資料館生薬データベース
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30.274084
120.15507000000002
産地情報
中華人民共和国,浙江省
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
34.6937249
135.5022535
入手先情報
日本(ToS),大阪府
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png
学術情報データベース
一般生薬名 | 香附子, Xangfuzi, Cyperi Rhizoma (JP18, CP2020), Cyperus Rhizome (JP18), Nutgrass Galingale Rhizome (CP2020) | |||||
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生薬異名 | Musta | |||||
生薬画像 |
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原植物名 | Cyperus rotundus Linn., ハマスゲ | |||||
原植物画像 |
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原植物科名 | Cyperaceae, カヤツリグサ科 | |||||
薬用部位 | 根茎(塊茎) | |||||
選品 | 大きくて充実し,香味の強いものが良品で,内部が黒味を帯びたものは良くない(TN). | |||||
公定書 | 日局18,薬典(2020) | |||||
臨床応用 | 通経,浄血,鎮痛薬として,月経不調,月経痛,婦人科疾患からくる精神不安,諸種の胃痛,腹痛,食欲不振などに応用する. | |||||
医学体系 | 中国医学 | |||||
伝統医学的薬効 | 分類 | 温裏薬 | ||||
薬効 | [薬性・性味] 辛、微苦、微甘,平. [帰経] 肝、脾、三焦経. [効能] 疏肝解郁,理気寛中,調経止痛. [主治] 肝郁気滞,胸脇脹痛,疝気疼痛,乳房脹痛,脾胃気滞,脘腹痞悶,張満疼痛,月経不調,経閉痛経に応用する. | |||||
成分情報 | 脂質 Lipids C. rotundus <インド産/produced in India> (*C1): Linoleic acid, Linolenic acid, Oleic acid, Myristic acid, Stearic acidのGlycerides 単糖類 Monosaccharides C. rotundus <インド産/produced in India> (*C1): ブドウ糖/glucose, 果糖/fructose テルペノイド(精油) Terpenoids (Essential oils) (*C1): Cyperene, Cyperol, Isocyperol, Cyperotundone, Sugeonol, Sugetriol, Cyperolone, Kobusone, Isokobusone, Patchchoulenyl acetate, Sugeonyl acetate C. rotundus <インド産/produced in India> (*C1): alpha-Cyperone, beta-Cyperone, l-alpha-Pinene, Copadiene トリテルペノイド Triterpenoids (*C1): Oleanoic acid, 3-O-(2-Rhamnoglucosyl)-oleanoic acid | |||||
成分 構造式 |
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薬理作用 | 子宮収縮抑制,鎮痛(エキス).抗菌. | |||||
DNA配列 | AF285071, AF168838, AJ295758, AJ295759, AJ295760, AJ404698; 伝統医薬データベース. | |||||
証類本草(中国古典) | ※画像をクリックすると本文の画像が表示されます 訳文画像を表示 | |||||
適応症 | 胸脇が張って痛む, 腹満, 憂欝, 胸が苦しい, 嘔吐, 消化不良, 下腹痛, 月経痛, 月経不順 | |||||
方剤 | 安産湯, 烏苓通気湯, 益気養栄湯, 加減胃苓湯, 加減八物湯, 橘皮半夏湯, 芎帰調血飲, 行気香蘇散, 香芎湯, 香砂平胃散, 香砂六君子湯, 香蘇散, 柴胡疎肝湯, 滋陰至宝湯, 滋腎通耳湯, 実脾湯, 順気和中湯, 正気天香湯, 椒梅湯, 沈香降気湯, 清熱解鬱湯, 川芎茶調散, 竹茹温胆湯, 当帰鬚散, 当帰養血湯, 二朮湯, 女神散, 半夏厚朴七物湯, 反鼻交感丹, 分消湯, 蒲公英湯, 木通散, 六鬱湯, 香砂養胃湯 | |||||
