資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称当帰
正式名称当帰
日本語読みとうき, Tōki
現地読みTōki
ラテン名Angelicae Acutilobae Radix (JP)
英語名Japanese Angelica Root (JP)
原植物名Angelica acutiloba Kitag., トウキ
原植物科名Umbelliferae, セリ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類
産地情報日本, 和歌山県
入手先情報日本, 大阪府, ㈱栃本天海堂
入手年月日2020/10/09
蒐集者小松かつ子
備考(大和・○切) Lot. 008019003
2020年拠点事業
TMPW No30717

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
34.2259867
135.16750860000002
産地情報
日本,和歌山県
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
34.6937378
135.50216509999996
入手先情報
日本,大阪府
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名当帰, Danggui, Angelicae Acutilobae Radix (JP18), Angelicae Sinensis Radix (CP2020), Japanese Angelica Root (JP18), Chinese Angelica (CP2020)
生薬異名大和当帰, 北海当帰, 秦帰, 帰頭
生薬画像
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原植物名Angelica acutiloba Kitagawa1, A. acutiloba var. sugiyamae Hikino2, A. sinensis (Oliv.) Diels3, 日本産: トウキ1,ホッカイトウキ2 / 中国産: カラトウキ3
原植物画像
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原植物科名Umbelliferae, セリ科
薬用部位
選品よく肥大し,虫害がなく芳香の良いものを良品とする.馬尾当帰は良品.中国産「当帰頭」は上品質(TN).
公定書日局18,薬典(2020)
臨床応用温性の駆瘀血,強壮,鎮静,鎮痛薬として,貧血症,腹痛,身体疼痛,月経不順,月経困難,月経痛,血行障害,その他婦人の更年期障害などに応用する.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類補血薬
薬効[性味] 甘、辛,温.
[帰経] 肝、心、脾経.
[効能] 補血活血,調経止痛,潤腸通便.
[主治] 血虚萎黃,眩暈心悸,月経不調,経閉痛経,虚寒腹痛,風湿痺痛,跌撲損傷,癰疽瘡瘍,腸燥便秘に応用する.
成分情報その他の脂肪族関連化合物 Other aliphatic and related compounds
A. acutiloba (*C1):
Falcarindiol, Falcarinol, Falcarinolone

モノテルペノイド Monoterpenoids
A. acutiloba (*C1):
p-Cymene, Carvacrol

ステロール Sterols
A. acutiloba (*C1):
beta-Sitosterol

フェニルプロパノイド Phenylpropanoids
A. acutiloba (*C1):
Safrole, Isosafrole, Ferulic acid, Caffeic acid

クマリン類 Coumarins
A. acutiloba (*C1):
Bergapten, Isopimpinellin, Xanthotoxin, Scopoletin, Umbelliferone

フタリド類 Phthalides
A. acutiloba (*C1):
Ligustilide, n-Butylidenephthalide, n-Butylphthalide, Sedanonic acid lactone, Senkyunolide E, Senkyunolide F, Senkyunolide H, Senkyunolide I, Angeloylsenkyunolide F, Tokinolide A, Tokinolide B, Levistolide A

その他の芳香族誘導体 Other aromatic derivatives
A. acutiloba (*C1):
O-Valerophenone carboxylic acid, Vanilic acid, Biotin

ピリジンアルカロイド Pyridine alkaloids
A. acutiloba (*C1):
Nicotinic acid

プテリジン誘導体 Pteridine derivatives
A. acutiloba (*C1):
Folic acid

ポルフィリン誘導体 Porphyrin derivatives
A. acutiloba (*C1):
Vitamin-B12

簡単な含窒素化合物 Simple nitrogen containing compounds
A. acutiloba (*C1):
Choline, Folinic acid

