資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称地楡
正式名称地楡
日本語読みちゆ, Chiyu
現地読みJiyu
ラテン名Sanguisorbae Radix (CP)
英語名Garden Burnet Root (CP)
原植物名Sanguisorba officinalis L.1, Sanguisorba officinalis L. var. longifolia (Bert.) Yu et Li, Sanguisorba tenuifolia Fisch. ex Link var. alba Trautv. et Meyer2, ワレモコウ1とその変種, 及びナガボノシロワレモコウ2
原植物科名Rosaceae, バラ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類根+根茎
入手先情報大韓民国(韓国)
入手年月日1971/04/00
TMPW No4396

学術情報データベース

一般生薬名地楡, Diyu, Sanguisorbae Radix (CP2020), Garden Burnet Root (CP2020)
生薬画像
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原植物名Sanguisorba officinalis L.1, Sanguisorba officinalis L. var. longifolia (Bert.) Yu et Li or the variant species, ワレモコウ1及びその変種 (B1)
原植物画像
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原植物科名Rosaceae, バラ科
薬用部位
選品外皮は暗褐色で内部が白く,表面に皺溝があり中部は肥厚し,両端の細長い新しい直根が良い(NI).
公定書薬典(2020)
臨床応用収斂,止血薬として,血痢,痔瘻,血崩,吐血,喀血,下血,月経過多,大便出血などに応用する.また皮膚炎,粘膜炎,湿疹,切傷,火傷などに外用して卓効がある.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類止血薬
薬効[性味] 苦、酸、渋,微寒.
[帰経] 肝、大腸経.
[効能] 涼血止血,解毒斂瘡.
[主治] 便血,痔血,血痢,崩漏,熱湯熱傷,癰腫瘡毒に用いる.
成分情報トリテルペン系サポニン Triterpenoid saponins
(*C1):
Sanguisorbin (ゲニン/genin = Tomentosolic acid), Ziyu-glycoside I, Ziyu-glycoside II (ゲニン/genin = Pomolic acid)

カロテノイド及びビタミンA Carotenoids & Vitamin A
(*C1):
Vitamin A (approx. 0.04%)

タンニン Tannins
(*C1):
Tannin (approx. 17%)

成分 構造式


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薬理作用抑菌作用(エタノールエキス:大腸菌,変形菌,枯草菌,ブドウ状球菌,チフス菌,パラチフス菌,緑膿菌).抗菌作用(脳膜炎菌).抗炎症作用.腎虚血-再灌流障害によるアポトーシスの抑制・腎機能の回復(前投与)(P1).LPSによる腎機能障害の改善(NO産生系,前投与)(P2).
DNA配列AF183533, AF183556
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます  訳文画像を表示
適応症吐血, 鼻出血, 血尿, 血便, 痔出血, 出血性下痢, 不正性器出血, 月経過多, 皮膚化膿症, 湿疹, 切り傷, やけど
方剤希有処方に配合
参考文献CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
B1)Shoyakugaku Zasshi, 39, 301-311 (1985).
C1)和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 70-71.
E1)J. Trad. Med., 16, 97-101 (1999).
E2)Biol. Pharm. Bull., 22, 1327-1330 (1999).
備考地楡の原植物である Sanguisorba officinalis の変種には,var. longifolia (Bert.) Yu et Li の他,var. carnea (Fisch.) Regel ex Maxim. エゾワレモコウ,var. glandulosa (Kom.) Worosch,var. longifolia (Kitag.) Yu et Li が含まれる.これらの他,中国東北地区では S. tenuifolia Fisch. ex Link 及びナガボノシロワレモコウ S. tenuifolia Fisch. ex Link var. alba Trautv. et Meyer ,山東省烟台地区では S. applanata Yu et Li 及びその変種,寧夏地区の一部では S. alpina Bunge の根を 「地楡」 として薬用にしている.また貴州省貴陽地区では,タデ科/Polygonaceae の イブキトラノオ Polygonum bistorta L. の根茎を 「地楡」 と称しており,四川省南部では イタドリ Polygonum cuspidatum Sieb. et Zucc. の根茎を 「土地楡」 と称している.
その他,河南省信陽ではユキノシタ科/Saxifragaceae の Astilbe chinensis Maxim. ex Fr. et Sav. の根茎を,雲南省昆明地区ではフクロソウ科/Geraniaceae の Geranium strictipes Kunth の根を 「紫地楡」 または 「赤地楡」 と称している.さらに雲南省の一部では,バラ科/Rosaceae の Potentilla peduncularis D. Don 及び P. siemersiana Lehm. の根を 「白地楡」 と称している.すべて地楡としては誤用である.
韓国市場の地楡 (Jiyu) 市場品は多くが S. officinalis L.,S. officinalis L. var. longifolia (Bert.) Yu et Li 及び S. tenuifolia Fisch. ex Link var. alba Trautv. et Meyer の根の混合品であった(B1).
更新日2021/09/28