資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称商陸
正式名称商陸
日本語読みしょうりく, Shōriku
現地読みshanglu
ラテン名Phytolaccae Radix
英語名Pokeberry Root
原植物名Phytolacca esculenta Van Houtt.1, Phytolacca acinosa Roxb., Phytolacca americana Linn.2, ヤマゴボウ1, ヨウシュヤマゴボウ2
原植物科名Phytolaccaceae, ヤマゴボウ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類
産地情報中華人民共和国, 湖北省
入手先情報中華人民共和国, 湖北省武漢, 武漢中成薬貿易中心
入手年月日1987/11/10
蒐集者難波恒雄, 他
TMPW No7801

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
30.592849
114.30553899999995
産地情報
中華人民共和国,湖北省
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
30.592849
114.30553899999995
入手先情報
中華人民共和国,湖北省武漢
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名商陸, Shanglu, Phytolaccae Radix (CP2020), Pokeberry Root (CP2020)
生薬画像
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原植物名Phytolacca esculenta Van Houttuyn1, Phytolacca acinosa Roxburgh, Phytolacca americana Linn.2, ヤマゴボウ1, ヨウシュヤマゴボウ2
原植物画像
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原植物科名Phytolaccaceae, ヤマゴボウ科
薬用部位
選品質が充実し,肥大根で,切り口の灰色のものが良品(TN).
公定書薬典(2020)
臨床応用利水,利尿薬として,水腫脹満,胸脇満悶,小便不利などの症状に応用する.また癰腫,瘡毒に外用する.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類峻下逐水薬
薬効[性味] 苦,寒;有毒.
[帰経] 肺、脾、腎、大腸経.
[効能] 逐水消腫,通利二便;解毒散結(外用).
[主治] 水腫脹満,二便不通に応用し,癰腫瘡毒に外用する.
成分情報フラボンとフラボノール Flavones & Flavonols
P. americana, leaves (*C1):
Quercetin, Kaempferol

その他の含窒素化合物 Other nitrogen containing compounds
P. americana, fruit juice (*C1):
Betanidin

その他 Others
(*C1):
Phytolaccatoxin, Oxymyristinic acid

その他 Others
(*C1):
KNO3

成分 構造式

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薬理作用下痢,腹痛 (煎液).全身搐搦,呼吸頻数,血圧上昇,心搏動数減少 (phytolaccatoxin).リンパ球幼若化作用 (P. americanaの根の水抽出成分).
DNA配列L48800, AF094557, L78041, U42793
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症浮腫, 腹水, 尿量減少, 便秘, 皮膚化膿症
方剤赤小豆湯
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
 └ 2-6. 急喉痺(きゅうこうひ)
: 突然咽喉部が腫れ塞がる
【疾患注釈】暴(にわか)に咽喉腫痛て閉塞、水漿(のみもの)通らず、言語(ものいうこと)ならず、或は牙關(はをくいつめ)、噤急(ひらかざる)、是なり、早く理療せざれは死す
【用法】商陸多少にかかわらず剉、酢にて濃煎しつめて、喉の外へ塗傳(ぬりつけ)べし <中巻25丁>

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
 └ 2-14. 無名腫毒
: (注釈参照)
【疾患注釈】何とも心得がたく、名も知れざる腫物を生ずる事あり、早く傳薬等(つけぐすりなど)せされば、恐くは害をなすこと甚だしきものあらん
【用法】商陸鹽(しお)少許(すこしばかり)入て、搗和(つきまぜ)て傳(つく)べし <中巻42丁>
広恵済急方の植物画像

   (原文)

   (訳文)
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関連情報新訂和漢薬
参考文献CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 140-142.
L1) 官準 広恵済急方.
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2) pp. 382, 383, 531, 532..
L3) 新訂 和漢薬.
備考中国には商陸の異物同名品が多い.
Ipomoea digitata L., ヒルガオ科/Convolvulaceae: 福建省の一部で栽培し,その根を商陸として出荷する.広西省では野商陸と称す.
Melastoma normale D. Don, ノボタン科/Melastomataceae: 四川省楽山専区でこの根の斜切片を商陸と称して出荷する.また Osbeckia crinita Benth. の根も混用される.これらのものには行気,活血,清熱の効があり,正條品商陸と薬効が異なる.
Gypsophila dahurica Tur., ナデシコ科/Caryophyllaceae: 黒龍江省で商陸に充てる.
Gypsophila oldhamiana Miq.: 山西,遼寧,内蒙古,湖北省などで商陸とする.
Gypsophila pacifica Komar. : 東北地区で商陸とする.
これら Gypsophila属のものは本来 「山銀柴胡」 と称すべきものである.
Anisodus tangutica Maxim., ナス科/Solanaceae: かつてこれの根を青海省で商陸と称し出荷し,アトロピン中毒を引き起こしたことがある.本品の土名章柳神と商陸の別名章柳根を誤って混同したためである.
Costus speciosus (Koenig) Smith, ショウガ科/Zingiberaceae: 広東省でこの根茎を商陸と称す.
更新日2022/01/26