資料館生薬データベース

※画像をクリックすると、拡大して表示されます。
生薬名

入手時名称トウニン(山桃仁) [NIB-294]
正式名称桃仁
日本語読みとうにん, Tōnin
現地読みTaoren
ラテン名Persicae Semen (JP), (CP)
英語名Peach Kernel (JP), Peach Seed (CP)
原植物名Prunus sp.
原植物科名Rosaceae, バラ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類種仁
産地情報中華人民共和国, 四川省
入手先情報日本, 茨城県, 国立研究開発法人医薬基盤健康栄養研究所
入手年月日2012/5/30
蒐集者小松かつ子
備考【厚生労働科学研究検討用試料】[NIB-294] 生, 入手年: 2008, 山88-3546, 送付日: 2012/05/30
TMPW No29288

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
30.572815
104.06680099999994
産地情報
中華人民共和国,四川省
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
36.3418112
140.4467935
入手先情報
日本,茨城県
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名桃仁, Taoren, Persicae Semen (JP18, CP2020), Peach Kernel (JP18), Peach Seed (CP2020)
生薬異名小桃仁, 大扁桃仁, 大桃仁
生薬画像
More
※画像をクリックすると、拡大して表示されます。
原植物名Prunus persica Batsch1, Prunus persica Batsch var. davidiana Maximowicz2 (= P. davidiana (Carr.) Franch.), モモ1, ノモモ2
原植物画像
※画像をクリックすると、拡大して表示されます。
原植物科名Rosaceae, バラ科
薬用部位成熟した種子
選品よく肥大し,外皮が褐色,内部が白色を呈するものが良い.一般に外皮を除いたものを良品とする(TN).
公定書日局18,薬典(2020)
臨床応用消炎性駆瘀血薬として,下腹部の満痛,腹部の血液の停滞,月経不順などに応用される.また民間では桃葉を腹痛,下痢に多く用いる.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類活血去瘀薬
薬効[性味] 苦、甘,平.
[帰経] 心、肝、大腸経.
[効能] 活血去瘀,潤腸通便,止咳平喘.
[主治] 経閉痛経,癥瘕痞塊,肺癰腸癰,打撲損傷,腸燥便秘,咳嗽気喘に用いる.
成分情報脂質 Lipids
(*C1):
Oleic acid, Palmitic acid, Stearic acid のグリセライド [glyceride]

トリテルペノイド Triterpenoids
(*C2):
24-Methylenecycloartanol, Δ7-Avenasterol, Citrostadienol

ペプチド Peptide
(*C1):
Emulsin

青酸化合物 Cyanogenic compounds
(*C1):
Amygdalin
(*C2):
Prunasin

成分 構造式


※画像をクリックすると、拡大して表示されます。
薬理作用皮膚温上昇,抗アレルギー(水エキス,アルコールエキス)
DNA配列AF179562, L28749; 伝統医薬データベース.
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症無月経, 月経痛, 腹腔内腫瘤, 産後瘀阻, 下腹痛, 打撲外傷による腫脹・疼痛, 虫垂炎, 便秘, 咳嗽
方剤葦茎湯, 葦茎合四順湯, 瓜子仁湯, 活血散瘀湯, 桂枝茯苓丸, 鶏鳴散 [千金], 牛膝散, 柴胡疎肝湯, 潤腸湯, 舒筋立安散, 秦艽防風湯, 折衝飲, 疎経活血湯, 大黄牡丹皮湯, 腸廱湯, 腸廱湯加芍薬, 桃核承気湯, 当帰鬚散, 桃仁湯, 謄龍湯, 破棺湯, 八味疝気方, 牡丹皮散, 薏苡仁湯 [外科正宗], 桃仁湯
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-9. 心腹卒痛
: 心腹(むねはら)突然痛くなる
 └ 瘀血痛: 心痛(むねいたみ)、湯水を飲て嚥下(のみくだせ)ば、必吃逆(しゃっくり)をなすは瘀血(わるち)とす、腹痛一処(ひとところ)にて他所へいつまでも移ず、動かざるは瘀血(わるち)なり 
【用法】桃仁二匁許(ばかり)煎じ服す <中巻35丁>
関連情報新訂和漢薬
同類生薬杏仁
参考文献JP18: 第18改正日本薬局方.
CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 272-273.
C2) 生薬学概論, pp 290-291.
L1) 官準 広恵済急方
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2)
L3) 新訂 和漢薬
備考大塚敬節先生は「桃仁,杏仁ともに消炎,解毒,鎮痛,滋潤の薬効があるが,杏仁は主に上焦に用い,即ち上半身の病いを治す.桃仁は主に下焦に用い,即ち下半身の病を治す.桃仁は行血で,杏仁は行気および水である」と論じている.
更新日2021/09/27