資料館生薬データベース
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学術情報データベース
一般生薬名 | 川貝母, Chuanbeimu, Fritillariae Cirrhosae Bulbus (CP2020, Tendrilleaf Fritillary Bulb (CP2020) | ||||||
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生薬異名 | 川貝, 松貝, 青貝, 松川貝, 西貝, (炉貝) | ||||||
生薬画像 |
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原植物名 | Fritillaria cirrhosa D. Don., Fritillaria unibracteata Hsiao et K.C. Hsia, Fritillaria przewalskii Maxim. | ||||||
原植物画像 |
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原植物科名 | Liliaceae, ユリ科 | ||||||
薬用部位 | 鱗茎 | ||||||
選品 | 外面が白く,裏面が黄褐色の小さなものが良いとされる(NI). | ||||||
公定書 | 薬典(2020) | ||||||
臨床応用 | 鎮咳,去痰,排膿薬として,煩熱,喉痺,目眩,咳嗽,口渇などに応用する.川貝は,潤肺,去痰,鎮咳の作用が強く,元気のない肺燥の咳嗽には川貝を用いる. | ||||||
医学体系 | 中国医学 | ||||||
伝統医学的薬効 | 分類 | 化痰薬 | |||||
薬効 | [性味] 苦、甘,微寒. [帰経] 肺、心経. [効能] 清熱潤肺,化痰止咳,散結消癰. [主治] 肺熱燥咳,干咳少痰,陰虚労嗽,痰中帯血,瘰癧,乳癰,肺癰に用いる. | ||||||
成分情報 | ステロイドアルカロイド Steroidal alkaloids F. cirrhosa (*C1,C2): Verticine (Peimine),Verticinone (Peiminine) 青貝 (*C1): Chinpeimine 白松貝 (*C1): Sonpeimine 西貝 (*C1): Sipeimine F. delavayi (*C3): Chuanbeinone 白炉貝 (*C1): Beilupeimine アルカロイド Alkaloids F. cirrhosa (*C1): Fritimine 岷貝 (*C1): Minpeimine, Minpeiminine | ||||||
成分 構造式 |
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薬理作用 | 血圧降下(peimine). | ||||||
DNA配列 | AF199454, AF230318 | ||||||
証類本草(中国古典) | ※画像をクリックすると本文の画像が表示されます | ||||||
適応症 | 咳嗽, 乾咳, 咽痛, 少痰, 喀痰, 口渇, めまい | ||||||
方剤 | 葦茎合四順湯, 益気養栄湯, 桔梗白散, 滋陰至宝湯, 紫苑散, 四順湯, 清肺湯, 当帰貝母苦参丸, 当帰養血湯, 人参養栄湯 [聖済], 貝母湯, 肺癰湯, 百合固金湯, 養肺湯 | ||||||
同類生薬 | 浙貝母(浙貝),湖北貝母,平貝母,伊貝母 | ||||||
参考文献 | CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) . C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 71-73. C2) 生薬学概論,p 336. C3) CA, 54, 22695 (1960). | ||||||
備考 | 貝母は種類が多く,主なものには次のものがある. - 浙貝母 (浙貝) : Fritillaria thunbergii Miq. - 湖北貝母:F. hupehensis Hsiao et K.C. Hsia - 川貝母 (川貝) : F. cirrhosa D.Don, F. unibracteata Hsiao et K.C.Hsia, F. przewalskii Maxim. - 炉貝:F. delavayi Franch. - 伊貝母 (伊貝) : F. pallidiflora Schrenk, F. walujewii Regel - 平貝母 (平貝) : F. ussuriensis Maxim. これらは,『中華人民共和国薬典』にそれぞれ別の条項で収載される(炉貝は川貝母に含まれる).貝母は化痰薬とされるが大きく,浙貝母,湖北貝母のグループと川貝母,炉貝,伊貝,平貝のグループに分けられ,前者は咳嗽の他,瘰癧や癰腫瘡毒にも応用され,後者は陰虚や肺熱の咳嗽に応用される. 日本産貝母は浙貝母と同じアミガサユリ(バイモ)の鱗茎で奈良県で栽培され,「大和貝母」とも称される.烏頭類生薬といっしょに用いてはならない.川貝母の名前は『景岳全書』(1624年)に初見する. | ||||||
更新日 | 2021/09/27 | ||||||