資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称細辛
正式名称細辛
日本語読みさいしん, Saishin
現地読みXixin
ラテン名Asiasari Radix (JP), Asari Radix et Rhizoma (CP)
英語名Asiasarum Root (JP), Manchurian Wildginger Root (CP)
原植物名Asiasarum sieboldii F. Maekawa, ウスバサイシン
原植物科名Aristolochiaceae, ウマノスズクサ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類根+根茎
入手先情報中華人民共和国, 陝西省西安, 西安薬市
入手年月日1994/05/11
蒐集者小松かつ子, 他
TMPW No13920

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
産地情報
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
34.341574
108.93976999999995
入手先情報
中華人民共和国,陝西省西安
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名細辛, Xixin, Asiasari Radix (JP18), Asari Radix et Rhizoma (CP2020) , Asiasarum Root (JP18), Manchurian Wildginger Root (CP2020)
生薬異名華細辛, 北細辛, 漢城細辛, 遼細辛
生薬画像
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原植物名Asiasarum heterotropoides F. Maekawa var. mandshuricum F. Maekawa1, Asiasarum sieboldii F. Maekawa2, ケイリンサイシン1, ウスバサイシン2
原植物画像
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原植物科名Aristolochiaceae, ウマノスズクサ科
薬用部位根及び根茎
選品香りおよび辛味の強いものが良品(TN).
公定書日局18,薬典(2020)
臨床応用鎮咳,去痰,鎮静,鎮痛,新陳代謝機能促進薬として,慢性気管支炎,気管支拡張症など希薄な痰がでる咳嗽,咳が頻発し頭痛,胸満,胸痛するものに応用する.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類温裏薬
薬効[性味] 辛,温.
[帰経] 心,肺,腎経.
[効能] 解表散寒,去風止痛,通竅,温肺化飲.
[主治] 風寒感冒,頭痛,歯痛,鼻塞流涕,鼻塞,鼻淵,風湿痺痛,痰飲喘咳に応用する.
成分情報脂肪酸 Fatty acids
A. heterotropoides var. seoulense (*C1):
Parmitic acid

モノテルペノイド Monoterpenoids
A. sieboldii (*C1):
Eucarvone, Limonene, 1,8-Cineole, 3-Caren-2-on-5-ol, 2-Epoxycaran-2-on-3-ol
A. heterotropoides var. seoulense (*C1):
l-beta-Pinene, Eucarvone

フェニルプロパノイド Phenylpropanoids
A. sieboldii (*C1):
Methyleugenol, Elemicin
A. heterotropoides var. seoulense (*C1):
Methyleugenol, Safrole, Kakuol
A. heterotropoides var. mandshuricum (*C1):
Kakuol

リグナンとネオリグナン Lignans & Neolignans
A. sieboldii (*C1):
l-Asarinin
A. heterotropoides var. seoulense (*C1):
l-Sesamin
(*C2):
Asatone

イソキノリンアルカロイド Isoquinoline alkaloids
A. heterotropoides var. mandshuricum (*C1):
Higenamine

カプサイシン類 Capsaicins
A. heterotropoides var. mandshuricum (*C1):
Pellitorine, 2E,4E,8Z,10E,-N-Isobutyl-2,4,8,10-dodecatetraenamide, 2E,4E,8Z,10Z-N-Isobutyl-2,4,8,10-dodecatetraenamide

成分 構造式



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薬理作用抗アレルギー,抗ヒスタミン(水性エキス),鎮静,解熱,鎮痛(精油).
DNA配列AF061499, AF061500, AF061501, AF061502; 伝統医薬データベース.
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます  訳文画像を表示
適応症咳嗽, 慢性気管支炎, 気管支拡張症, 頭痛, 鼻閉, 副鼻腔炎, 呼吸困難, 身体痛, 関節の腫脹・疼痛, 歯痛, 悪寒, 感冒
方剤加減瀉白散, 駆風触痛湯, 桂姜棗草黄辛附湯, 桂枝去芍薬加麻黄附子細辛湯, 厚朴麻黄湯, 三黄湯, 芍甘黄辛附湯, 謝導人大黄湯, 小青竜湯, 小青竜加石膏湯, 小青竜合麻杏甘石湯, 辛夷散, 清上蠲痛湯, 赤丸料(桂皮), 赤丸料(半夏), 大黄附子湯, 大三五七散, 当帰四逆湯, 当帰四逆加呉茱萸生姜湯, 独活寄生湯, 麻黄附子細辛湯, 明朗飲, 射干麻黄湯, 立効散, 苓甘姜味辛夏湯, 苓甘姜味辛夏仁湯, 苓甘姜味辛夏仁黄湯, 苓甘五味姜辛湯
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類
└ 1-1. 中風
: 気を失い半身・手脚きかず、目・口ゆがむ病態。閉証(実証)と脱証(虚証)の二証がある
閉証(実証)病状: 卒に倒れ、気を失い、人をしらず、歯を食いしめ、拳を握り、痰を吐くように喘息し、眼口歪み、半身不随、眼を見つめ、或は上目遣いでいるのは中風の閉証である
【疾患注釈】凡(おおよそ)卒倒れて口ひらき、手撤(ひらき)、眼を合(ねむり)大便又は小便をもらし、鼻聲鼾(いびき)の如くなるは脱証にて虚候とす、別に療法あり、後條に載たり、実証にも目瞑(ねむり)、大小便をもらす者ありといえども、其口噤手を握るを以て実候とす、虚候は口も手もともに開く、是其証候おのずから同じからざる所なり、若視あやまつときは、療法も亦大に誤る心を用いて診すべし
【用法】暖かい場所で介抱する。皀莢細辛を等分の粉末とし、鼻の穴に吹き入れてクシャミをださせる <上巻2丁>
関連情報新訂和漢薬
同類生薬土細辛 (杜衡)(「備考」参照)
参考文献JP18: 第18改正日本薬局方.
CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp 14-15.
C2) 生薬学概論, pp 298-299.
L1) 官準 広恵済急方.
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2).
L3) 新訂 和漢薬 pp. 499-501.
備考- 中国産(Asiasarum heterotropoides var. mandshuricum ケイリンサイシン等)及び朝鮮半島産(A. heterotropoides var. seoulense F. Maekawa ウスゲサイシン)の細辛は根つきの全草からなる.
- 日本薬局方サイシンは Asiasarum heterotropoides var. mandshuricum ケイリンサイシンまたは A. sieboldii ウスバサイシンの根及び根茎と規定されている.根及び根茎にはアリストロキア酸は含まれていないが,地上部にはアリストロキア酸が含まれる.アリストロキア酸は腎障害を引き起こすことが知られている.なお「土細辛」は A. kooyanum Makino var. nipponicum (F. Maekawa) Kitam. カンアオイの類である.
更新日2022/07/28