資料館生薬データベース
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22.817002
108.36654299999998
産地情報
中華人民共和国,広西壮族自治区
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
34.6937378
135.50216509999996
入手先情報
日本,大阪府
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png
学術情報データベース
一般生薬名 | 呉茱萸, Wuzhuyu, Euodiae Fructus (JP18, CP2020), Euodia Fruit (JP17), Medicinal Euodia Fruit (CP2015) | |||||
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生薬画像 |
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原植物名 | Euodia officinalis Dode (Evodia officinalis Dode), Euodia bodinieri Dode (Evodia bodinieri Dode) or Euodia ruticarpa Hooker filius et Thomson1 (Evodia rutaecarpa Bentham) , ゴシュユ1 | |||||
原植物画像 |
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原植物科名 | Rutaceae, ミカン科 | |||||
薬用部位 | 果実 | |||||
選品 | 黒色で辛味及び苦味の強いものが良品(TN). | |||||
公定書 | 日局17,薬典(2015) | |||||
臨床応用 | 温性の健胃,鎮痛,鎮嘔,利尿薬として,水毒の上衝による頭痛,嘔吐,胸満,虚寒による腹痛,冷え症,しもやけに応用する.また殺虫剤,浴湯料とする. | |||||
医学体系 | 中国医学 | |||||
伝統医学的薬効 | 分類 | 温裏薬 | ||||
薬効 | [性味] 辛、苦,熱;有小毒. [帰経] 肝、脾、胃、腎経. [効能] 散寒止痛,降逆止嘔,助陽止瀉. [主治] 厥陰頭痛,寒疝腹痛,寒湿脚気,経行腹痛,胃腹脹痛,嘔吐呑酸,五更泄瀉に用いる. | |||||
成分情報 | その他の脂肪族関連化合物 Other aliphatic and related compounds (*C1): Goshuyic acid モノテルペノイド Monoterpenoids (*C1): Ocimene トリテルペノイド Triterpenoids (*C1): Limonin (= Evodin), Rutaevin, Evodol フラバノンとジヒドロフラボノール Flavanones & Dihydroflavonols E. rutaecarpa (*C2,C3): Evodioside B(葉/leaves) アルカロイド Alkaloids (*C1): Evodiamine, Rutaecarpine, Hydroxyevodiamine (= Rhetsinine), Evocarpine, N,N-Dimethyl-5-methoxytryptamine, N-Methylanthranylamide, Synephrine, Higenamine プリン誘導体 Purine derivatives (*C1): Cyclic GMP その他 Others E. rutaecarpa (*C2,C3): 6alpha-Acetoxy-5-epilimonin, 6beta-Acetoxy-5-epilimonin | |||||
成分 構造式 |