広恵済急方(日本古典) Tips! | 1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類 └ 1-4. 中気: 気が塞がり倒れる 【疾患注釈】此証大抵中風の閉証と同じければ、前の中風の所と合せ見るべし、然ながら中風は身温也 中気は身冷(すず)し、脈も又中風は浮也、中気は沈也 大抵此証の起る前に心気を労し、又は大きに怒事あり、或は怒をこらえ又は思案することありて気の鬱(こり)し時に発する証なり、元皆七情の過極(すききわま)りたるより起る、世に中気中風を一つに心會(こころえ)たる人多し、初は大抵理法も似たる様なれども、後に至りては大に同じからず 【用法】香附子の末壱匁、辰砂五分白湯にて服すべし <上巻24丁> 1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類 └ 1-13. 積気暈倒: 胸腹の激痛により目をまわす 【疾患注釈】此証初発に頭痛身熱、或は憎寒(さむけして)、後に大に熱を発し、小腹(したばら)痛を作(なし)て、胸を脇肋(わきばら)に引疼(ひきいたみ)、甚しきは咬牙(きばをかみ)ふるえて反張(そりかえり)、冷汗出て流るるがごとくにして死なんとするあり、又咬牙(きばをかみ)反張(そりかえり)なくして卒然(にわか)に暈(めくるめく)倒るるものあり、或は大小便閉るあり、又積気厥逆(つきあげ)て、心腹(むねはら)共に膨張(はりつめ)て、背膂(せなかかた)引痛、嘔吐乾嘔(はきけえたき)、或は痰沫を吐き、或は心胸(むねさき)に湊(つきつめ)、或は脇肋(わきばら)へ筑(さしこみ)て腹中刺がごとく痛、或はついに厥逆(てあしひえ)あがり、死せんとするものあり 【用法】香附子末となし、白湯にて服す、或は縮砂の末、甘草の末少し加え服す <上巻68丁> 1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類 └ 1-13. 積気暈倒: 胸腹の激痛により目をまわす └ 疝気衝逆(せんきつきあぐる): 素より陰嚢腫痛事有か又腰少腹(したはら)など拘急(ひきはる)ものこの証あり、又左もなくして忽然(たちまち)起る者あり、其証少腹より胸膈(むなさき)まで衝上(つきあげ)引疼(ひきいたみ)て、前の積気(しゃくき)と同証を見(あらわ)すなり 【用法】衝逆強く、痰のどに塞(ふさがる)は、香附子の末、浮石の末等分にして白湯に生薑の絞汁を拌(かきまぜ)て服す <上巻69丁> 1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類 └ 1-16. 血厥: 突然うつ状態になり、動かなくなる 婦人に多い 【用法】川芎、香附子の末等分白湯にて用べし <上巻74丁> 2. 卒暴諸証: 突然発症する病 └ 2-1. 吐血: 人忽(たちまち)血を吐(はく)なり 此証一様ならず故に七ケ條に分たり └ 吐瘀血: 人忽(にわかに)血を吐、其血の色或は黯黒(くろずみ)、或は紫黒色にして、或は凝てとりのきものごとく、或は豆羹汁(まめのにじる)のごとくなる者あり、此時には當(あたり)ては、或は煩悶(もだえくるしみ)或は身體(みうち)清涼(すずし)くして、気息(いき)微かに、面白きは、かねて停積(とどこおり)結聚(あつまり)し、瘀血を吐出せるなり、此証は血多く出たりとも妨(さまたげ)なし、然れども一時に多く出れば元気接(つづか)ざる者なれば、両方を施すべし 【用法】 ・ 香附子末となし、ニ匁許童子の小便にて送下を良とす <中巻2丁> ・ 茯苓の末に香附子の末一匁許宛(ばかりずつ)を米飮(めしのとりゆ)にて用ゆべし <中巻2丁> └ 大怒吐血:人大いに怒る事ありて後煩熱を発し吐血するものあり、或は胸脇のあたり痛み満悶あり 【用法】童子小便にて香附子の末を調(まぜ)て服す <中巻6丁> 2. 卒暴諸証: 突然発症する病 └ 2-3. 歯衂舌衂: 歯より血出るなり、舌より血出るなり └ 歯衂: 齒縫齦(はのすき はぐき)との間より血出るなり 又は、齒を抜き血出て不止。おおよそ人口より血出て、吐血か齒衂か分ち難は、涼水(ひやみず)に漱(くちすすぐ)べし、血頃(しばしの間)止むは齒衂也、止ざるは吐血也 【用法】香附子炒黒し、末となし摺(すりつく)べし <中巻20丁> 2. 卒暴諸証: 突然発症する病 └ 2-9. 心腹卒痛: 心腹(むねはら)突然痛くなる └ 痰痛: 心腹(むねはら)痛て、腹の中漉々(からから)といえる聲(こえ)ありて手脚寒(ひえ)て痛、或は腰、膝、背、脇(わきばら)抽掣(ひきつり)て痛をなすは痰飲にて痛なり 【用法】蛤殻を煆(やき)て、研(すり)末となし、香附子の末を入同く和(まぜ)、白湯にて服す <中巻35丁> 2. 卒暴諸証: 突然発症する病 └ 2-15. 卒聾: 耳が聞こえなくなる 【疾患注釈】人平居無事にして、卒然(ふっ)と耳きこえざるなり 【用法】香附子、瓦(ほうろく)にて炒り、研て末となし、らいふく子の煎じ湯にて服すべし <中巻43丁> | |||||
関連情報 | 新訂和漢薬 | |||||
参考文献 | JP18: 第18改正日本薬局方. CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) . C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 109-111. L1) 官準 広恵済急方 L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2) L3) 新訂 和漢薬 | |||||
備考 | インド医学でも古来から用いられ,「musta」 ムスタと称す.仏典の『金光明経』にも「musuita」の名で収載されている. | |||||
更新日 | 2021/09/27 | |||||