資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称ハッカ
正式名称薄荷
日本語読みはっか, Hakka
現地読みHakka
ラテン名Menthae Herba (JP), Menthae Haplocalycis Herba (CP)
英語名Mentha Herb (JP), Peppermint (CP)
原植物名Mentha arvensis L. var piperascens Malinv., ハッカ
原植物科名Labiatae, シソ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類地上部
入手先情報日本, 大阪府, ㈱栃本天海堂
入手年月日1988/09/22
TMPW No9844

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
産地情報
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
34.6937378
135.50216509999996
入手先情報
日本,大阪府
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名薄荷, Bohe, Menthae Herba (JP18), Menthae Haplocalycis Herba (CP2020), Mentha Herb (JP18), Peppermint (CP2020)
生薬異名蘇薄荷 (Subohe)
生薬画像
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原植物名Mentha arvensis Linn. var. piperascens Malinvaud1, Mentha haplocalyx Briquet2, 日本産: ハッカ1, 中国産: コーンミント2
原植物画像
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原植物科名Labiatae, シソ科
薬用部位地上部
選品葉の青味が強く,香気の強いものが良品(TN).
公定書日局18,薬典(2020)
臨床応用芳香性健胃,駆風薬,頭痛,目まい,咽頭痛,瘰癧,心腹脹満などに応用する.多くはl-menthol(防腐,局所麻酔),ハッカ油,ハッカ水などの製造原料とする.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類辛涼解表薬
薬効[性味] 辛,涼.
[帰経] 肺、肝経.
[効能] 疏散風熱,清利頭目,利咽,透疹,疏肝行気.
[主治] 風熱感冒,風温初起,頭痛,目赤,喉痺,口瘡,風疹,麻疹,胸脇脹悶に用いる.
成分情報モノテルペノイド Monoterpenoids
(*C1):
l-Menthol(精油約1%の70~90%), l-Menthone, 1,8-Cineole, Isomenthone, d-Neomenthol, alpha-Pinene, Camphene, Menthenone, l-Limonene, Piperitone, Piperitenone, Pulegone

セスキテルペノイド Sesquiterpenoids
(*C1):
beta-Caryophyllene, Germacrene-D

成分 構造式

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薬理作用中枢抑制,血管拡張,皮膚刺激,鎮痙作用(精油).局所刺激,局所麻酔,鎮痙,駆風,利胆,駆虫作用(menthol).
DNA配列Z37420, U28876; 伝統医薬データベース.
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症発熱, 悪寒, 頭痛, 無汗, 咽喉の腫脹疼痛, 目の充血, 麻疹, 掻痒, 胸脇が張って痛む, 腹満, 腹痛, 嘔吐, 下痢
方剤加減涼膈散, 加減涼膈散一方, 加味逍遥散, 加味逍遥散合四物湯, 響声破笛丸, 荊芥連翹湯[一貫堂], 香芎湯, 柴胡清肝散, 滋陰至宝湯, 瀉胃湯, 逍遥散, 清胃瀉火湯, 清咽利膈湯, 清上防風湯, 清涼飲, 洗肝明目湯, 川芎茶調散, 知母茯苓湯, 内疎黄連湯, 八味逍遥散, 防風通聖散, 龍胆瀉肝湯 [一貫堂], 涼膈散
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

3. 外傷の類: 怪我や蟲獣(むし、けだもの)に咬まれる等の外傷
└ 3-10. 諸蟲咬傷
: 諸々の虫に刺される/咬まれる
 └ 蜂蠍螫傷: 蜂やサソリに螫傷(さしやぶら)れる
【用法】薄荷葉もみて封(つく)べし <中巻76丁>

3. 外傷の類: 怪我や蟲獣(むし、けだもの)に咬まれる等の外傷
└ 3-11. 諸獣囓傷
: 獣に噛まれる
 └ 猫咬: 猫に咬(かまれ)たる
【用法】薄荷を搗きて汁を取て、傷處に塗べし <中巻87丁>