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薬理作用 | 血圧上昇,呼吸促進,血流促進(アルコール抽出画分).鎮痛,体温上昇(evodiamine, rutaecarpine).陣痛促進,止血,中枢興奮(beta-indolethyl-amine).幻覚(N,N-dimethyl-5-methoxytryptamine).アドレナリン様作用,強心作用(synephrine, hygenamine). | |||||
証類本草(中国古典) | ※画像をクリックすると本文の画像が表示されます | |||||
適応症 | 頭痛, 悪心, 嘔吐, 上腹痛, 四肢の冷え, 下腹痛, 月経痛, 月経周期延長, 腹満, 下痢, 冷え症, しもやけ, 口内炎 | |||||
方剤 | 温経湯, 延年半夏湯, 鶏鳴散 [時方歌括], 鶏鳴散加茯苓, 呉茱萸湯, 参連湯, 治頭痛一方, 当帰四逆加呉茱萸生姜湯, 唐侍中一方, 変製心気飲, 奔豚湯 [深師], 奔豚湯 [肘後方] | |||||
広恵済急方(日本古典) Tips! | 1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類 1-2. 脱陽:突然元気がなくなり気を失う、吐瀉後意識不明となる 卒(にわか)に倒れ、無性になり、口を開、手をひろげ、大便又は小便をもらし、或は汗出て流がごとく或は汗いでず、惣身手足ともに温に、目を合(ふさぎ)、鼻息麁(あらく)鼾(いびき)の如く、或は痰咽にぜりぜりといえる音あり、或は痰の音なく、或は面赤、又はうす黒く、又は顔色粧(よそおふ)がごとき、是脱陽也 【疾患注釈】凡(おおよそ)霍亂(かくらん)等にて吐瀉やまず、又は夥(おびただ)しく吐瀉したる後元気ともしく、手足冷えあがり、ひや汗出て陰嚢しじみあがり、手足搐(びくびく)し、面くろく、息づかいせわしく、或は手足の筋引きつまり、漸々(ぜんせん)に無性に成る者あり、みな陽脱の候とす 或は常々喘息もちとて短気(いきぎれ)つよく、左の乳の下の動気つよき人遽(にわか)に脱陽することおおし、又暴(にわかに)瀉(くだし)後、或は厠の内、或は厠より出て卒(にわか)に倒るるあり、是等皆脱陽なれば療法皆同じ 【用法】吐瀉の後 脱陽の証嘔気やまず薬も受ざる者あり、此証には半夏壱匁、附子壱匁煎じ服すべし、嘔気やみて後芪附湯の類を用ゆべし、且気海天樞中脘(きかいてんすうちゅうかん)に多く灸して、其上に塩を炒り紙に幾重にも裹(つつ)み、病人の胸腹背中を絶え間なく熨べし、扨て炒り塩に呉茱萸を刻、等分にして攪(かきまぜ)て、臍下(ほそのした)気海陰交の次(あたり)を是又絶えず熨べし、或は葱の白根を一握りほど索(なわ)にてしかとくくり、根と葉とを切り捨て、其切り口を烈火(つよきひ)にて撚(もや)し、熱くなりたる所を病人の臍下(ほそのした)に着置き、其上より火熨(ひのし)に火を盛り熨すべし <上巻17丁> 1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類 └ 1-10. 霍乱: 驕(この)病乾湿の二つあり、湿霍乱は吐瀉(はきくだ)して腹痛甚しきなり、乾霍乱は吐もせず瀉(くだし)もせず惟(ただ)心腹纒続大(むねはらしぼるごとくいたみ)に苦悶(くるしむ)を言なり 何れも危急なる証にて種々の変化一條に載がたし、療法も亦変化あり └ 湿霍乱: 病発(びょうはつ)に頭痛痃痺(めまい)ある者あり、又頭痛痃痺なく初より先吐して後に瀉(くだす)者あり、先瀉して後に吐するあり、吐瀉の前より腹痛甚しきあり、吐瀉ありて後に腹痛甚しきあり、何れも腹中ひきしめ痛まざるはなし、扨吐して吐やまず、瀉して瀉やまず、或は吐瀉ともにやまず、湯も薬も口に入らず、或は口乾て水を飲んとし、或は悪寒甚しく、或は熱を発し、喘急(いきづかいせわ)しく手足共に厥冷(ひえあがり)戦掉(ふるえ)、軽きは両脚轉筋(すじひきつめ)重きは惣身(そうみの)轉筋(すじひきつめ)、冷汗出脣(くちびる)舌動かず漸々(ぜんぜん)に昏(つかれ)倦(むちゅうに)なるなり 【用法】呉茱萸、乾姜二味等分に煎じ服さしむ <上巻36丁> └ 嘔吐并乾嘔不已: 嘔吐ならびにからえたきやまざる 【用法】半夏一味煎じ生姜の絞り汁入服す、呉茱萸乾姜の二味もよし、且(そのうえ)中脘に灸すべし 間使の穴(かんしのあな)に灸するもよろし <上巻37丁> 1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類 └ 1-12. 