資料館生薬データベース

※画像をクリックすると、拡大して表示されます。
生薬名

入手時名称雲南貝
正式名称川貝母
日本語読みせんばいも, Sembaimo
現地読みChuanbeimu
ラテン名Fritillariae Cirrhosae Bulbus (CP)
英語名Tendrilleaf Fritillary Bulb (CP)
原植物名Fritillaria cirrhosa D.Don
原植物科名Liliaceae, ユリ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類鱗茎(球茎)
入手先情報香港, 永大行
入手年月日1972/12/00
TMPW No694

学術情報データベース

一般生薬名川貝母, Chuanbeimu, Fritillariae Cirrhosae Bulbus (CP2020, Tendrilleaf Fritillary Bulb (CP2020)
生薬異名川貝, 松貝, 青貝, 松川貝, 西貝, (炉貝)
生薬画像
More
※画像をクリックすると、拡大して表示されます。
原植物名Fritillaria cirrhosa D. Don., Fritillaria unibracteata Hsiao et K.C. Hsia, Fritillaria przewalskii Maxim.
原植物画像
More
※画像をクリックすると、拡大して表示されます。
原植物科名Liliaceae, ユリ科
薬用部位鱗茎
選品外面が白く,裏面が黄褐色の小さなものが良いとされる(NI).
公定書薬典(2020)
臨床応用鎮咳,去痰,排膿薬として,煩熱,喉痺,目眩,咳嗽,口渇などに応用する.川貝は,潤肺,去痰,鎮咳の作用が強く,元気のない肺燥の咳嗽には川貝を用いる.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類化痰薬
薬効[性味] 苦、甘,微寒.
[帰経] 肺、心経.
[効能] 清熱潤肺,化痰止咳,散結消癰.
[主治] 肺熱燥咳,干咳少痰,陰虚労嗽,痰中帯血,瘰癧,乳癰,肺癰に用いる.
成分情報ステロイドアルカロイド Steroidal alkaloids
F. cirrhosa (*C1,C2):
Verticine (Peimine),Verticinone (Peiminine)
青貝 (*C1):
Chinpeimine
白松貝 (*C1):
Sonpeimine
西貝 (*C1):
Sipeimine
F. delavayi (*C3):
Chuanbeinone
白炉貝 (*C1):
Beilupeimine

アルカロイド Alkaloids
F. cirrhosa (*C1):
Fritimine
岷貝 (*C1):
Minpeimine, Minpeiminine

成分 構造式


※画像をクリックすると、拡大して表示されます。
薬理作用血圧降下(peimine).
DNA配列AF199454, AF230318
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症咳嗽, 乾咳, 咽痛, 少痰, 喀痰, 口渇, めまい
方剤葦茎合四順湯, 益気養栄湯, 桔梗白散, 滋陰至宝湯, 紫苑散, 四順湯, 清肺湯, 当帰貝母苦参丸, 当帰養血湯, 人参養栄湯 [聖済], 貝母湯, 肺癰湯, 百合固金湯, 養肺湯
同類生薬浙貝母(浙貝),湖北貝母,平貝母,伊貝母
参考文献CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 71-73.
C2) 生薬学概論,p 336.
C3) CA, 54, 22695 (1960).
備考貝母は種類が多く,主なものには次のものがある.
- 浙貝母 (浙貝) : Fritillaria thunbergii Miq.
- 湖北貝母:F. hupehensis Hsiao et K.C. Hsia
- 川貝母 (川貝) : F. cirrhosa D.Don, F. unibracteata Hsiao et K.C.Hsia, F. przewalskii Maxim.
- 炉貝:F. delavayi Franch.
- 伊貝母 (伊貝) : F. pallidiflora Schrenk, F. walujewii Regel
- 平貝母 (平貝) : F. ussuriensis Maxim.
これらは,『中華人民共和国薬典』にそれぞれ別の条項で収載される(炉貝は川貝母に含まれる).貝母は化痰薬とされるが大きく,浙貝母,湖北貝母のグループと川貝母,炉貝,伊貝,平貝のグループに分けられ,前者は咳嗽の他,瘰癧や癰腫瘡毒にも応用され,後者は陰虚や肺熱の咳嗽に応用される.
日本産貝母は浙貝母と同じアミガサユリ(バイモ)の鱗茎で奈良県で栽培され,「大和貝母」とも称される.烏頭類生薬といっしょに用いてはならない.川貝母の名前は『景岳全書』(1624年)に初見する.
更新日2021/09/27