資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称貝母
正式名称貝母
日本語読みばいも, Baimo
現地読みBeimu
ラテン名Fritillariae Bulbus (JP), Fritillariae Thunbergii Bulbus (CP)
英語名Fritillaria Bulb (JP), Thunberg Fritillary Bulb (CP)
原植物名Fritillaria verticillata Willd. var. thunbergii Baker, アミガサユリ
原植物科名Liliaceae, ユリ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類鱗茎(球茎)
産地情報中華人民共和国, 浙江省
入手先情報日本, 大阪府, ㈱栃本天海堂
入手年月日2020/7/3
蒐集者小松かつ子
備考2020年拠点事業
TMPW No30672

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
30.274084
120.15507000000002
産地情報
中華人民共和国,浙江省
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
34.6937378
135.50216509999996
入手先情報
日本,大阪府
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名貝母, Beimu, Fritillariae Bulbus (JP18), Fritillariae Thunbergii Bulbus (CP2020), Fritillaria Bulb (JP18), Thunberg Fritillary Bulb (CP2020)
生薬異名大和貝母, 浙貝母, 浙貝, 大貝, 珠貝, 浙貝片
生薬画像
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原植物名Fritillaria verticillata Willdenow var. thunbergii Baker (= Fritillaria thunbergii Miquel), アミガサユリ
原植物画像
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原植物科名Liliaceae, ユリ科
薬用部位鱗茎
選品外面が白く,裏面が黄褐色の小さなものが良いとされる(NI).
公定書局外(1989), 日局18, 薬典(2020)
臨床応用鎮咳,去痰,排膿薬として,煩熱,喉痺,目眩,咳嗽,口渇などに応用する.浙貝は清熱,散結の力が川貝より強く,熱感があり痰のとれにくい咳嗽には浙貝を用いる.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類化痰薬
薬効[性味] 苦,寒.
[帰経] 肺、心経.
[効能] 清熱化痰止咳,解毒散結消癰.
[主治] 風熱咳嗽,痰火咳嗽,肺癰,乳癰,瘰癧,瘡毒に用いる.
成分情報ステロイドアルカロイド Steroidal alkaloids
F. thunbergii (*C1):
Fritilline, Fritillarine, Verticine (= Peimine), Verticilline, Apoverticine, Peiminoside, Peimisine, Peimiphine, Peimidine, Peimitidine
F. verticillata (*C1,C2):
Fritilline A, Fritilline B, Peimisine, Verticilline, Verticine (= Peimine), Peiminoside, Verticinone (= Fritillarine = Peiminine), Isoverticine
F. roylei (*C1):
Peimidine, Peimiphine, Peimitidine, Peimisine, Verticine (= Peimine)

成分 構造式

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薬理作用血圧降下(peimine,peiminoside).
DNA配列AF199457; 伝統医薬データベース.
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症咳嗽, 咽痛, 少痰, 喀痰, 頚部リンパ節腫, 胸痛, 胸が苦しい, 肺化膿症, 皮下結節, 皮膚化膿症
方剤葦茎合四順湯, 益気養栄湯, 桔梗白散, 滋陰至宝湯, 紫苑散, 四順湯, 清肺湯, 当帰貝母苦参丸, 当帰養血湯, 人参養栄湯 [聖済], 貝母湯, 肺癰湯, 百合固金湯, 養肺湯
同類生薬湖北貝母,川貝母,平貝母,伊貝母
参考文献JP18: 第18改正日本薬局方.
CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 71-73.
C2) CA, 54, 22695 (1960).
備考貝母は種類が多く,主なものには次のものがある.
- 浙貝母 (浙貝) : Fritillaria thunbergii Miq.
- 湖北貝母:F. hupehensis Hsiao et K.C. Hsia
- 川貝母 (川貝) : F. cirrhosa D.Don, F. unibracteata Hsiao et K.C.Hsia, F. przewalskii Maxim.
- 炉貝:F. delavayi Franch.
- 伊貝母 (伊貝) : F. pallidiflora Schrenk, F. walujewii Regel
- 平貝母 (平貝) : F. ussuriensis Maxim.
これらは,『中華人民共和国薬典』にそれぞれ別の条項で収載される(炉貝は川貝母に含まれる).貝母は化痰薬とされるが大きく,浙貝母,湖北貝母のグループと川貝母,炉貝,伊貝,平貝のグループに分けられ,前者は咳嗽の他,瘰癧や癰腫瘡毒にも応用され,後者は陰虚や肺熱の咳嗽に応用される.
日本産貝母は浙貝母と同じアミガサユリ(バイモ)の鱗茎で奈良県で栽培され,「大和貝母」とも称される.烏頭類生薬といっしょに用いてはならない.
更新日2021/09/27