資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称水梔子
正式名称山梔子
日本語読みさんしし, Sanshishi
現地読みShuizhizi
ラテン名Gardeniae Fructus (JP), (CP)
英語名Gardenia Fruit (JP), Cape Jasmine Fruit (CP)
原植物名Gardenia jasminoides Ellis forma longicarpa Z.W. Xie et Okada
原植物科名Rubiaceae, アカネ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類果実
産地情報中華人民共和国
入手先情報日本(ToS), 大阪府, ㈱栃本天海堂(試供品)
入手年月日2021/10/11
蒐集者小松かつ子
TMPW No31312

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
産地情報
中華人民共和国
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
34.6937249
135.5022535
入手先情報
日本(ToS),大阪府
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名山梔子, Shanzhizi, Zhizi, Gardeniae Fructus (JP18), (CP2020), Gardenia Fruit (JP18), Cape Jasmine Fruit (CP2020)
生薬異名水梔子, 梔子
生薬画像
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原植物名Gardenia jasminoides J. Ellis1, Gardenia jasminoides f. grandiflora Makino, Gardenia jasminoides var. radicans Makino, クチナシ1,コリンクチナシ,コクチナシ
原植物画像
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原植物科名Rubiaceae, アカネ科
薬用部位果実
選品山梔子は丸手のもの,水梔子は長手のもの.一般に丸手の充実した,紅色のものが上品である(TN).
公定書日局18,薬典(2020)
臨床応用消炎,止血,利胆,解熱,鎮静薬として,充血または炎症による心煩(精神不安),吐血,血尿,充血,黄疸などに応用する.粉末を黄柏末などと混和し酢で練り,打撲傷に外用する.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類清熱瀉火薬
薬効[性味] 苦,寒.
[帰経] 心、肺、三焦経.
[効能] 瀉火除煩,清熱利湿,涼血解毒;外用消腫止痛.
[主治] 熱病心煩,湿熱黄疸,淋証渋痛,血熱吐衄,目赤腫痛,火毒瘡瘍に応用し,捻挫傷痛に外用する.
成分情報モノテルペノイド Monoterpenoids
Iridoids:
(*C1):
Gardenoside, Geniposide, Genipin, Genipin 1-beta-gentiobioside, Shanzhiside, Methyl decacetylasperuloside, Geniposidic acid, 10-Acetylgeniposide, Gardoside, Scandoside methyl ester
(*C2):
Geniposide, Gardenoside, 以下代謝物 [The following compounds are the metabolites] Genipinine, Genipinine monoacetate, Gardenogenin A, Gardenogenin B, Gardenine

カロテノイド Carotenoids
(*C1):
Crocin (Crocetin + Gentiobiose)

その他の芳香族誘導体 Other aromatic derivatives
(*C1):
p-オキシケイヒ酸誘導体

成分 構造式



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薬理作用緩下,胆汁分泌促進,胃液分泌抑制,鎮痛 (geniposide).胆汁分泌促進,血中ビリルビン・コレステロール上昇抑制 (crocin,crocetin,エキス).血圧降下(エキス).
DNA配列AF201044, AJ286697, AF102426, AJ224833; 伝統医薬データベース.
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます  訳文画像を表示
適応症胸中が熱苦しくて不快, 高熱, 意識障害, 目の充血, 口が苦い, 口渇, 黄疸, 排尿痛, 排尿困難, 尿の混濁, 吐血, 鼻出血, 血便, 血尿, 皮下出血, 皮膚化膿症, 打撲外傷による腫脹・疼痛, 熱傷
方剤茵蔯蒿湯, 茵蔯散, 温清飲, 黄解散, 黄連解毒湯[外台], 黄連解毒湯[回春], 黄連消毒飲, 加減小柴胡湯, 加減涼膈散, 加減涼膈散一方, 葛根紅花湯, 加味帰脾湯, 加味小陥胸湯, 加味逍遥散, 加味逍遥散合四物湯, 加味八脉散, 枳実梔子豉湯, 枳実梔子大黄豉湯, 九味柴胡湯, 荊芥連翹湯[一貫堂], 荊芥連翹湯[回春], 五淋散, 柴胡清肝散, 梔子乾姜湯, 梔子甘草豉湯, 梔子厚朴湯, 梔子豉湯, 梔子生姜豉湯, 梔子大黄湯, 梔子柏皮湯, 四順清涼飲, 滋腎明目湯(腎気明目湯), 瀉胃湯, 順気和中湯, 辛夷清肺湯, 腎気明目湯, 清胃瀉火湯, 清咽利膈湯, 清上防風湯, 清熱解鬱湯, 清肺湯, 清涼飲, 洗肝明目湯, 治黄胖方, 治酒査鼻方, 頓嗽湯, 内疎黄連湯, 防風通聖散, 利膈湯, 龍胆瀉肝湯 [薛氏], 龍胆瀉肝湯 [一貫堂], 涼膈散, 六鬱湯, 回春茵蔯散, ハップ用複方オウバク散
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-2. 衂血
: 鼻の孔(あな)より血出るなり
【疾患注釈】人卒に鼻孔中より血出て數升(すうしょう)に至る者あり、或は湧が如く出るあり、或は點滴(ほたほたと)出るあり、或は鮮血、或は敗絮(ふるわた)如くかたまりたるあり 
【用法】
山梔子炒り、黒くし末となし、管にて鼻孔の中へ吹き込み置き、外よりは紙を水に濡らして、鼻上に搭(おしあて)てよし <中巻16丁>
山梔子一味煎じ服す <中巻16丁>

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-9. 心腹卒痛
: 心腹(むねはら)突然痛くなる
 └ 熱痛: 暴(にわか)に痛み、暴に止みて、復作(またおこ)り、痛む所へ手を近(ちかく)くことを嫌い、或は面赤く、掌中熱く、或は身に熱あり或は大便鞭(かた)く、或は不通(つうぜず)或は瀉(くだる)者あり、瀉様は先ず痛み一陣(ひとしきり)、大便臭きは是熱の痛みなり 
【用法】山梔子炒焦して煎じ服す <中巻34丁>

6. 諸物中毒: 諸毒にあたる類
└ 6-2. 中諸穀菜毒
: 穀類や野菜の毒にあたる
 └ 中菌蕈類毒: 菌蕈(きのこ)の類の毒にあたる
【用法】山梔子刻、水煎じ服す <下巻50丁>
広恵済急方の植物画像

(原文)

(訳文)
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関連情報新訂和漢薬
参考文献JP18: 第18改正日本薬局方.
CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 187-188.
C2) Planta Med.,57,536(1991).
L1) 官準 広恵済急方.
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2) p. 366.
L3) 新訂 和漢薬 pp. 73-74.
備考G. jasminoides には多くの品変種があり,果実の色や形で「山梔子」,「水梔子」,「紅梔子」,「黄梔子」などと称される.山梔子は丸手のもの,水梔子は長手のもの.クチナシはコリンクチナシの品種として分類され,学名は G. jasminoides Ellis forma grandiflora (Lour.) Makinoである.『日本薬局方』ではクチナシを品種として分けず,G. jasminoides にまとめて規定する.「水梔子」の原植物は G. jasminoides Ellis forma longicarpa Z.W. Xie et Okadaである.「山梔子」は古来,天然黄色染料として繁用される.
更新日2023/03/23