資料館生薬データベース
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21.68686
108.35384599999998
産地情報
中華人民共和国,広西壮族自治区防城港
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
34.6937249
135.5022535
入手先情報
日本(ToS),大阪府
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png
学術情報データベース
一般生薬名 | 桂皮, Guipi, 肉桂, Rougui, Cinnamomi Cortex (JP18, CP2020), Cinnamon Bark (JP18), Cassia Bark (CP2020) | |||||
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生薬異名 | 広南桂皮, 東興桂皮, ベトナム桂皮, 肉桂 | |||||
生薬画像 |
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原植物名 | Cinnamomum cassia J. Presl | |||||
原植物画像 |
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原植物科名 | Lauraceae, クスノキ科 | |||||
薬用部位 | 樹皮 | |||||
選品 | 広南桂皮は肉薄で,ベトナム桂皮は肉厚.内面の色が濃褐色~紫黒色で,辛くて良い芳香のあるものが良品 (TN). | |||||
公定書 | 日局18,薬典(2020) | |||||
臨床応用 | 発汗,解熱,芳香性健胃,駆風薬として,頭痛,発熱,のぼせ,感冒,身体疼痛などに応用する.ケイヒ油はその他に,矯味,矯臭薬,食用香料としても用いられる. | |||||
医学体系 | 中国医学 | |||||
伝統医学的薬効 | 分類 | 温裏薬 | ||||
薬効 | [性味] 辛、甘,大熱. [帰経] 腎、脾、心、肝経. [効能] 補火助陽,引火帰源,散寒止痛,温通経脈. [主治] 陽痿宮冷,腰膝冷痛,腎虚作喘,虚陽上浮,眩暈目赤,心腹冷痛,虚寒吐瀉,寒疝腹痛,痛経経閉に用いる. | |||||
成分情報 | その他の脂肪族関連化合物 Other aliphatic and related compounds C. verum (*C1): Cassioside, Cinnamoside モノテルペノイド Monoterpenoids C. verum (*C1): l-Phellandrene, alpha-Pinene, beta-Pinene, Geranial, Camphene, Linalool, Terpinen-4-ol C. sieboldii (*C1): Camphene, Linalool, 1,8-Cineole ジテルペノイド Diterpenoids C. cassia (*C1): Cinnzeylanine, Cinnzeylanol, Anhydrocinnzeylanine, Anhydrocinnzeylanol, Cinncassiol A, Cinncassiol B, Cinncassiol C1, Cinncassiol C2, Cinncassiol C3, Cinncassiol D1, Cinncassiol D2, Cinncassiol D3, Cinncassiol D4, Cinncassiol E C. verum (*C1): Cinnzeylanine, Cinnzeylanol フェニルプロパノイド