資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称ケイガイ [NIB-856]
正式名称荊芥
日本語読みけいがい, Keigai
現地読みJingjie
ラテン名Schizonepetae Spica (JP), Schizonepetae Herba (CP)
英語名Schizonepeta Spike (JP), Fineleaf Schizonepeta Herb (CP)
原植物名Schizonepeta sp.
原植物科名Labiatae, シソ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類地上部
産地情報中華人民共和国, 河北省
入手先情報日本, 茨城県, 国立研究開発法人 医薬基盤健康栄養研究所
入手年月日2022/07/26
蒐集者小松かつ子
備考【厚生労働科学研究検討用試料】[NIB-856] 刻み, 入手年: 2012.12, 送付日: 2014/06/02
TMPW No31698

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
38.042805
114.51489300000003
産地情報
中華人民共和国,河北省
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
36.3418112
140.4467935
入手先情報
日本,茨城県
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名荊芥, Jingjie, Schizonepetae Herba (JP18), Schizonepetae Spica (CP2020), Schizonepeta Spike (JP18), Fineleef Schizonepeta Spike (CP2020)
生薬異名荊芥穂 (Jingjiesui)
生薬画像
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原植物名Schizonepeta tenuifolia Briquet, ケイガイ
原植物画像
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原植物科名Labiatae, シソ科
薬用部位花期の地上部または花穂
選品芳香の強い新鮮なものが良品(TN).
公定書日局18,薬典(2020)
臨床応用発汗,解熱,去風,鎮痙,止血薬として,感冒の発熱,頭痛,咽喉痛,瘡傷,皮膚疾患,産後不良,吐血,衄血,便血,崩漏などに応用する.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類辛温解表薬
薬効[性味] 辛,微温.
[帰経] 肺、肝経.
[効能] 解表散風,透疹,消瘡.
[主治] 感冒,頭痛,麻疹,風疹,初期の瘡瘍に用いる.
成分情報その他の脂肪族関連化合物 Other aliphatic and related compounds
(*C1):
3-Octanone, 3-Octanol, 1-Octen-3-ol

モノテルペノイド Monoterpenoids
精油約/essential oil about 1.8% (*C1):
d-Menthone, l-Menthone, d-Limonene, l-Pulegone, l-Isomenthone, Isopulegone, alpha-Pinene, beta-Pinene, Camphene, Piperitone, Piperitenone, Schizo-nepetoside A, Schizo-nepetoside B, Schizo-nepetoside C, Schizo-nepetoside D, Schizo-nepetoside E

セスキテルペノイド Sesquiterpenoids
(*C1):
Caryophyllene, beta-Elemene, beta-Humulene

フラボンとフラボノール Flavones & Flavonols
(*C1):
Diosmetin, Hesperetin, Luteolin

成分 構造式

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薬理作用弱い解熱,鎮痒.抗菌(結核菌).
DNA配列伝統医薬データベース.
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症感冒, 悪寒, 発熱, 頭痛, 咽喉痛, 麻疹, 風疹, 掻痒, 皮膚化膿症, 吐血, 鼻出血, 血便
方剤駆風解毒散, 荊芥連翹湯[回春], 十味敗毒湯, 消風散, 清上防風湯, 川芎茶調散, 治頭瘡一方, 当帰飲子, 防風通聖散, 荊芥連翹湯[一貫堂], 洗肝明目湯, 活血解毒湯, 玉穂湯, 駆風解毒散, 瀉胃湯, 清咽利膈湯
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-1. 吐血
: 人忽(たちまち)血を吐(はく)なり 此証一様ならず故に七ケ條に分たり
 └虚損吐血: (注釈参照)
【疾患注釈】其人いつとなく気怯(きつかれ)、形色憔悴(けしきやつれ)或は胸懐鬱然(こころもちおもしろからず)、飲食ともに風味なく、腹は饑(へり)ながら食することは不欲(いや)にて、且物に驚き易く、夜快寝ざる等の証、其以前にありて後に忽吐血者あり、又は其以前に数度嘔吐の証、或いは度々泄瀉の証有たる後に卒然吐血、或いは下血事有者あり、是を虚損吐血とす、血の色鮮紅かるべし 
【用法】人参焙、側栢葉焙、荊芥穂黒焼にして、等分何れも末となし、飛羅麪(うどんのとびこ)を少許を入、新汲水(くみたてのみず)にて和(よく)匂(まぜ)て、稀糊(うすのり)の如して服す <中巻3丁>

