資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称山椒
正式名称山椒
日本語読みさんしょう, Sanshō
現地読みSanshō
ラテン名Zanthoxyli Piperiti Pericarpium (JP)
英語名Japanese Zanthoxylum Peel (JP)
原植物名Zanthoxylum piperitum DC., サンショウ
原植物科名Rutaceae, ミカン科
薬用部位分類植物性生薬
細分類成熟果実の果皮
産地情報日本, 奈良県
入手先情報日本, 大阪府, ㈱栃本天海堂
入手年月日2020/07/03
蒐集者小松かつ子
備考2020年拠点事業
TMPW No30627

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
34.6853345
135.83274210000002
産地情報
日本,奈良県
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
34.6937378
135.50216509999996
入手先情報
日本,大阪府
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名山椒, Sanshō, Zanthoxyli Piperiti Pericarpium (JP18), Japanese Zanthoxylum Peel (JP18)
生薬画像
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原植物名Zanthoxylum piperitum De Candolle1, Z. piperitum DC. forma inerme Makino (*B1), サンショウ1,アサクラザンショウ,ブドウザンショウ
原植物画像
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原植物科名Rutaceae, ミカン科
薬用部位成熟果実の果皮(種子を除く)
選品新しくて香気および辛味の強いものが良品(TN).
公定書日局18
臨床応用芳香性健胃,整腸,駆風,駆虫薬として,胃下垂症,胃拡張症,消化不良,胃腸の冷痛,嘔吐,回虫症などに応用する.
医学体系日本漢方
成分情報モノテルペノイド Monoterpenoids
Z. piperitum (*C1,C2):
Dipentene, Citronellal, Limonene, β-Phellandrene, Geraniol, Citronellol, Myrcene, Linalool, Linalyl acetate, β-Caryophyllene, Geranyl acetate
Z. piperitum f. inerme (*C2):
Myrcene, Limonene, beta-Phellandrene, Linalool, Citronellal, Linalyl acetate, beta-Caryophyllene, Geraniol, Geranyl acetate

ステロール Sterols
Z. piperitum (*C1):
Campesterol, Stigmasterol, β-Sitosterol

植物ホルモン類 Plant hormones
Z. piperitum (*C1):
Xanthoxin

フラボノイド Flavonoids
Z. piperitum (*C1):
Quercitrin, Afzelin, Hesperidin

タンニン Tannins
Z. piperitum (*C1):
Hyperine

その他の含窒素化合物 Other nitrogen compounds
Z. piperitum (*C1, C2):
α-Sanshool, β-Sanshool, γ-Sanshool, Hydroxy-α-sanshool, Hydroxy-β-sanshool, Hydroxy-γ-sanshool, Sanshoamide
Z. piperitum f. inerme (*C2):
α-Sanshool, β-Sanshool, γ-Sanshool, Hydroxy-α-sanshool, Hydroxy-β-sanshool, Hydroxy-γ-sanshool

成分 構造式



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薬理作用健胃・整腸.利尿.駆虫.血管運動中枢,呼吸中枢興奮(xanthoxin).錐体外路系障害(sanshotoxin).駆虫(アルコールエキス).血圧(生理食塩水浸出液:上昇後下降).
DNA配列AF025505, AF026028, U39282
適応症胃痛, 嘔吐, 回虫, 胃下垂, 消化不良
方剤椒梅湯, 大建中湯, 当帰湯, 解急蜀椒湯, 中建中湯, 烏頭赤石脂丸, 椒梅湯, 椒梅瀉心湯, 清中安蛔湯, 理中安蛔湯, 苦味チンキ, 苦味重曹水, 硫酸マグネシウム水
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

<山椒>
1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類
└ 1-13. 積気暈倒
: 胸腹の激痛により目をまわす
 └ 冷気入嚢(れいきいんのうにいる): 冷気入嚢(れいきいんのうにいり)て痛強く、陰嚢縮入て腹急(ひきはり)、痛絶入(いたみたえいらん)とするあり、甚しきは死に至るなり
【用法】山椒を木綿の吹路に入て陰嚢を包べし <上巻70丁>

5. 諸物入九竅: 諸物が身体の竅に入る類
└ 5-6. 蛇入人耳口鼻肛門亦婦人陰門
: 蛇が人体の九窮に入る
【疾患注釈】蛇の窮(あな)に入たる
【用法】蛇の尾を執(とり)て、小刀にて其尾を縦に割傷(きずつけ)、烟草脂(たばこのやに)多く蛇尾の傷口へ納(いれ)、其うえを紙にても布にても裹(つつみ)て扎置(くくりおく)ときは、蛇自出ず、或は山椒又は胡椒嚼(かみ)くだきて納(いるる)もよし <下巻33丁>

6. 諸物中毒: 諸毒にあたる類
└ 6-2. 中諸穀菜毒
: 穀類や野菜の毒にあたる
 └ 中小麥毒: 小麥の毒に中(あたり)たる
【用法】山椒杏仁皆麪毒(めんどく)を解す <下巻44丁>
6-4. 中魚介禽獣肉毒: 魚介、禽獣類の肉、他諸毒にあたる
 └ 誤食諸蟲: 誤って諸々の蟲を食たる 
【用法】山椒を服てよし <下巻60丁>

<蜀椒>
2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-9. 心腹卒痛
: 心腹(むねはら)突然痛くなる
 └ 蟲痛: 心腹(むねはら)痛み、時(ときどき)作(おこ)り、時(ときどき)止(やみ)、痛止(いたみやみたるときには能(よく)食(しょく)し、痛発(いたみおこり)たるときは口中に冷唾たまり或は清(すみたる)水を吐き、或は涎沫(よだれあわ)を吐て面青黄、或は白して口唇赤は蟲痛なり
【用法】蜀椒朝倉山椒を用ゆべし)を炒て酒に浸し、其酒を飲てよし <中巻32丁>

3. 外傷の類: 怪我や蟲獣(むし、けだもの)に咬まれる等の外傷
└ 3-10. 諸蟲咬傷
: 諸々の虫に刺される/咬まれる
 └ 蜂蠍螫傷: 蜂やサソリに螫傷(さしやぶら)れる
【用法】生の蜀椒を嚼(かみ)て螫(さし)たる處(ところ)に封(つけ)て妙なり、生なきときは、乾たるもよし、若(もし)実なきときは、葉にても用ゆ <中巻76丁>
3-11. 諸獣囓傷: 獣に噛まれる
 └ 猫咬: 猫に咬(かまれ)たる
【用法】蜀椒を刻て水に浸し置き、莽草葉(しきみのは)を末とし、其の蜀椒の水にて調て、咬處(かみたるところ)へ付べし <中巻87丁>

5. 諸物入九竅: 諸物が身体の竅に入る類
└ 5-2. 諸物入耳中
: 諸物耳に入る
【疾患注釈】百(いろいろの)蟲耳に入たる
【用法】蜀椒を末となし酢に和(まぜ)て耳中へ灌入て、蟲自(おのずから)出す <下巻20丁>
関連情報新訂和漢薬
同類生薬花椒
参考文献JP18: 第18改正日本薬局方.
B1) Nat.Med.,49,137(1995); 50,328(1996); 51,194(1997).
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 205-207.
C2) Nat.Med.,51,249(1997).
L1) 官準 広恵済急方
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2)
L3) 新訂 和漢薬
備考方剤中の「蜀椒」として,日本では山椒,中国では花椒が用いられる.
更新日2021/09/27