰, 咳, 小便不利, 慢性気管支炎, 咳嗽, 淋疾, 糖尿病
方剤希有処方に配合
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類
└ 1-13. 積気暈倒
: 胸腹の激痛により目をまわす
 └ 疝気衝逆(せんきつきあぐる): 素より陰嚢腫痛事有か又腰少腹(したはら)など拘急(ひきはる)ものこの証あり、又左もなくして忽然(たちまち)起る者あり、其証少腹より胸膈(むなさき)まで衝上(つきあげ)引疼(ひきいたみ)て、前の積気(しゃくき)と同証を見(あらわ)すなり
【用法】衝逆強く、痰のどに塞(ふさがる)は、香附子の末、浮石の末等分にして白湯に生薑の絞汁を拌(かきまぜ)て服す <上巻69丁>
関連情報新訂和漢薬
参考文献C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. Ⅱ, pp 377-379.
L1) 官準 広恵済急方.
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2).
L3) 新訂 和漢薬.
備考浮海石の基源として次の4つが市場で流通している.
1) 浮石: 火山の岩漿で形成された多孔質質の石塊で,一般に「軽石」と称する.
2) 石花: 腔腸動物門/Coelenterata, 花虫綱/Anthozoa, 石サンゴ目/Scleractinia(= Madreporaria), ハマサンゴ科/ Poritidaeの Porites nigrescens Danyの骨格.石サンゴ類はイソギンチャクに似たポリプと共肉をもち,それから石灰質を分泌して強固な骨格を作る.その他腔腸動物のアナサンゴモドキ目,アナサンゴモドキ科/Milleporidaeの ヤツデアナサンゴモドキ Milleporia ternera Boschma (= M. tortusa Dana, M. dichotoma Vaughan, M. tenella Ortmann, 多孔珊瑚螅, 千孔石)または Millepora exaesa Forskal が分泌した石灰質骨格.現在浙江省や北京市場の浮海石はほとんどこの種である.
3) 小海石:多孔珊瑚石の小塊.
4) 広西省の一部地区では「炉甘石」を浮水石,浮石,浮甘石と称することがある.
更新日2021/01/18