Phenylpropanoids C. cassia (*C1): Cinnamaldehyde(=Cinnamic aldehyde), Cinnamyl acetate, Phenylpropyl acetate, Cinnamic acid, Salicyl aldehyde C. verum (*C1): Cinnamaldehyde (= Cinnamic aldehyde), Eugenol C. sieboldii (*C1): Cinnamaldehyde (= Cinnamic aldehyde) タンニン Tannins C. cassia (*C1): l-Epicatechin, Procyanidin B-2, Procyanidin B-5, Procyanidin C-1, Cinnamtannin I C. verum (*C1): l-Epicatechin, Procyanidin B-1, Procyanidin B-2, Procyanidin B-5 (*C2): Cinnamtannin A1 | |||||
成分 構造式 |
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薬理作用 | 鎮静,鎮痛(水エキス,精油:大量で痙攣 ).抗菌(精油:病原性糸状菌).眼瞼下垂,血圧降下,体温降下,呼吸促進,覚醒,胆汁分泌促進,ストレス性潰瘍抑制(ケイアルデヒド).発汗増強,局所麻酔(水エキス). | |||||
DNA配列 | AB040075, AB040085; 伝統医薬データベース. | |||||
証類本草(中国古典) | ※画像をクリックすると本文の画像が表示されます 訳文画像を表示 | |||||
適応症 | 感冒, 神経痛, リウマチ, 慢性気管支炎, 月経不順, 無月経, 腹痛, 下痢, 身体が重だるい | |||||
方剤 | 安中散, 胃風湯, 胃苓湯, 茵蔯五苓散, 烏頭桂枝湯, 温経湯, 温脾湯, 黄耆桂枝五物湯, 黄耆建中湯, 黄耆芍薬桂枝苦酒湯, 黄耆別甲湯, 黄連湯, 葛根湯, 葛根加半夏湯, 葛根加苓朮附湯, 葛根湯加辛夷川芎湯, 加味八仙湯, 栝楼桂枝湯, 緩痃湯, 甘草附子湯, 帰耆建中湯, 逆挽湯, 救逆湯, 九味檳榔湯, 桂姜棗草黄辛附湯, 桂枝湯, 桂枝加黄耆湯, 桂枝加葛根湯, 桂枝加桂湯, 桂枝加厚朴杏仁湯, 桂枝加芍薬湯, 桂枝加芍薬生姜人参湯, 桂枝加芍薬大黄湯, 桂枝加朮附湯, 桂枝加大黄湯, 桂枝加附子湯, 桂枝加龍骨牡蠣湯, 桂枝加苓朮附湯, 桂枝甘草湯, 桂枝甘草龍骨牡蠣湯, 桂枝去芍薬湯, 桂枝去芍薬加蜀漆龍骨牡蠣湯, 桂枝去芍薬加蜀漆龍骨牡蠣救逆湯, 桂枝去芍薬加麻黄附子細辛湯, 桂枝五物湯, 桂枝芍薬知母湯, 桂枝生姜枳実湯, 桂枝桃仁湯, 桂枝二越婢一湯, 桂枝二越婢一湯加苓朮附, 桂枝二麻黄一湯, 桂枝人参湯, 桂枝茯苓丸, 桂枝茯苓丸料, 桂枝附子湯, 桂枝麻黄各半湯, 香芎湯, 厚朴七物湯, 行和芍薬湯, 古今録験続命湯, 五積散, 牛車腎気丸, 五物大黄湯, 五苓散, 柴葛解肌湯, 柴胡加龍骨牡蠣湯, 柴胡桂枝湯, 柴胡桂枝乾姜湯, 柴胡疎肝湯, 柴苓湯, 紫蘇子湯, 炙甘草湯, 赤小豆湯, 瀉脾湯, 瀉脾湯加龍骨牡蠣, 十全大補湯, 十味剉散, 十六味流気飲, 小建中湯, 生地黄湯, 小青竜湯, 小青竜加石膏湯, 小続命湯, 椒梅湯, 赤丸料(桂皮), 折衝飲, 壮原湯, 増損木防已湯, 続命湯, 蘇子降気湯, 大青竜湯, 大続命湯, 大百中飲, 竹皮大丸, 竹葉湯, 治喘一方, 治打撲一方, 中建中湯, 丁香柿蔕湯, 丁香茯苓湯, 桃核承気湯, 当帰建中湯, 当帰四逆湯, 当帰四逆加呉茱萸生姜湯, 当帰鬚散, 当帰湯, 独活葛根湯, 独活寄生湯, 内托散 [回春], 内托散 [千金], 