資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称海人草
正式名称海人草
日本語読みかいにんそう, Kaininsō
現地読みKaininsō
ラテン名Digenea (JP)
英語名Digenea (JP)
原植物名Digenea simplex C. Agardh, マクリ
原植物科名Rhodomelaceae, フジマツモ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類藻類
TMPW No3199

学術情報データベース

一般生薬名海人草, Kaininsō, Digenea (JP18), Digenea (JP18)
生薬異名マクリ
生薬画像
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原植物名Digenea simplex C. Agardh, マクリ
原植物科名Rhodomelaceae, フジマツモ科
薬用部位全藻
選品枝が長く,色が青緑色のものが良く,他の藻類や砂,貝殻などの混入が少ないものほど良い(TN).
公定書日局18
臨床応用回虫駆除薬として,通常煎剤(10:100)として用いる. 一般に大黄などの下剤と併用.Kainic acidの製造原料.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類駆虫薬
成分情報その他の脂肪族関連化合物 Other aliphatic and related compounds
(*C1):
butyric acid, formic acid, lactic acid, succinic acid, citric acid, tartaric acid

糖質 Sugar
(*C1):
D-Glyceric acid, alpha-Mannoside

アミノ酸 Amino acids
(*C1):
alpha-Kainic acid, alpha-Allokainic acid, Arginine, Aspartic acid, Glycine, Glutamic acid, Histidine, Isoleucine, Leucine, Lysine, Phenylalanine, Valine

ペプチド Peptide
(*C1):
Proline-glutamic acid, Proline-hydroxyproline-lysine

成分 構造式


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薬理作用回虫に強直性痙攣を起こさせ,運動協調性を失わせる.自発運動,呼吸抑制,一過性血圧下降(エキス).中枢興奮作用(大量の Kainic Acid).
DNA配列AJ001831, AJ001832, AJ001833
適応症回虫
方剤カイニン酸・サントニン酸
参考文献JP18: 第18改正日本薬局方.
C1)和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp 236-238.
備考- 江戸時代に「鷓鴣菜」を「マクリ」と訓じたが,現在の「鷓鴣菜」は「マクリ」ではない.このものは,コノハノリ科(Delesseriaceae)のアヤギヌCaloglossa leprieurii (Mont.) J. Agardh の全藻である.駆虫作用は海人草と同様.
- 海人草は鷓鴣菜湯,清肌安蛔湯など駆虫を目標とした漢方処方に配合される.
- Kainic acid の含量は生薬10g中16mg(台湾産)~18mg(沖縄産).alpha-all-okainic acid はalpha-kainic acid の1/100~1/500の含量であり,駆虫作用はあまり強くない.
- 近年鹿児島県徳之島地方でドウモイと称する海藻が,古くから民間的にマクリより強い駆虫効果があるといわれていることに着目し,これから駆虫成分domoic acidが見いだされた.ドウモイは,表日本南部,ポリネシア,マレー諸島,インド洋に広く分布するフジマツモ科 (Rhodomelaceae) の ハナヤナギChondria armata (Kutzing) Okamuraである.
- Kainic acid,domoic acidはグルタミン酸の部分構造をもち,神経薬理学で注目される化合物である.
更新日2021/09/27