資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称鹿茸
正式名称鹿茸
日本語読みろくじょう, Rokujō
現地読みLurong
ラテン名Cervi Cornu Pantotrichum (Non-JPS), (CP)
英語名Antler Velvet (Non-JPS), Pilose Antler (CP)
原植物名Cervus elaphus L. var. xanthopygus Milne-Edwards1, C. nippon Temminck var. mantchuricus Swinhoe2, マンシュウアカジカ1 または マンシュウジカ2
原植物科名Cervidae, シカ科
薬用部位分類動物性生薬
細分類その他
TMPW No2903

学術情報データベース

一般生薬名鹿茸, Lurong, Cervi Cornu Pantotrichum (Non-JPS2022, CP2020), Antler Velvet (Non-JPS2022), Deer Horn (Antler) (CP2020)
生薬異名馬鹿茸,花鹿茸,砍鹿茸
生薬画像
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原植物名Cervus nippon Temminck,Cervus elaphus Linn.,Cervus canadensis Erxleben, またはその他同属動物
原植物画像
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原植物科名Cervidae, シカ科
薬用部位雄の幼角(袋角)
選品軟質で柔毛が密生し,角化していない,断面の赤紫色部分の多い物ほど良品.一般に先端部が上品(TN).
公定書局外(2022), 薬典(2020)
臨床応用強壮,強精,鎮痛薬として,インポテンツ,頭暈,耳鳴り,腰膝の痿弱,虚寒証の帯下,慢性病の虚損などの症に応用する.
近年頭部,頸部および脊椎損傷に伴う症状や,自律神経失調症,低血圧症,更年期障害にも適用.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類補陽薬
薬効[性味] 甘、鹹,温.
[帰経] 腎、肝経.
[効能] 壮腎陽,益精血,強筋骨,調沖任,托瘡毒.
[主治] 腎陽不足,精血虧虚,陽痿遺精,宫冷不妊,羸瘦,神疲,畏寒,眩暈,耳鳴,耳聾,腰脊冷痛,筋骨痿軟,崩漏带下,陰疽不斂に用いる.
成分情報ステロール Sterols
(*C1):
Oestrone
C. nippon var. mantchuricus (*C1):
Cholesteryl myristate, Cholesteryl oleate, Cholesteryl palmitate, Cholesterol stearate, Cholesterol, Cholest-5-en-3beta-ol-7-one, Cholest-5-en-3beta,7alpha-diol, Cholest-5-en-3beta,7beta-diol

その他の芳香族化合物 Other aromatic compounds
C. nippon var. mantchuricus (*C1):
p-Hydroxybenzaldehyde, p-Hydroxybenzoic acid

その他の含窒素化合物 Other nitrogen containing compounds
C. nippon var. mantchuricus (*C1):
Uracil, Hypoxanthine, Creatinine, Nicotinic acid, Urea, Uridine

その他 Others
(*C1):
コラーゲン/collagen, ,リン酸カルシウム/calcium phosphate,炭酸カルシウム/calcium carbonate,蛋白質/protein

成分 構造式



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薬理作用副交感神経末梢部の緊張亢進,神経・筋系の機能改善,内分泌系の機能亢進作用〔70%アルコールエキス(pantocrin, 鹿茸精)〕,MAO(monoamine oxidase)-B活性阻害作用(主にhypoxanthine),RNA-polymerase活性刺激作用〔主にpolyamines(putrescine, spermidineなど)〕,抗過酸化脂質作用(花鹿茸水エキス).
DNA配列AB019629, AB021097, L15082
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症インポテンツ, めまい, 耳鳴り, 腰膝無力, 帯下, 自律神経失調症, 低血圧症, 更年期障害, 不妊症, 羸痩(るいそう), 耳漏
方剤希有処方に配合
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

3. 外傷の類: 怪我や蟲獣(むし、けだもの)に咬まれる等の外傷
└ 3-5. 眼為物傷 (まなこ物にやぶらる)
: つき目、うち目
【用法】鹿茸至極細末にし、人の乳に調(まぜ)、度々目の内に灌入べし、重き傷といえども癒るなり <中巻67丁>
関連情報新訂和漢薬
参考文献Non-JPS2022: 日本薬局方外生薬規格2022.
CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬図鑑 Vol.II, pp 281-285.
L1) 官準 広恵済急方
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2)
L3) 新訂 和漢薬
備考脊椎動物門,哺乳綱(Mammalia),偶蹄目(Artiodactyla)のシカ科のマンシュウアカジカ Cervus (Cervus) elaphus L. var. xanthopygus Milne-Edwards(馬鹿),およびマンシュウジカ C. (Sika) nippon Temminck var. mantchuricus Swinhoe(梅花鹿,花鹿)の雄の幼角(袋角).
前者の幼角を「馬鹿茸」,後者からのものを「花鹿茸」または、「梅花鹿茸」と称しており,現在わが国に輸入される中国およびシベリア産のものはこの2種に限られ,特に前者が主である.
更新日2022/07/21