10. 小児急証: 小児の急病
└ 10-2. 撮口
: ほうづきむし(新生児の臍破傷風/臍腫脹)
 └ 撮口: 其の初め、何事なく啼(なき)て、漸々面色黄赤(ぜんぜんめんしょくきばみあかく)、気促(いきあらく)、啼聲(なきこえ)出ず、舌強(したこわり)て、唇青く、口を撮(つぐみ)て嚢(ふくろ)の口をよせたるが如く、乳を吮わず、或は白き沫を吐、手足冷ゆるは最悪証なり、凡此の証一蝋(ひとしちや)の内に見(あらわ)るれば、十に一生なし 
【用法】小兒の歯齦上を看べし、小泡子(ちいさくふくれたるできもの)ありて其状粟米(あわつぶ)のことくなるべし、急に鍼を以て挑(つけ)て悪血を出すべし、其あとへ薄荷生ならば搗絞りて汁を取り、乾きたるは煎じたる汁にて好墨(よきすずりすみ)を磨(すり)、其兒の母の頭髪少許(すこしばかり)取て、手の指を裹(つつみ)て、件の墨にひたし、口内に擦(すりつけ)べし、後一時程の間乳をのましむべからず <下巻83丁>

10. 小児急証: 小児の急病
└ 10-5. 初生丹毒
:新生児の丹毒
【疾患注釈】初生小兒(うまれたちのしょうに)遍身(そうみ)むらむらと赤くなることあり、是を丹毒とい(俗にはやくさと言)此毒腹に入ば死す 
【用法】緑豆粉二匁半、大黄一匁、生薄荷の汁、少し許に匂(まぜあわせ)て塗べし <下巻87丁>

10. 小児急証: 小児の急病
└ 10-7. 驚風
: 新生児のひきつけ
 └ 急驚風: 牙歯をくひしめ、竄視(うえをみつめ)、手足搐搦(びくつき)、或は反張(そりかえり)、或は壮熱(ねつつよく)、或は熱なくて此の証を発する者あり、且大抵此証を発するときは、わっと叫ぶ聲をあげて目を引きつくる者あり、しかしながら初めより壮熱(ねつつよく)ありてうとうと昏睡(ねむり)、聲をあげずに惟(ただ)手足搐搦(びくびく)して、後に引きつくるもあり、此を急驚風というなり 
【用法】涎潮(たんじょう)甚しきは、鐡粉(やすりこなり)辰砂よくませて薄荷に煎汁にて灌(そそぎ)のませてよし <下巻90丁>
広恵済急方の植物画像

   (原文)

   (訳文)
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関連情報新訂和漢薬
同類生薬セイヨウハッカ葉(ペパーミント・リーフ),ミドリハッカ葉(スペアミント・リーフ)
参考文献JP18: 第18改正日本薬局方.
CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp 42-43.
L1) 官準 広恵済急方
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2) pp. 741, 806.
L3) 新訂 和漢薬
備考- セイヨウハッカ Mentha piperita L. は ミドリハッカ Mentha spicata L. と ウォーターミント Mentha aquatica L. の自然雑種で,世界各地で商業用,園芸用に栽培されている.その葉は代表的なヨーロッパ生薬でセイヨウハッカ葉 (Menthae Piperitae Folium) またはペパーミント・リーフと称し,鎮痙,駆風,利胆薬として胃炎や腸炎,胃腸の疝痛,鼓腸,慢性胆のう病などに応用される.これから得られた精油 (0.5-4%:ペパーミント油) は薄荷から得られた精油よりメントールが少なく,味,香りともに勝るとされる.セイヨウハッカ葉にはmenthofuranが含まれるが,薄荷にはあっても痕跡程度であり,この成分により両者は区別することができる.
- ミドリハッカ葉 (Menthae Crispae Folium) は健胃,駆風薬とされ,これから得られた精油 (0.8%-2.5%:スペアミント油) はペパーミント油と同様うがい薬や菓子類に広く用いられる.この精油の約50%はcarvoneでありmentholは含まれない.
- ハッカはヨーロッパのセイヨウハッカの利用が東漸して中国に伝わり,用いだしたものと考えられている.ハッカはハッカ油 (Oleum Menthae Japonicae) をとるため,北海道で多く栽培されている.
更新日2022/10/28