資料館生薬データベース
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学術情報データベース
一般生薬名 | 乳香, Ruxiang, Olibanum (CP2020), Olibanum (CP2020) | |||||
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生薬画像 |
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原植物名 | Boswellia carteri Birdwood, Boswellia bhaw-dajiana Birdwood, Boswellia neglecta S.Moore | |||||
原植物科名 | Burseraceae, カンラン科 | |||||
薬用部位 | 幹から滲出した含油ガム質 | |||||
選品 | 淡黄色透明で,円い粒状のものが良品とされる(NI). | |||||
公定書 | 薬典(2020) | |||||
臨床応用 | 鎮痛,消炎薬として,経閉経痛,打ち身,癰疽瘡瘍,心腹諸痛,寒湿による痺痛などに応用される.古くは薬用のほか,宗教上の薫香料とされたが,今日では専ら香料の原料とされる. | |||||
医学体系 | 中国医学 | |||||
伝統医学的薬効 | 分類 | 活血去瘀薬 | ||||
薬効 | [性味] 辛、苦,温. [帰経] 心、肝、脾経. [効能] 活血定痛,消腫生肌. [主治] 胸痺心痛,胃腹疼痛,痛経経閉,産後瘀阻,癥瘕腹痛,風湿痺痛,筋脉拘攣,跌打損傷,癰腫瘡瘍に用いる. | |||||
成分情報 | 多糖類 Polysaccharides (*C1): Arabic acidのCa, Mg塩 モノテルペノイド Monoterpenoids (*C1): Pinene, Dipentene, alpha-Phellandrene, beta-Phellandrene トリテルペノイド Triterpenoids (*C1): alpha-Boswellic acid, beta-Boswellic acid その他 Others (*C1): Olibanoresene, Bassorin, 苦味質/bitter substances | |||||
成分 構造式 |
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薬理作用 | 抗菌,鎮静,消炎. | |||||
証類本草(中国古典) | ※画像をクリックすると本文の画像が表示されます | |||||
適応症 | 月経痛, 腹痛, 打撲外傷による腫脹・疼痛, 皮膚化膿症, 創口が閉鎖しない | |||||
方剤 | 希有処方に配合 | |||||
広恵済急方(日本古典) Tips! | 1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類 └ 1-13. 積気暈倒: 胸腹の激痛により目をまわす └ 冷気入嚢(れいきいんのうにいる): 冷気入嚢(れいきいんのうにいり)て痛強く、陰嚢縮入て腹急(ひきはり)、痛絶入(いたみたえいらん)とするあり、甚しきは死に至るなり 【用法】葱の白根を刻て炒り、熱き所を木綿切(もめんきれ)に包み、陰嚢を蒸すべし、乳香の末加る最よし、又茴香を炒りて用るもよし <上巻70丁> 8. 臨産急証: 出産に関する急病 └ 8-1. 難産 【疾患注釈】正産(兒の頭正直に出るなり)にして生下(うまれ)かぬるを碍産(がいざん)という、又兒先足を露(あわらす)を逆産とす、又兒先手を露を横産(おうさん)という、又兒母の後(いしき)のかたへ挂(かかり)しを棖後(とうご)という、又兒母の左か右の方へ偏(かたより)、兒の額角(こびんさき)を露(あわらす)を偏産(へんさん)という 【用法】人参末、乳香末一匁、辰砂五分、鶏子(にわとりのたまご)白(しろみ)一枚(ひとつ)、生姜汁を入攪(かきまぜ)て服すべし <下巻71丁> | |||||
関連情報 | 新訂和漢薬 | |||||
同類生薬 | 羊乳香 | |||||
参考文献 | CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) . C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp 210-212. L1) 官準 広恵済急方 L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2) L3) 新訂 和漢薬 | |||||
備考 | 春,夏両季に採集されるが,通常春季に,樹皮に下から上に向かって順次切傷をつけ,また傷口にそって小溝をつけ,傷口から滲出した樹液を溝に流入させ,数日後凝固した団塊を収集する.できるだけ樹上についているものを取る.地上に落ちたものは土砂が混入するので品質が劣る. 羊乳香:ウルシ科/Anacardiaceae の Pistacia lentiscus L.から得られる樹脂で,マスチックである. | |||||
更新日 | 2023/10/23 | |||||