女神散, 人参養栄湯 [局方], 貝母湯, 八味丸合人参湯, 八味地黄丸, 八味疝気方, 半夏散料, 半夏湯, 白虎加桂枝湯, 茯苓甘草湯, 茯苓桂枝甘草大棗湯, 茯苓沢瀉湯, 巫神湯, 分心気飲, 変製心気飲, 防已地黄湯, 防已茯苓湯, 牡丹皮散, 補肺湯, 奔豚湯 [広済], 奔豚湯 [集験方], 奔豚湯 [小品], 奔豚湯 [深師], 奔豚湯 [肘後方], 本方芍薬湯, 麻黄湯, 麻黄加朮湯, 麻黄加苓朮附湯, 明朗飲, 木防已湯, 木防已去石膏加茯苓芒硝湯, 薏苡仁湯 [明医指掌], 苓桂甘棗湯, 良枳湯, 苓桂甘棗湯, 苓桂五味甘草湯, 苓桂朮甘湯, 連珠飲, 弄玉湯, 六物黄芩湯, 六物附子湯, 風引湯 | |||||
広恵済急方(日本古典) Tips! | 1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類 └ 1-2. 脱陽:突然元気がなくなり気を失う、吐瀉後意識不明となる 卒(にわか)に倒れ、無性になり、口を開、手をひろげ、大便又は小便をもらし、或は汗出て流がごとく或は汗いでず、惣身手足ともに温に、目を合(ふさぎ)、鼻息麁(あらく)鼾(いびき)の如く、或は痰咽にぜりぜりといえる音あり、或は痰の音なく、或は面赤、又はうす黒く、又は顔色粧(よそおふ)がごとき、是脱陽也 【疾患注釈】凡(おおよそ)霍亂(かくらん)等にて吐瀉やまず、又は夥(おびただ)しく吐瀉したる後元気ともしく、手足冷えあがり、ひや汗出て陰嚢しじみあがり、手足搐(びくびく)し、面くろく、息づかいせわしく、或は手足の筋引きつまり、漸々(ぜんせん)に無性に成る者あり、みな陽脱の候とす 或は常々喘息もちとて短気(いきぎれ)つよく、左の乳の下の動気つよき人遽(にわか)に脱陽することおおし、又暴(にわかに)瀉(くだし)後、或は厠の内、或は厠より出て卒(にわか)に倒るるあり、是等皆脱陽なれば療法皆同じ 【用法】桂枝壱両刻み好酒(よきさけ)にて煎じ飲しむ可(べ)し、若(もし)桂枝無きときは、葱の白根其侭(そのまま)廿本許(ばかり)を刻み、好酒にて濃くせんじ飲しめてよし、或は生姜を擦(すり)て一両其侭酒にて煎じ用ゆ、又効(しるし)あり <上巻17丁> 1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類 └ 1-10. 霍乱: 驕(この)病乾湿の二つあり、湿霍乱は吐瀉(はきくだ)して腹痛甚しきなり、乾霍乱は吐もせず瀉(くだし)もせず惟(ただ)心腹纒続大(むねはらしぼるごとくいたみ)に苦悶(くるしむ)を言なり 何れも危急なる証にて種々の変化一條に載がたし、療法も亦変化あり └ 湿霍乱: 病発(びょうはつ)に頭痛痃痺(めまい)ある者あり、又頭痛痃痺なく初より先吐して後に瀉(くだす)者あり、先瀉して後に吐するあり、吐瀉の前より腹痛甚しきあり、吐瀉ありて後に腹痛甚しきあり、何れも腹中㽲(ひきしめ)痛まざるはなし、扨吐して吐やまず、瀉して瀉やまず、或は吐瀉ともにやまず、湯も薬も口に入らず、或は口乾て水を飲んとし、或は悪寒甚しく、或は熱を発し、喘急(いきづかいせわ)しく手足共に厥冷(ひえあがり)戦掉(ふるえ)、軽きは両脚轉筋(すじひきつめ)重きは惣身(そうみの)轉筋(すじひきつめ)、冷汗出脣(くちびる)舌動かず漸々(ぜんぜん)に昏(つかれ)倦(むちゅうに)なるなり 【疾患注釈】不利不已: 腹くだりやまざる 【用法】桂枝壹両剉みて好酒(よきさけ)に煎服す <上巻37丁> └ 乾霍乱: 忽然(たちまち)心下(むなさき)つかえかたく腹肚(はら)満はりしぼるように痛堪がたく漸々に煩躁擾亂(もがきさわぎ)、吐んとして吐ず、瀉(くだ)さんとして瀉さず、手足逆冷(ひえあがり)冷汗出、胸膈(むね)かたく起(おこ)りふさがり、頃刻(しばらくのうち)に命危証なり 【疾患注釈】中脘以下小腹へかけ、絞るが如く痛甚、是を按ば中脘より下腹の方に塊ある 【用法】厚朴を生姜の汁に付炙、研末となし、白湯にてニ匁許を用ゆ。