資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称根朴
正式名称厚朴
日本語読みこんぼく, Komboku; こうぼく, Kōboku
現地読みHoupo
ラテン名Magnoliae Officinalis Cortex (CP)
英語名Officinal Magnolia Bark (CP)
原植物名Magnolia officinalis Rehder et Wilson, カラホオ
原植物科名Magnoliaceae, モクレン科
薬用部位分類植物性生薬
細分類根皮
産地情報中華人民共和国, 上海
入手先情報香港, 東信貿易公司
入手年月日1977/11/18
TMPW No2395

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
31.2303904
121.47370209999997
産地情報
中華人民共和国,上海
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
入手先情報
香港
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名厚朴, Houpo, Magnoliae Cortex (JP18), Magnoliae Officinalis Cortex (CP2020), Magnolia Bark (JP18), Officinal Magnolia Bark (CP2020)
生薬画像
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原植物名Magnolia obovata Thunberg1 (= Magnolia hypoleuca Siebold et Zuccarini), Magnolia officinalis Rehder et E. H. Wilson or Magnolia officinalis Rehder et E. H. Wilson var. biloba Rehder et E. H. Wilson, ホオノキ1
原植物画像
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原植物科名Magnoliaceae, モクレン科
薬用部位幹及び枝の樹皮
選品外部は紫黒色で,内面に縦紋があり,皮は極めて厚く質は緻密で,少し苦味を覚えるような新しい物が良い(NI)
公定書日局18,薬典(2020)
臨床応用鎮痙,鎮痛,健胃,収斂,去痰,利尿薬として,胸腹部の膨満感,腹痛,喘咳などに応用する.また,不安,精神緊張などを伴う骨格筋の異常緊張状態にも適応する.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類芳香化湿薬
薬効[性味] 苦、辛,温.
[帰経] 脾、胃、肺、大腸経.
[効能] 燥湿消痰,下気除満.
[主治] 湿滞傷中,脘痞吐瀉,食積気滞,腹脹便秘,痰飲喘咳に用いる.
成分情報モノテルペノイド Monoterpenoids
M. obovata (*C1):
alpha-Pinene, beta-Pinene, Camphene, Limonene, Bornyl acetate

セスキテルペノイド Sesquiterpenoids
M. obovata (*C1):
alpha-Eudesmol, beta-Eudesmol(= Machilol), gamma-Eudesmol, Cryptomeridiol, Eudesobovatol A, Eudesobovatol B, Caryophyllene epoxide
M. officinalis (*C1):
beta-Eudesmol

フェニルプロパノイド Phenylpropanoids
M. obovata (*C1):
Magnolo l(= bis-Chavicol), Honokiol, Magnoloside A, Magnoloside B, Magnoloside C
M. officinalis (*C1):
Magnolol, Honokiol
M. officinalis, M. obovata (*C3,C4,C5):
Magnolol, Honokiol, 以下代謝物 / the followings are the metabolites Tetrahydromagnolol, 5-(1-Propen-1(E)-yl)-5'-propyl-2,2'-dihydroxybiphenyl, 5-Allyl-5'-(1-propen-1(E)-yl)-2,2'-dihydroxybiphenyl, Isomagnolol, 5-Allyl-5'-propyl-2,2'-dihydroxybiphenyl
(*C6):
Magnolol
M. obovata 葉/leaf (*C2):
Obovatal, Obovatol

イソキノリンアルカロイド Isoquinoline alkaloids
M. obovata, M. officinalis (*C1):
Magnocurarine, Magnoflorine, Michelalbine, Anonaine, Liriodenine, Salicifoline chloride
M. officinalis, M. obovata (*C5):
Magnocurarine, Magnoflorine