成分 構造式



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薬理作用鎮痛(ポリアセチレン類).抗炎症.解熱作用(精油).血圧降下.眼圧降下.抗アレルギー.
DNA配列AJ131291, AJ131290, D84297, AB037189, D63407; 伝統医薬データベース.
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症頭のふらつき, めまい, 目がかすむ, 動悸, 月経不順, 月経痛, 腹痛, 冷え, 打撲外傷による腫脹・疼痛, しびれ, 皮膚化膿症, 便秘
方剤安産湯, 医王湯, 痿証方, 胃風湯, 烏苓通気湯, 温経湯, 温清飲, 黄連消毒飲, 乙字湯, 加減八物湯, 加減涼膈散, 活血解毒湯, 活血散瘀湯, 加味帰脾湯, 加味犀角地黄湯, 加味四物湯, 加味承気湯, 加味逍遥散, 加味逍遥散合四物湯, 加味八仙湯, 帰耆建中湯, 桔梗湯[外台], 枳実大黄湯, 帰脾湯, 逆挽湯, 芎帰膠艾湯, 芎帰調血飲, 芎帰補中湯, 駆風触痛湯, 九味柴胡湯, 荊芥連翹湯[一貫堂], 荊芥連翹湯[回春], 鶏鳴散 [千金], 行和芍薬湯, 古今録験続命湯, 牛膝散, 五積散, 五淋散, 柴胡厚朴湯, 柴胡四物湯, 柴胡清肝散, 柴胡疎肝湯, 柴胡養栄湯, 滋陰降火湯, 滋陰至宝湯, 紫根牡蠣湯, 四順清涼飲, 滋腎通耳湯, 滋腎明目湯(腎気明目湯), 紫蘇子湯, 紫蘇和気飲, 七物降下湯, 四物湯, 四物湯加亀板石決明, 四物湯脚気加減, 瀉胃湯, 芍薬湯, 芍薬湯加大黄, 十全大補湯, 十味剉散, 十六味流気飲, 潤腸湯, 春林赫石脂湯, 正観湯, 正心湯, 消風散, 逍遥散, 升陽散火湯, 除湿補気湯, 助陽和血湯, 腎気明目湯, 秦艽防風湯, 正観湯, 清上蠲痛湯, 清暑益気湯, 清燥養栄湯, 清熱補気湯, 清熱補血湯, 清肺湯, 清涼飲, 折衝飲, 洗肝明目湯, 喘四君子湯, 疎経活血湯, 蘇子降気湯, 大続命湯, 大桃花湯, 駐車圓, 猪苓湯合四物湯, 通導散, 当帰飲子, 当帰建中湯, 当帰散, 当帰四逆湯, 当帰四逆加呉茱萸生姜湯, 当帰芍薬散末, 当帰鬚散, 当帰湯, 当帰拈痛湯, 当帰貝母苦参丸, 当帰白朮散, 当帰白朮湯, 当帰養血湯, 当帰六黄湯, 桃仁湯, 独活寄生湯, 内疎黄連湯, 内托散 [回春], 内托散 [千金], 女神散, 人参養栄湯 [局方], 八味逍遥散, 八味帯下方, 八物湯, 八珍湯, 百合固金湯, 茯苓補心湯, 扶脾生脈散加白芨, 補陰湯, 防風通聖散, 蒲公英湯, 牡丹皮散, 補中益気湯, 補中治湿湯, 奔豚湯 [金], 奔豚茯苓湯, 本方芍薬湯, 味麦益気湯, 薏苡仁湯 [明医指掌], 抑肝散, 抑肝散加陳皮半夏湯 [浅井南溟], 抑肝散加陳皮半夏湯 [本朝経験], 龍胆瀉肝湯 [薛氏], 龍胆瀉肝湯 [一貫堂], 羚羊角飲, 連珠飲
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-5. 諸失血眩暈
: 吐血、下血、鼻衂、舌衂、歯損(はをぬきてそんじ)血出で、金創など血出ること過多(おびただし)ければ、皆眩暈して昏迷になる事あり 
【用法】當帰川芎二味各々一匁水に煎じて飲むべし <中巻24丁>

7. 婦人産前急証: 妊婦の産前に関する急病
└ 7-1. 胎動

【疾患注釈】妊娠の婦人、胎気和(たいのきか)せず、或は夫の為に困(くるしめ)られ、胎動して腹痛絶入(たえい)らんとするは、胎動と名づく、其証腰より小腹(したはら)へかけ痛て、心(むね)へ搶(つき)あけ急に救(すくわ)ざれば堕胎(たいおと)す、或は産門より血下る
【用法】
當帰二匁、川芎一匁、水一杯、酒一盃煎じて一杯半となし用ゆ <下巻63丁>
・ 急に沙糖湯を飲べし、扨(さて)當歸二匁、川芎一匁刻、水に煎じ酒少許入用べし、總(すべ)て胎動に用てよし <下巻63丁>

7. 婦人産前急証: 妊婦の産前に関する急病
└ 7-2. 胎漏
: 産門からの出血
【疾患注釈】懐妊の婦人、卒(にわか)に産門より血下る事あり 若(もし)房事(ぼうじ)を犯て血下るを、真胎漏と名づく、總(すべ)て此証は腹痛なし、急に理(じ)せざれば胎を堕(おとす)に至べし、尿孔より血下るは、又別なり 
【用法】鹿角屑(こ)にし(やすり又は鮫皮にてするべし)當帰二味各二匁水三杯を一杯半に煎じ用べし <下巻65丁>

9. 産後急証: 産後に関する急病
└ 9-1. 血暈
: 血の道症
 └ 血脱昏暈(けつだつこんうん): 産の時血脱下(おりくだる)こと既に過多(おびただしく)、気も就所(つくところ)を失い、気血ともに乏昏暈になり、人事を不省(かえりみず)、其面の色白く、眼黒閉て開かず、口を開手足冷、頭傾(うなだれ)、呼吸(いきづかい)寂然(うすら)なるは血脱昏眩暈なり 
【用法】其症軽きものは人参當歸川芎各一匁水に濃煎じ、童便(こどものしょうべん)を加て用ゆべし、鹿角の黒焼あらば兼用てよし <下巻75丁>
関連情報新訂和漢薬
同類生薬アンゲリカ根
参考文献JP18: 第18改正日本薬局方.
CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 58-61.
L1) 官準 広恵済急方.
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2).
L3) 新訂 和漢薬 pp. 186-184.
備考韓国産当帰は Angelica gigas Nakai オニノダケの根である.アンゲリカ根は A. archangelica L. の根である.『日本薬局方』では A. acutiloba 及び A. acutiloba var. sugiyamae の根が規定される.
当帰のラテン名として,日局18では Angelicae Acutilobae Radixを,薬典2020は Angelicae Sinensis Radixをそれぞれ規定している.
更新日2021/09/27