資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称川芎
正式名称川芎
日本語読みせんきゅう, Senkyū
現地読みSenkyū
ラテン名Cnidii Rhizoma (JP)
英語名Cnidium Rhizome (JP)
原植物名Cnidium officinale Makino, センキュウ
原植物科名Umbelliferae, セリ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類根茎
産地情報日本
TMPW No3883

学術情報データベース

一般生薬名川芎, Chuanxiong, Cnidii Rhizoma (JP18), Chuanxiong Rhizoma (CP2020), Cnidium Rhizome (JP18), Szechwan Lovage Rhizome (CP2020)
生薬異名仙台川芎
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原植物名Cnidium officinale Makino1, Ligusticum chuanxiong Hortorum2, 日本産: センキュウ1, 中国産2
原植物画像
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原植物科名Umbelliferae, セリ科
薬用部位根茎
選品外皮が黒褐色,内部が黄白色で,大きくて強烈な辛さがあるものが良いとされる(NI).
公定書日局18,薬典(2020)
臨床応用補血,強壮,鎮静,鎮痛,駆瘀血薬として,冷え性,貧血,月経障害などに応用する.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類活血去瘀薬
薬効[性味] 辛,温.
[帰経] 肝、胆、心包経.
[効能] 活血行気,去風止痛.
[主治] 胸痺心痛,胸脇刺痛,打撲腫痛,月経不調,経閉痛経,癥瘕腹痛,頭痛,風湿痺痛に応用する.
成分情報フェニルプロパノイド Phenylpropanoids
L. chuanxiong (*C1):
Ferulic acid
C. officinale (*C1):
Coniferyl ferulate, Ferulic acid

フタリド類 Phthalides
L. chuanxiong (*C1):
3-Butylidene-7-hydroxyphthalide, cis-6,7-Dihydroxyligustilide, trans-6,7- Dihydroxyligustilide, Wallichilide, Butylphthalide, Butylidenephtalide, Ligustilide, Senkyunolide A, Neocnidilide
C. officinale (*C1):
Cnidilide, Ligustilide, Neocnidilide, Butylphtalide, Sedanonic acid anhydride, Senkyunolide A, Senkyunolide B, Senkyunolide C, Senkyunolide D, Senkyunolide E, Senkyunolide F, Senkyunolide G, Senkyunolide H, Senkyunolide I, Senkyunolide J

フェノール系化合物 Phenol derivatives
C. officinale (*C1):
Vanillin

アルカロイド Alkaloids
L. chuanxiong (*C1):
油状のアルカロイド [oily alkaloids]

その他の含窒素化合物 Other nitrogen compounds
L. chuanxiong (*C1):
Tetramethylpyrazine
C. officinale (*C1):
Tetramethylpyrazine

