資料館生薬データベース
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30.572815
104.06680099999994
産地情報
中華人民共和国,四川省
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
36.3418112
140.4467935
入手先情報
日本,茨城県
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png
学術情報データベース
一般生薬名 | 黄耆, Huangqi, Astragali Radix (JP18), (CP2020), Astragalus Root (JP18), Milkvetch Root (CP2020) | ||||||
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生薬異名 | 綿黄耆, 小綿耆, 北耆 | ||||||
生薬画像 |
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原植物名 | Astragalus membranaceus Bunge1 or Astragalus mongholicus Bunge, キバナオウギ1 | ||||||
原植物画像 |
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原植物科名 | Leguminosae, マメ科 | ||||||
薬用部位 | 根 | ||||||
選品 | 円柱形で太く,棒状の柔かい,外部は淡褐色~黄褐色,内部は黄白色の味の甘い香気のあるものが良品(TN). | ||||||
公定書 | 日局18,薬典(2020) | ||||||
臨床応用 | 強壮,強心,利尿,止汗薬として,虚弱体質,栄養不良,汗機能不全,急性・慢性腎炎などに応用する. | ||||||
医学体系 | 中国医学 | ||||||
伝統医学的薬効 | 分類 | 補気薬 | |||||
薬効 | [薬性・性味] 甘,微温. [帰経] 肺、脾経. [効能] 補気升陽,固表止汗,利水消腫,生津養血,行滞通痺,托毒排膿,斂瘡生肌. [主治] 気虚乏力,食少便溏,中気下陷,久瀉脱虹,便血崩漏,表虚自汗,気虚水腫,内熱消渇,血虚萎黄,半身不遂,痺痛麻木,癰疽難潰,久潰不斂に用いる. | ||||||
成分情報 | 脂肪酸 Fatty acids (*C2): Linoleic acid, Linoleinic acid 単糖類 Monosaccharides (*C2): D-Glucose, D-Fructose 少糖類 Oligosaccharides (*C2): Sucrose トリテルペン系サポニン Triterpenoid saponins (*C1): Astragaloside I, Astragaloside II, Astragaloside III, Astragaloside IV, Astragaloside V, Astragaloside VI, Astragaloside VII, Astragaloside VIII, Soyasaponin I ステロール Sterols (*C2): beta-Sitosterol イソフラボン Isoflavones (*C2): Formononetin, 3'-Hydroxyformononetin, 2',3'-Dihydroxy-7,4'-dimethoxyisoflavone, 7,3'-Dihydroxy-4'-methoxyisoflavone 7-O-glucoside, Astraisoflavan, 7,2'-Dihydroxy-3',4'-dimethoxyisoflavane 7-O-glucoside, Astrapterocarpan 7-hydroxy-3',4'-dimethoxypterocarpan 7-O-glucoside, Isoliquiritigenin アミノ酸 Amino acids (*C1,C2): I-Canavanine, Betaine, ganma-Aminobutyric acid その他の含窒素化合物 Other nitrogen containing compounds (*C2): Choline | ||||||
成分 構造式 |
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薬理作用 | 利尿作用,血圧降下作用(水エキス,エタノールエキス). | ||||||
DNA配列 | AF121675, AF239711, AF239712, AF239712; 伝統医薬データベース. | ||||||
証類本草(中国古典) | ※画像をクリックすると本文の画像が表示されます 訳文画像を表示 | ||||||
適応症 | 元気が無い, 疲れやすい, 息切れ, 食欲不振, 冷え, 子宮下垂, 慢性下痢, 血便, 不正性器出血, しびれ, 半身不随, 盗汗, 皮膚化膿症, 浮腫, 自汗, 脱肛, 多飲, 多尿, 皮下出血, 急性腎炎, 慢性腎症, 蛋白尿, 糖尿病 | ||||||
