資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称接骨木
正式名称接骨木
日本語読みせっこつぼく, Sekkotsuboku
現地読みJiegumu
ラテン名Sambuci Lignum
原植物名Sambucus willamsii Hance
原植物科名Caprifoliaceae, スイカズラ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類
入手年月日1951/10/1
蒐集者難波恒雄
TMPW No3972

学術情報データベース

一般生薬名接骨木, Jiegumu, Sambuci Lignum
生薬異名ニワトコ(Niwatoko
生薬画像
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原植物名Sambucus willamsii Hance
原植物科名Caprifoliaceae, スイカズラ科
薬用部位
臨床応用鎮痛,消炎,止血,利尿薬として,打ち身,骨折,筋肉の痙攣拘急,水腫,腎炎,関節リウマチ,痛風,咽喉痛などの諸痛,諸出血,痰飲,産後の悪血などに応用される.一般的に民間的に単味で用いる.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類清熱涼血薬
成分情報その他 Others
S. sieboldiana (*C1):
樹脂,タンニンが含まれるが詳細は不明(枝,茎).
/ Resin and tannins are contained but unspecified (branch, stem).

薬理作用ニワトコの茎の水抽出エキスを,家兎に対し経口,マウスに対し経口および皮下注射により投与すると,著明な利尿作用を示す.この水エキスはアルコールその他の有機溶媒にほとんど不溶であることから,有効成分は無機塩類が主であろうとされている.アルコールエキス中のエーテル不溶分に瀉下作用が認められる.また接骨木の煎剤を生薬換算量20g/㎏の割合でラットに内服させると,著しい鎮痛作用が認められ,その作用はモルヒネより劣るが,スルピリンに勝る.
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症小便不利, 骨折, 筋肉のひきつり, 水腫, 腎炎, リウマチ, 痛風, 咽喉痛, 出血
方剤希有処方に配合
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

3. 外傷の類: 怪我や蟲獣(むし、けだもの)に咬まれる等の外傷
└ 3-4. 趺撲、堕落、靨倒、閃挫、落馬
(うちうたれ、たかき所よりおち、おしたおされ、くじき、らくば)
 └ 諸閃肭、閃腰、打傷并手足損傷(もろもろひきくじき、こしちがえ、うちみまたてあしそんざし):血出ずして痛(いたみ)推(ただ)其處の色、あるいは青、或は紫なる 
【用法】蒴藿又は接骨木何れにても水に煎じ、二三椀をのみ、且痛む処を薫洗(たで)てよし <中巻63丁>

6. 諸物中毒: 諸毒にあたる類
└ 6-4. 中魚介禽獣肉毒
: 魚介、禽獣類の肉、他諸毒にあたる
 └ 中諸魚毒: 諸々の魚毒に中(あた)りたる
【用法】接骨木の葉を揉て汁を絞り取て服す <下巻56丁>
広恵済急方の植物画像

   (原文)

   (訳文)
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関連情報新訂和漢薬
参考文献C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. Ⅱ, pp 167-169.
L1) 官準 広恵済急方.
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2) pp. 460, 461, 551.
L3) 新訂 和漢薬.
備考中国産はこの他に,ニワトコ Sambucus sieboldiana Blume ex Graebn. (= S. racemosa L. subsp. sieboldiana Hara),エゾニワトコ S. sieboldiana Blume ex Graebn. var. miquelii (Nakai) Hara などの茎を乾燥したもの.
現在香港市場の「接骨木」の一部にはキツネノマゴ科/Acanthaceae の キダチキツネノマゴ Justicia gendarussa Nees の地上部全草を乾燥したものもある.
日本産は ニワトコ Sambucus sieboldiana Blume ex Graebn. の茎を乾燥したもの.市場品にはしばしばユキノシタ科/Saxifrangaceae の ノリウツギ Hydrangea paniculata Siebold の茎を混入している (5~30%).また ウコギ科/Araliaceae の タラノキ Aralia elata (Miq.) Seemann の茎も混入されるといわれている.
更新日2023/09/01