資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称紅花
正式名称紅花
日本語読みこうか, Kōka
現地読みHonghwa
ラテン名Carthami Flos (JP), (CP)
英語名Safflower (JP), (CP)
原植物名Carthamus tinctorius L., ベニバナ
原植物科名Compositae, キク科
薬用部位分類植物性生薬
細分類
入手先情報大韓民国(韓国)
TMPW No4402

学術情報データベース

一般生薬名紅花, Honghua, Carthami Flos (JP18, CP2020), Safflower (JP18), (CP2020)
生薬異名草紅花
生薬画像
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原植物名Carthamus tinctorius Linn., ベニバナ
原植物画像
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原植物科名Compositae, キク科
薬用部位管状花
選品新しくて鮮紅色のものが良い(TN).
公定書日局18,薬典(2020)
臨床応用通経,駆瘀血薬として,腹痛,婦人病,冷え性,更年期障害などの血行障害の治療に用いる.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類活血去瘀薬
薬効[性味] 辛,温.
[帰経] 心、肝経.
[効能] 活血通経,散瘀止痛.
[主治] 経閉,痛経,悪露不行,癥瘕痞塊,胸痺心痛,瘀滞腹痛,胸脇刺痛,打撲損傷,瘡瘍腫痛に用いる.
成分情報脂肪酸 Fatty acids
(*C1):
Seed (種子): Linoleic acid

脂質 Lipids
(*C1):
Flower (花): Safflower oil (Oleic, Linoleic acidのGlyceride)

ステロール Sterols
(*C1):
Flower (花): Sterols

リグナンとネオリグナン Lignans & Neolignans
(*C1):
Flower (花): Lignans;
Seed (種子): Tracheloside, Matciresinol-4-O-beta-glucopyranoside

フラボンとフラボノール Flavones & Flavonols
(*C1):
Leaf (葉): Luteolin-7-glucoside
(*C2,C3,C4,C5,C7):
Flower (花): 6-Hydroxykaempferol, 6-Hydroxykaempferol-3,6-di-O-beta-D-glucopyranoside, 6-Hydroxykaempferol-3-O-beta-D-glucopyranoside, 6-Hydroxykaempferol-3-O-beta-rutinoside-6-O-beta-D-glucopyranoside, 6-Hydroxykaempferol-3,6,7-tri-O-beta-D-glucopyranoside

フラバノンとジヒドロフラボノール Flavanones & Dihydroflavonols
(*C1):
Flower (花): Carthamidin, Neocarthamin

カルコン、ジヒドロカルコン及びオーロン Chalcones, Dihydrochalcones & Aurones
(*C1):
Flower (花): Carthamin, Safflor yellow
(*C6):
Flower (花): Safflor yellow B, Safflor yellow A, Carthamin, Hydroxysafflor yellow A, Safflor-metabolin, Safflomin A, Safflomin C

成分 構造式





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薬理作用子宮緊張亢進,律動性収縮誘発.腸管平滑筋興奮.血圧降下.ストレス性潰瘍抑制.
DNA配列L13862
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症無月経, 月経痛, 腹腔内腫瘤, 難産, 胎児死亡, 打撲外傷による腫脹・疼痛, 皮膚化膿症, 狭心痛
方剤安産湯, 活血解毒湯, 葛根紅花湯, 加味承気湯, 甘連湯, 柴胡疎肝湯, 舒筋立安散, 秦艽防風湯, 折衝飲, 治酒査鼻方, 治頭瘡一方, 通導散, 当帰鬚散, 連翹湯 [本朝経験]
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-9. 心腹卒痛
: 心腹(むねはら)突然痛くなる
 └ 瘀血痛: 心痛(むねいたみ)、湯水を飲て嚥下(のみくだせ)ば、必吃逆(しゃっくり)をなすは瘀血(わるち)とす、腹痛一処(ひとところ)にて他所へいつまでも移ず、動かざるは瘀血(わるち)なり 
【用法】紅花を研て温酒(かんざけ)にし服す <中巻35丁>

6. 諸物中毒: 諸毒にあたる類
└ 6-4. 中魚介禽獣肉毒
: 魚介、禽獣類の肉、他諸毒にあたる
 └ 中指甲螺毒: 指甲螺(めかじゃ)の毒にあたる
【用法】紅花一味煎じ服してよし <下巻58丁>

8. 臨産急証: 出産に関する急病
└ 8-1. 難産

 └ 胞衣不下(えなおりざる): 兒生下時(こうまれるとき)、看生人(かいほうにん)産母の胸前をしかと抱き、産婦も亦自分にて肚腹を緊(きびしく)抱くべし、胞衣下る 
【用法】紅花(干したるにもの)酒に煮て、汁を飲てよし <下巻74丁>

9. 産後急証: 産後に関する急病
└ 9-1. 血暈
: 血の道症
 └ 血逆昏暈: 産後惡露(おりもの)下ること少して、胸腹脹痛み、或は一時昏暈(くらみめまい)、血壅(ふさがり)、痰盛に悪血心に上衝(つきあげ)、或は面赤色澤(おもてあかくいろつや)あり、口噤(くちつぐみ)、頭仰(かしらあおぎ)、頸直(えりすぐ)に人事を知ざるは、血逆昏暈なり 
【用法】麒麟血没薬、二味一匁ずつ末となし、童便と酒と半分まぜにして温め右の末薬を用ゆべし、紅花の末又は蘇木の末前のことくして飲みてよし <下巻77丁>
関連情報新訂和漢薬
参考文献JP18: 第18改正日本薬局方.
CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp 100-101.
C2) Chem.Pharm.Bull.,40,3355(1992).
C3) Chem.Pharm.Bull.,41,1796(1993).
C4) Phytomedicine,4,277,(1995).
C5) Phytochemistry,31,4001(1992).
C6) J. Natural Prod.,56,39(1993).
C7) Shoyakugaku Zasshi,46,210(1992).
L1) 官準 広恵済急方
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2)
L3) 新訂 和漢薬
備考ベニバナの花を採集後圧縮して乾燥したものを「錢花」,大量にまとめて板状に圧縮したものを「板紅花」と称し,専ら臙脂 (ベニ) の製造に用いられる.薬用には圧縮しないでそのまま乾燥したものを良品とする.臙脂は口紅や食用色素としても応用する.種子は Safflower oil (食用のベニバナ油) の主原料とする.
更新日2023/04/24