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-2. 衂血
: 鼻の孔(あな)より血出るなり
【疾患注釈】人卒に鼻孔中より血出て數升(すうしょう)に至る者あり、或は湧が如く出るあり、或は點滴(ほたほたと)出るあり、或は鮮血、或は敗絮(ふるわた)如くかたまりたるあり 
【用法】荊芥煎じ服すべし <中巻16丁>

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-5. 諸失血眩暈
: 吐血、下血、鼻衂、舌衂、歯損(はをぬきてそんじ)血出で、金創など血出ること過多(おびただし)ければ、皆眩暈して昏迷になる事あり 
【用法】荊芥末となし、白湯にて送下す <中巻24.丁>

9. 産後急証: 産後に関する急病
└ 9-1. 血暈
: 血の道症
 └ 血逆昏暈: 産後惡露(おりもの)下ること少して、胸腹脹痛み、或は一時昏暈(くらみめまい)、血壅(ふさがり)、痰盛に悪血心に上衝(つきあげ)、或は面赤色澤(おもてあかくいろつや)あり、口噤(くちつぐみ)、頭仰(かしらあおぎ)、頸直(えりすぐ)に人事を知ざるは、血逆昏暈なり 
【用法】荊芥末となし、白湯にて用、煎服亦よし <下巻78丁>

9. 産後急証: 産後に関する急病
└ 9-2. 崩漏
: 産後の大量出血
【疾患注釈】婦人俄(にわか)に陰門より血多出ることあり、脱血(ちおりること)過多(おびただし)ければ、元気接續(とりつづき)がたく、死に至る 急に救べし、産後腹中鳴るもの、崩漏することあるものなり、油斷すべからず 
【用法】荊芥の穂焼て黒し、細末となし、童子の小便にて服すべし <下巻80丁>

10. 小児急証: 小児の急病
└ 10-3. 臍風
: 新生児喘息して臍腫脹し、泣声が出ない
【疾患注釈】面赤、喘息、啼聲出ず、臍張(へそはり)て突起(たかくで)、腹張満(はらはりみち)て日夜啼て乳を吮ことあたわず、或は搐搦(てあしびくつき)、口噤て撮(とがり)、凡(おおよそ)臍の邉青黒は理すべからず 
【用法】臍腫たるは荊芥を煎じ、汁を取て洗浄(あらいきよめ)、葱の葉を火の上によく炙、冷(ひゆる)を候(まち)て指甲(ゆびのこう)にて刮(けずり)、薄して腫たる處貼(はりつけ)べし <下巻85丁>
関連情報新訂和漢薬
同類生薬羅勒
参考文献JP18: 第18改正日本薬局方.
CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp 52-53.
L1) 官準 広恵済急方
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2)
L3) 新訂 和漢薬
備考中国東北地区市場の荊芥には Schizonepete multifida Briq. 及び ナギナタコウジュ Elsholtia ciliata (Thunb.) Hylander がまれに混入され,広東省では Salvia plebeia R.Br. や ハナハッカ (オレガノ) Origanum vulgare L., 湖北省ではメボウキ (バジル) Ocimum basilicum L. 雲南,山西省では イヌハッカ Nepeta cataria L. を荊芥と称している.また土荊芥と称するものには多種の植物が用いられる.
古来には羅勒が荊芥(假蘇)の一種として用いられていた.現在羅勒はメボウキの開花期の全草で,産後の血行改善,胃痙攣,腎臓病などに用いる.
更新日2023/02/17