或は厚朴刻、炙、煎、姜汁を入拌(かきまぜ)用う、或は肉桂、枳実をくわう <上巻48丁> 2. 卒暴諸証: 突然発症する病 └ 2-1. 吐血: 人忽(たちまち)血を吐(はく)なり。此証一様ならず故に七ケ條に分たり └ 虚熱吐血: 患人(病人)面赤く、滑沢(つやつや、うるおい)甚だしく、或は躁悶(もだえさわぎ)、或は喘息して手足厥冷(冷えあがり)、或は小便清澄(すみ)、大便もやわらかに通じ、又は泄瀉し、遂に吐血て止まざるは虚陽の浮泛(うかみあかり)たるなり、血色鮮紅なり、尤大切の証なり 【用法】肉桂一味末となし、方寸匕(ひとさじ)許(ばかり)を服す <中巻4丁> └ 2-9. 心腹卒痛: 心腹(むねはら)突然痛くなる └ 寒痛: 綿々(だらだら)といつまでも斷間(たえま)なく痛み、胸すきて飢がごとく、按(おし)て快(こころよ)く、大便泄痢或は下重(いけみ)あるは寒痛なり、俗に冷蟲と言 此証最灸して良、中脘、天枢、気海、見許(みはから)い、灸すべし 【用法】肉桂を一味煎じ服す、或は末にして白湯にて服す <中巻34丁> └ 2-11. 卒瘂(そつあ): 突然話すことができなくなる 【疾患注釈】人俄に言語(ものいうこと)ならず、聲いでざるなり 【用法】杏仁三分皮を去、熬(いり)、桂枝一分末にし和(まぜ)、泥のごとくし、無患子程を綿に裹み口中に含み、徐々(そろそろ)嚥下(のみくだす)べし <中巻38丁> 4. 横死の類: 病死以外の死 └ 4-3. 縊死: 首をくくって死ぬ └ 縊人救法: くびれたる人を救う方法 【用法】正気付たる時、肉桂を濃く煎じ含み與え消息(みはから)いて粥清(かゆのうわゆ)を與飲(あたえのま)しめ、喉腸を濡れ(うるおし)てよし <下巻6丁> 6. 諸物中毒: 諸毒にあたる類 └ 6-2. 中諸穀菜毒: 穀類や野菜の毒にあたる └ 中木実瓜類毒: 木の実、又は瓜の類を食(くらい)て毒に中(あたり)たる 【用法】肉桂を一味水にて濃煎じ、服すべし <下巻48丁> | |||||
関連情報 | 新訂和漢薬 | |||||
同類生薬 | セイロン桂皮,タイ桂皮,ジャワ桂皮 | |||||
参考文献 | JP18: 第18改正日本薬局方 CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp 140-142. C2) 生薬学概論, pp 308-309. L1) 官準 広恵済急方. L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2). L3) 新訂 和漢薬 pp. 420-423. | |||||
備考 | 中国では C. cassia の樹皮を「肉桂」(rougui),嫩枝を「桂枝」(guizhi)と称し,薬効を異にする.肉桂は温裏薬(伝統医学的薬効を参照),桂枝は辛温解表薬で薬効は次のとおり:発汗解肌,温通経脈,助陽化気,平冲降気.風寒感冒,腹(胃)部冷痛,血寒経閉,関節痺痛,痰飮,水腫、心悸,奔豚に応用する.日本における用法は「桂枝」に近い. 「セイロン桂皮」は,C. verum J.S. Presl の幹皮で,Cinnamon Bark と称され,香辛料として世界的に有名である.「タイ桂皮」は,C. iners Reinw. ex Blume,「ジャワ桂皮」は,C. burmanni Blume に由来するものとされる.日本産の「肉桂(にっけい)」と称されるものは C. sieboldii Meissn ニッケイの根皮である. - 日本薬局方での学名変更 JP17: Cinnamomum cassia Blume → JP18: C. cassia J. Presl | |||||
更新日 | 2023/04/26 | |||||