資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称冬芥子
正式名称冬葵子
日本語読みとうきし, Tōkishi
現地読みDongkyuja
ラテン名Abutili Semen (CP)
英語名Chingma Abutilon Seed (CP)
原植物名Abutilon theophrasti Medic., イチビ
原植物科名Malvaceae, アオイ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類種子
入手先情報大韓民国(韓国), 大邱, 昌信堂漢薬房
入手年月日1973/09/00
TMPW No2159

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
産地情報
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
35.8714354
128.601445
入手先情報
大韓民国(韓国),大邱
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名冬葵子, Dongkuizi, Abutili Semen (CP2020), Chingma Abutilon Seed (CP2020)
生薬異名莔麻(ぼう麻)
生薬画像
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原植物名Abutilon theophrasti Medicus, イチビ
原植物画像
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原植物科名Malvaceae, アオイ科
薬用部位種子
公定書薬典(2020) "苘麻子"
臨床応用利尿,緩下,催乳薬として,小便不利,便秘,水腫,淋病および乳汁の分泌促進に応用する.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類利水滲湿薬
薬効[性味] 苦,平.
[帰経] 大腸、小腸、膀胱経.
[効能] 清熱解毒,利湿,退翳.
[主治] 赤白痢疾,淋証渋痛,癰腫瘡毒,目生翳膜に用いる.
成分情報脂肪酸関連化合物 Fatty acids related compounds
(*C1):
脂肪油を含むが詳細は不明
Fat oil is contained, but details are not clear.

薬理作用未詳.
適応症小便不利, 乳汁分泌不全, 便秘, 水腫, 淋疾
方剤希有処方に配合
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

5. 諸物入九竅: 諸物が身体の竅に入る類
└ 5-3. 誤呑銅鉄物
: 誤って銅(あかがね)、鉄(てつ)のものを呑む
【用法】冬葵の絞汁を其侭(そのまま)多飲みてよし <下巻24丁>

6. 諸物中毒: 諸毒にあたる類
└ 6-2. 中諸穀菜毒
: 穀類や野菜の毒にあたる
 └ 中山椒毒: 山椒の毒にあたる
【用法】冬葵の根を掘採、洗浄(あらいきよめ)て嚥下(かみくだし)て良 <下巻48丁>

8. 臨産急証: 出産に関する急病
└ 8-1. 難産

 └ 胞衣不下(えなおりざる): 兒生下時(こうまれるとき)、看生人(かいほうにん)産母の胸前をしかと抱き、産婦も亦自分にて肚腹を緊(きびしく)抱くべし、胞衣下る 
【用法】牛膝二匁、冬葵子一匁、水に煎じ服す <下巻74丁>
広恵済急方の植物画像

  (原文)

  (訳文)
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関連情報新訂 和漢薬
参考文献CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 325-326.
L1) 官準 広恵済急方.
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2) pp. 625, 778.
L3) 新訂 和漢薬.
備考シマイチビ Abutilon indicum Sweet の種子も用いられる可能性がある.四川省では 「苘麻子」 ,山西省では 「葵子」 と称する.本植物はインドでは古くから,種子のみでなく,葉,茎,根も薬用としている.
古来冬葵子はアオイ科(Malvaceae)のフユアオイ Malva verticillata L. の種子を正條品とすべきである.しかし,今日市場の冬葵子は Malva属のものではなく,すべてイチビ A. theophrasti の種子である.この植物は,「莔麻(ぼう麻)」と称し『新修本草』に「苘実」として初めて収載されたもので,以来本種の種子が用いられている.今後この「苘麻子」が「冬葵子」の代用となりうるかどうかは研究すべき課題である.中華人民共和国薬典(2020)には「苘麻子」として A. theophrasti の種子が収載されている.
更新日2022/02/01