資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称麦冬
正式名称麦門冬,麦冬
日本語読みばくもんどう, Bakumondō, ばくどう, Bakudō
現地読みMaimendong (麦門冬), Maidong (麦冬)
ラテン名Ophiopogonis Radix (JP), (CP)
英語名Ophiopogon Root (JP), Dwarf Lilyturf Tuber (CP)
等級2級品
薬用部位分類植物性生薬
細分類根の肥大部(肥大根)
産地情報中華人民共和国, 四川省
入手先情報日本(ToS), 大阪府, ㈱栃本天海堂(試供品)
入手年月日2021/06/10
蒐集者小松かつ子
TMPW No31099

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
30.572815
104.06680099999994
産地情報
中華人民共和国,四川省
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
34.6937249
135.5022535
入手先情報
日本(ToS),大阪府
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名麦門冬, Maimendong, Maidong, Ophiopogonis Radix (JP18, CP2020), Ophiopogon Root (JP18), Dwarf Lilyturf Tuber (CP2020)
生薬画像
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原植物名Ophiopogon japonicus Ker-Gawler (= Ophiopogon ohwii Okuyama), ジャノヒゲ,(ナガバジャノヒゲ)
原植物画像
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原植物科名Liliaceae, ユリ科
薬用部位根の肥大部
選品淡黄色でよく肥大し,潤い及び重量感のあるものが良品(TN).
公定書日局18,薬典(2020)
臨床応用粘滑性消炎,滋養,強壮,鎮咳,去痰,利尿薬として,胃中を補い,逆気上衝を降瀉するものであり,またのぼせ症の人に対し強心利尿の効がある.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類補陰薬
薬効[性味] 甘、微苦,微寒.
[帰経] 心、肺、胃経.
[効能] 養陰生津,潤肺清心.
[主治] 肺燥干咳,陰虚癆嗽,喉痹咽痛,津傷口渇,内熱消渇,心煩失眠,腸燥便秘に応用する.
成分情報単糖類 Monosaccharides
(*C1):
Sucrose, D-Fructose, D-Glucose

少糖類 Oligosaccharides
(*C1):
Oligosaccharide

ステロール Sterols
(*C1):
beta-Sitosterol, beta-Sitosterol-beta-D-glucoside, Stigmasterol

ステロイドサポニン及びサポゲニン Steroid saponins & Sapogenins
(*C1):
Ophiopogonin A, Ophiopogonin B, Ophiopogonin C, Ophiopogonin D, Ophiopogonin B', Ophiopogonin C', Ophiopogonin D'

ネオフラバノイドとホモイソフラボノイド Neoflavanoids & Homoisoflavonoids
(*C1):
Ophiopogonone A, Ophiopogonone B, Methylophiopogonone A, Methylophiopogonone B, Ophiopogonanone A, Methylophiopogonanone A, Methylophiopogonanone B

成分 構造式



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薬理作用血糖降下(水エキス).抗炎症(エタノールエキス).
DNA配列AB029789, AB029790, AB029841, AB029842; 伝統医薬データベース.
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症乾咳, 少痰, 口渇, 元気が無い, 脈が微弱, 倦怠感, 不眠, 焦躁, 便秘
方剤温経湯, 加味四物湯, 甘露飲, 駆風触痛湯, 蒿枕無憂散, 滋陰降火湯, 滋陰至宝湯, 四陰煎, 炙甘草湯, 生脈散, 升陽散火湯, 辛夷清肺湯, 清上蠲痛湯, 清暑益気湯, 生津湯, 清心蓮子飲, 清熱補気湯, 清熱補血湯, 竹茹温胆湯, 竹葉石膏湯, 知母茯苓湯, 釣藤散, 定喘湯, 導水茯苓湯, 人参散, 麦門冬湯, 麦門冬飲子, 百合固金湯, 茯苓補心湯, 扶脾生脈散加白芨, 補気建中湯, 補中治湿湯, 補肺湯, 蔓荊子散, 味麦益気湯, 龍骨湯
広恵済急方(日本古典) 

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2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-1. 吐血
: 人忽(たちまち)血を吐(はく)なり 此証一様ならず故に七ケ條に分たり
 └ 中暑吐血: 夏炎熱の節、旅行などして終(つい)に暑毒(しょき)に中(あた)りて吐血する者あり、其証気怯(そのしょうきよわく)、體倦(からだつかれ)、息微かに或は熱し渇つよく、煩悶(いきれもだえ)て吐血するあり
【用法】
・ 生麦門冬一両許(ばかり)搗て汁を取り一合を入拌(かきまぜ)て、二度服すべし <中巻7丁>
蘆荻(よしおぎ)外の皮を焼灰にし、白くならざる様に焼きて末にし、粉少許を入れ研匂(すりまぜ)、麦門冬煎汁(せんじしる)にて一二匁を服す <中巻7丁>
【通理法】
 └ 中暑吐血: また、おおよそ何れの吐血にても暴(にわか)に血を吐て湧が如くなる者、或は一口二口よりして一二合、漸々(ぜんぜん)に一升より數斗に至り、気血脱て危(あやうき)ことしばしのまあり
諸薬用いて効なきは、其病人吐出したる血の凝(こりたる)[何れの吐血にても多く吐き、しばらくすれば凝(こる)ものなり]を火に焙乾(あぶりかわかし)、再炒黒し末となし三分許を麥門冬の煎じ汁にて服すべし <中巻8丁>
広恵済急方の植物画像

(原文)

(訳文)
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関連情報新訂和漢薬
参考文献JP18: 第18改正日本薬局方.
CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 67-68.
L1) 官準 広恵済急方.
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2) p. 353.
L3) 新訂 和漢薬 p. 567.
備考『日本薬局方』,『中華人民共和国薬典』ともに原植物として,O. japonicus が規定される.その他中国産には O. ohwii,セッコウジャノヒゲ O. chekiangensis Kimura et Migo(浙江省の栽培品でスレンダーな根茎を持つことから O. japonicus と区別すべきであるという説がある.)が出廻る.韓国産はヤブラン属のコヤブラン Liriope spicata Lour. 及びヤブラン L. platyphylla Wang et Tang の肥大根である.このものは中国では「土麦門」と称しているが,品質はよくない.
更新日2021/09/27