脚気衝心: 脚気の毒が脚より腹に入り胸元へ衝き上げる状態 【疾患注釈】凡(おおよそ)此証最初に脚膝弱、或は頑麻(しびれ)、或はだるく痛、或は轉筋抅急(すじひきつめ)、或は踵跟(きびす)足心(あしのうら)等隠隠(どこともなく)痛、或は脛脚(はぎすね)に肘腫(むくみ)ある等の証ありて、或は小腹(したばら)麻痺(しびれ)、卒(にわか)に嘔吐を発し上衝(つきあげ)強く、肩にて息をなし、喘息して白汗出、乍(たちまち)寒乍熱、煩悶(くるしみもがき)やまず、或は精神漸々に恍惚となり、或は譫語(たわごと)を発し、遂に無性となる、是脚気の衝心にて九死一生なり、急に理法を施すべし 又其初憎寒(さむけ)壮(つよく)、熱いで全く傷寒のごとくなる有見誤るべからず 衝心の節に至りて、病発に右の如く脚に疾(やまい)ある事を知ざれば、理療に違ひあり、病人も心付ず別の事と思ひ、告語(つげいた)らず、事を誤ることあり よくよく心を用て問べし 【用法】呉茱萸一匁、木瓜一匁(唐木瓜を用ゆべし)水にて煎じ服すべし、犀角屑五六分呉茱萸と木瓜の煎薬の内へ入、攪(かきまぜ)飲最よし <上巻61丁> 1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類 └ 1-13. 積気暈倒: 胸腹の激痛により目をまわす └ 疝気衝逆(せんきつきあぐる): 素より陰嚢腫痛事有か又腰少腹(したはら)など拘急(ひきはる)ものこの証あり、又左もなくして忽然(たちまち)起る者あり、其証少腹より胸膈(むなさき)まで衝上(つきあげ)引疼(ひきいたみ)て、前の積気(しゃくき)と同証を見(あらわ)すなり 【用法】呉茱萸の末を温酒にて服す <上巻69丁> 2. 卒暴諸証: 突然発症する病 └ 2-9. 心腹卒痛: 心腹(むねはら)突然痛くなる └ 寒痛: 綿々(だらだら)といつまでも斷間(たえま)なく痛み、胸すきて飢がごとく、按(おし)て快(こころよ)く、大便泄痢或は下重(いけみ)あるは寒痛なり、俗に冷蟲と言 此証最灸して良、中脘、天枢、気海、見許(みはから)い、灸すべし 【用法】呉茱萸一味煎じ服す <中巻34丁> 5. 諸物入九竅: 諸物が身体の竅に入る類 └ 5-4. 諸物哽咽: 諸物咽に引っかかる └ 魚骨入腹刺痛: 魚の骨腹に入りしくしくと痛む 【用法】呉茱萸煎じ服すれば、其骨やわらかになりて出、若出ざれば再三服す <下巻28丁> | |||||
関連情報 | 新訂和漢薬 | |||||
参考文献 | (JP18): 第18改正日本薬局方. (CP2020): 中華人民共和国薬典 (2020年版). B1) Nat. Med.,53,275(1999). C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 233-234. C2) Chem.Pharm.Bull.,36,1237(1988). C3) Chem.Pharm.Bull.,41,1472(1993). C4) Nat. Med.,52,322(1998). L1) 官準 広恵済急方 L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2) L3) 新訂 和漢薬 | |||||
備考 | 日本ではゴシュユとホンゴシュユの未熟な果実が良品とされる. 一方,『中華人民共和国薬典』ではこれら2種に Euoodia rutaecarpa (Juss.) Benth. var. bodinieri (Dode) Huang を加えた3種の成熟に近い果実が基源として規定される.3種の未熟果実は花柱の長さと太さ及び毛の有無,果実の大きさで区別可能であるとされる(B1).また,この3種の果実は成分面でも異なる(C4). 植物学的には Evodia属ではなく Euodia属が正しい.また,ゴシュユは Euodia rutaecarpa (Juss.) Benth., ホンゴシュユは E. rutaecarpa (Juss.) Benth. var. officinalis (Dode) Huang. とされる. | |||||
更新日 | 2023/11/16 | |||||