方剤 | 医王湯, 痿証方, 烏頭湯, 益気養栄湯, 黄耆桂枝五物湯, 黄耆建中湯, 黄耆芍薬桂枝苦酒湯, 黄耆別甲湯, 黄連消毒飲, 加味帰脾湯, 帰耆建中湯, 桔梗解毒湯, 帰脾湯, 芎帰補中湯, 玉屏風散, 桂枝加黄耆湯, 三黄湯, 紫根牡蠣湯, 七賢散, 七物降下湯, 十全大補湯, 十味剉散, 十六味流気飲, 春林赫石脂湯, 除湿補気湯, 助陽和血湯, 清暑益気湯, 生津湯, 清心蓮子飲, 大防風湯, 治黄胖方, 当帰飲子, 当帰湯, 当帰六黄湯, 内托散 [回春], 内托散 [千金], 人参散, 人参養栄湯 [局方], 半夏白朮天麻湯, 扶脾生脈散加白芨, 防已黄耆湯, 防已茯苓湯, 補腎湯, 牡丹皮散, 補中益気湯, 味麦益気湯 | ||||||
広恵済急方(日本古典) Tips! | 1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類 └ 1-2. 脱陽:突然元気がなくなり気を失う、吐瀉後意識不明となる 卒(にわか)に倒れ、無性になり、口を開、手をひろげ、大便又は小便をもらし、或は汗出て流がごとく或は汗いでず、惣身手足ともに温に、目を合(ふさぎ)、鼻息麁(あらく)鼾(いびき)の如く、或は痰咽にぜりぜりといえる音あり、或は痰の音なく、或は面赤、又はうす黒く、又は顔色粧(よそおふ)がごとき、是脱陽也 【疾患注釈】凡(おおよそ)霍亂(かくらん)等にて吐瀉やまず、又は夥(おびただ)しく吐瀉したる後元気ともしく、手足冷えあがり、ひや汗出て陰嚢しじみあがり、手足搐(びくびく)し、面くろく、息づかいせわしく、或は手足の筋引きつまり、漸々(ぜんせん)に無性に成る者あり、みな陽脱の候とす 或は常々喘息もちとて短気(いきぎれ)つよく、左の乳の下の動気つよき人遽(にわか)に脱陽することおおし、又暴(にわかに)瀉(くだし)後、或は厠の内、或は厠より出て卒(にわか)に倒るるあり、是等皆脱陽なれば療法皆同じ 【用法】 ・ 早速に神闕気海關元(しんけつきかいかんげん)に灸すること二三百壮すべし、大劑にして獨参湯と用ゆべし、亦膻中の穴に灸すべし、扨隠白百會人中絶骨章門風市(いんはくひゃくえにんちゅうぜっこつしょうもんふうし)等の諸穴に灸すべし、痰強きは参姜湯四支(てあし)厥冷(ひえつよき)には参附湯煎服、汗多出ば人参黄芪煎服す、或は芪附湯煎服す <上巻16丁> ・ 吐瀉の後 脱陽の証嘔気やまず薬も受ざる者あり、此証には半夏壱匁、附子壱匁煎じ服すべし、嘔気やみて後参附湯、又汗おおきは芪附湯の類を用ゆべし、かつ気海天樞中脘(きかいてんすうちゅうかん)に多く灸して、其上に塩を炒り紙に幾重にも裹(つつみ)、病人の胸腹背中を絶え間なく熨べし、扨て炒り塩に呉茱萸を剉、等分にして攪(かきまぜ)て、臍下(ほそのした)気海陰交の次(あたり)を是又絶えず熨すべし、或は葱の白根を一握りほど索(なわ)にてしかとくくり、根と葉とを切り捨て、其切り口を烈火(つよきひ)にて撚(もや)し、熱くなりたる所を病人の臍下(ほそのした)に着置き、其上より火熨(ひのし)に火を盛り熨すべし <上巻16丁> 2. 卒暴諸証: 突然発症する病 └ 2-1. 吐血: 人忽(たちまち)血を吐(はく)なり。此証一様ならず故に七ケ條に分たり └ 虚損吐血: 其人いつとなく気怯(きつかれ)、形色憔悴(けしきやつれ)或は胸懐鬱然(こころもちおもしろからず)、飲食ともに風味なく、腹は饑(へり)ながら食することは不欲(いや)にて、且物に驚き易く、夜快寝ざる等の証、其以前にありて後に忽吐血者あり、又は其以前に数度嘔吐の証、或いは度々泄瀉の証有たる後に卒然吐血、或いは下血事有者あり、是を虚損吐血とす、血の色鮮紅かるべし 【用法】人参、黄耆各々一匁水に煎、童子小便を加えて頻(ひたもの)々服してよし <中巻4丁> 7. 婦人産前急証: 妊婦の産前に関する急病 └ 7-4. 妊婦腹痛腰痛: 妊娠時の腹痛・腰痛 【疾患注釈】懐妊中、何故もなく腹痛事あり 【用法】急に黄汁を下すは黄耆刻六匁、粳米五合を水に煎じ服すべし <下巻68丁> | ||||||
関連情報 | 新訂和漢薬 | ||||||
同類生薬 | 晋耆, 紅耆(「備考」参照) | ||||||
参考文献 | JP18: 第18改正日本薬局方. CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) . C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 149-150. C2) 生薬学概論 pp 281-282. L1) 官準 広恵済急方. L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2). L3) 新訂 和漢薬 pp. 317-318. | ||||||
備考 | 「黄耆」は補薬の長である.黄耆は肌表(皮膚,皮下組織に相当)の気を補い,表虚に応用するのに対し,人参は五臓の気を補い,裏虚に応用する. 黄耆を大量に用いると,軽度の掻痒感と発疹を生じる. 中国では Hedysarum polybotrys Hand.-Mazz. に根に由来する晋耆(紅耆)を重用する. | ||||||
更新日 | 2022/11/04 | ||||||