成分 構造式




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薬理作用筋弛緩(水エキス).鎮静,正向反射抑制,脊髄反射抑制,抗痙攣・振戦(エーテルエキス).神経筋接合部遮断,一過性血糖降下(magnocurarine).鎮静,中枢性筋弛緩,殺むし歯 (magnolon,honokiol),抗菌・殺虫,抗パーキンソン(magnolol).
DNA配列AB020999, AB021013, AB021000; 伝統医薬データベース.
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます  訳文画像を表示
適応症腹満, 腹痛, 便秘, 下痢, 咳嗽, 呼吸困難
方剤安産湯, 胃苓湯, 茵蔯散, 温脾湯, 加減胃苓湯, 藿香正気散, 加味承気湯, 加味平胃散, 寛中湯, 九味檳榔湯, 桂枝加厚朴杏仁湯, 合壁飲, 厚朴三物湯, 厚朴七物湯, 厚朴生姜半夏甘草人参湯, 厚朴麻黄湯, 香朴湯, 五積散, 柴胡厚朴湯, 柴朴湯, 紫蘇子湯, 実脾湯, 芍薬湯加大黄, 瀉脾湯, 瀉脾湯加龍骨牡蠣, 十六味流気飲, 潤腸湯, 小柴胡合半夏厚朴湯, 小承気湯, 椒梅湯, 消痞湯, 腎炎一方, 神秘湯, 喘四君子湯, 蘇子降気湯, 大承気湯, 治喘一方, 丁香柿蔕湯, 通導散, 当帰湯, 半夏厚朴湯, 不換金正気散料, 分消湯, 平胃散, 補気建中湯, 補中治湿湯, 中正湯, 当帰養血湯, 内托散 [回春], 内托散 [千金], 半夏厚朴七物湯, 檳榔順気湯, 回春茵蔯散, 香砂養胃湯
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類
└ 1-10.霍乱
: 驕(この)病乾湿の二つあり、湿霍乱は吐瀉(はきくだ)して腹痛甚しきなり、乾霍乱は吐もせず瀉(くだし)もせず惟(ただ)心腹纒続大(むねはらしぼるごとくいたみ)に苦悶(くるしむ)を言なり 何れも危急なる証にて種々の変化一條に載がたし、療法も亦変化あり 
 └ 乾霍乱: 忽然(たちまち)心下(むなさき)つかえかたく腹肚(はら)はりしぼるように痛堪がたく漸々に煩躁擾亂(もがきさわぎ)、吐んとして吐ず、瀉(くだ)さんとして瀉さず、手足逆冷(ひえあがり)冷汗出、胸膈(むね)かたく起(おこ)りふさがり、頃刻(しばらくのうち)に命危証なり 
【疾患注釈】中脘以下小腹へかけ、絞るが如く痛甚、是を按ば中脘より下腹の方に塊ある 
【用法】厚朴生姜の汁に付炙、研末となし、白湯にてニ匁許を用ゆ 類は厚朴刻、炙、煎、汁を入拌(かきまぜ)用う、或は肉桂枳実をくわう <上巻48丁>

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-9. 心腹卒痛
: 心腹(むねはら)突然痛くなる
 └ 熱痛: 暴(にわか)に痛み、暴に止みて、復作(またおこ)り、痛む所へ手を近(ちかく)くことを嫌い、或は面赤く、掌中熱く、或は身に熱あり或は大便鞭(かた)く、或は不通(つうぜず)或は瀉(くだる)者あり、瀉様は先ず痛み一陣(ひとしきり)、大便臭きは是熱の痛みなり 
【用法】黄芩厚朴と同じく煎じ服す <中巻34丁>
関連情報新訂和漢薬
同類生薬厚朴花
参考文献JP18: 第18改正日本薬局方.
CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp 145-147.
C2) Chem.Pharm.Bull.,30,3347(1982).
C3) Chem.Pharm.Bull.,32,5010(1984).
C4) Chem.Pharm.Bull.,34,158(1986).
C5) 和漢医薬学会誌,3,129(1986).
C6) Shoyakugaku Zasshi,42,130(1988).
L1) 官準 広恵済急方
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2)
L3) 新訂 和漢薬
備考『日本薬局方』では3種の樹皮が規定され,magnolol を 0.8%以上含むこととされる.『中華人民共和国薬典』では厚朴(Magnoliae Officinalis Cortex)として M. officinalis の樹皮(川朴,湖北厚朴などと称す)と M. officinalis var. biloba(温朴,温州厚朴)の樹皮が規定される.樹皮(幹皮,枝皮)の他,根皮も用いられる.日本市場では中国産の厚朴を唐厚朴と総称する.韓国産はホオノキの樹皮以外に,クスノキ科のタブノキ Machilus thunbergii Sieb. et Zucc. の樹皮を「厚朴(薄朴)」と称し代用にすることがあるが,気味が全く異なる.
更新日2023/12/06