成分 構造式



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薬理作用鎮静(水エキス,エーテルエキス).発情期の促進(エキス).皮膚粘膜刺激(川芎油:外用).血管運動中枢,呼吸中枢(中国産川芎油:少量;興奮, 大量;抑制).中枢性筋弛緩,平滑筋弛緩(ligustilide).
DNA配列D83027, D44586, D83028, D44572, U78388, U78448.
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症月経不順, 月経痛, 無月経, 難産, 胎盤残留, 胸痛, 脇痛, 狭心痛, 皮膚化膿症, 打撲外傷による腫脹・疼痛, 頭痛, 関節の腫脹・疼痛
方剤胃風湯, 烏薬順気散, 温経湯, 温清飲, 益気養栄湯, 香川解毒剤, 加減八物湯, 活血解毒湯, 活血散瘀湯, 葛根湯加辛夷川芎湯, 加味四物湯, 加味逍遥散合四物湯, 加味八仙湯, 桔梗解毒湯, 亀板湯, 逆挽湯, 芎帰膠艾湯, 芎帰調血飲, 芎帰補中湯, 響声破笛丸, 駆風触痛湯, 荊芥連翹湯[一貫堂], 荊芥連翹湯[回春], 行気香蘇散, 香芎湯, 古今録験続命湯, 五積散, 五物大黄湯, 柴胡四物湯, 柴胡清肝散, 柴胡疎肝湯, 酸棗仁湯, 紫根牡蠣湯, 滋腎通耳湯, 滋腎明目湯(腎気明目湯), 紫蘇和気飲, 七物降下湯, 四物湯, 四物湯加亀板石決明, 四物湯脚気加減, 瀉胃湯, 十全大補湯, 十味剉散, 十味敗毒湯, 十六味流気飲, 潤肺湯, 小続命湯, 舒筋立安散, 辛夷散, 腎気明目湯, 清上蠲痛湯, 清上防風湯, 清熱解鬱湯, 清熱補血湯, 折衝飲, 洗肝明目湯, 川芎茶調散, 続命湯, 疎経活血湯, 大続命湯, 大百中飲, 大防風湯, 治打撲一方, 治頭瘡一方, 知母茯苓湯, 猪苓湯合四物湯, 当帰飲子, 当帰散, 当帰芍薬散末, 当帰芍薬散料, 当帰養血湯, 独活寄生湯, 内托散 [回春], 内托散 [千金], 女神散, 敗毒湯, 八味帯下方, 八物湯, 八珍湯, 防風通聖散, 補腎湯, 牡丹皮散, 奔豚湯 [金], 奔豚湯 [小品], 奔豚茯苓湯, 抑肝散, 抑肝散加陳皮半夏湯 [浅井南溟], 抑肝散加陳皮半夏湯 [本朝経験], 龍胆瀉肝湯 [一貫堂], 羚羊角飲, 連翹湯 [眼科], 連翹湯 [丹毒], 連珠飲, 六鬱湯
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類
└ 1-15. 血厥
: 突然うつ状態になり、動かなくなる 婦人に多い 
【疾患注釈】又は鬱冒という 人平居疾なし、たちまち死人のごとくにて動揺(はたら)かず、黙りて人をしらず、婦人に尤もこの証多し 
【用法】川芎香附子の末等分白湯にて用べし <上巻74丁>

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-5. 諸失血眩暈
: 吐血、下血、鼻衂、舌衂、歯損(はをぬきてそんじ)血出で、金創など血出ること過多(おびただし)ければ、皆眩暈して昏迷になる事あり 
【用法】當帰川芎二味各々一匁水に煎じて飲むべし <中巻24丁>

7. 婦人産前急証: 妊婦の産前に関する急病
└ 7-1. 胎動

【疾患注釈】妊娠の婦人、胎気和(たいのきか)せず、或は夫の為に困(くるしめ)られ、胎動して腹痛絶入(たえい)らんとするは、胎動と名づく、其証腰より小腹(したはら)へかけ痛て、心(むね)へ搶(つき)あけ急に救(すくわ)ざれば堕胎(たいおと)す、或は産門より血下る
【用法】
當帰二匁、川芎一匁、水一杯、酒一盃煎じて一杯半となし用ゆ <下巻63丁>
・ 急に沙糖湯を飲べし、扨(さて)當歸二匁、川芎一匁刻、水に煎じ酒少許入用べし、總(すべ)て胎動に用てよし <下巻63丁>

9. 産後急証: 産後に関する急病
└ 9-1. 血暈
: 血の道症
 └ 血脱昏暈(けつだつこんうん): 産の時血脱下(おりくだる)こと既に過多(おびただしく)、気も就所(つくところ)を失い、気血ともに乏昏暈になり、人事を不省(かえりみず)、其面の色白く、眼黒閉て開かず、口を開手足冷、頭傾(うなだれ)、呼吸(いきづかい)寂然(うすら)なるは血脱昏眩暈な 
【用法】其症軽きものは人参當歸川芎各一匁水に濃煎じ、童便(こどものしょうべん)を加て用ゆべし、鹿角の黒焼あらば兼用てよし <下巻76丁>
関連情報新訂和漢薬
参考文献JP18: 第18改正日本薬局方.
CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 23-24.
L1) 官準 広恵済急方.
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2).
L3) 新訂 和漢薬 pp. 189-190.
備考『日本薬局方』では C. officinale の根茎が規定される.
更新日2021/09/27