資料館生薬データベース
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産地情報
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
24.880095
102.83289100000002
入手先情報
中華人民共和国,雲南省昆明
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png
学術情報データベース
一般生薬名 | 芥子, Jiezi, Sinapis Semen (CP2020), Mustard Seed (CP2020) | |||||
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生薬異名 | 白芥子, 黄芥子 | |||||
生薬画像 |
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原植物名 | 白芥子<White Mustard Seed>: Brassica alba (L.) Boiss. (= Brassica hirta Moench)1;黄芥子<Yellow Mustard Seed>: Brassica juncea Coss. (= B. juncea Czern.)2, シロガラシ1, カラシ2 | |||||
原植物画像 |
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原植物科名 | Brassicaceae, アブラナ科 | |||||
薬用部位 | 種子 | |||||
選品 | 噛んで辛味の強いものほど良品(TN).白芥子が品質が良いとされる. | |||||
公定書 | 薬典(2020) | |||||
臨床応用 | 刺激,引赤,去痰薬として芥子泥(脱脂カラシと水を混ぜてねったもの)を神経痛,肺炎などの局所に貼付外用する.その他,香辛料,揮発芥子油の原料などに多く用いられる. | |||||
医学体系 | 中国医学 | |||||
伝統医学的薬効 | 分類 | 化痰薬 | ||||
薬効 | [性味] 辛,温. [帰経] 肺経. [効能] 温肺豁痰利気,散結通絡止痛. [主治] 寒痰咳嗽,胸脇脹痛,痰滞経絡,関節麻木、疼痛,痰湿流注,陰疽腫毒に用いる. | |||||
成分情報 | 脂肪酸 Fatty acids (*C2): 脂肪油/fatty oil 30~35%: Erucic acid, Arachidic acid, Linolenic acid フェニルプロパノイド Phenylpropanoids B. juncea (*C1,C2): Sinapic acid, Sinapine, グリコシノレート Glucosinolate B. hirta (*C1): Sinalbin 2.5~5%.(酵素 myrosinase により p-Hydroxybenzoyl isothiocyanateを生成) B. juncea (*C1): Sinigrin(酵素 myrosinase により Allyl isothiocyanate を生成) B. nigra (*C1): Sinigrin 1~2.5% (同上) その他 Others B. juncea (*C1,C2): Myrosinase | |||||
成分 構造式 |
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薬理作用 | 皮膚と粘膜に対する刺激作用(芥子油). | |||||
DNA配列 | AF264734, AF267640, M88342, AF128093, AF128094, D10840, X05060 | |||||
証類本草(中国古典) | ※画像をクリックすると本文の画像が表示されます | |||||
適応症 | 神経痛, 肺炎, 痰, 咳嗽, 関節の腫脹・疼痛 | |||||
方剤 | 清湿化痰湯, 肺癰湯 | |||||
広恵済急方(日本古典) Tips! | 1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類 └ 1-10.霍乱: 驕(この)病乾湿の二つあり、湿霍乱は吐瀉(はきくだ)して腹痛甚しきなり、乾霍乱は吐もせず瀉(くだし)もせず惟(ただ)心腹纒続大(むねはらしぼるごとくいたみ)に苦悶(くるしむ)を言なり 何れも危急なる証にて種々の変化一條に載がたし、療法も亦変化あり └ 湿霍乱: 病発(びょうはつ)に頭痛痃痺(めまい)ある者あり、又頭痛痃痺なく初より先吐して後に瀉(くだす)者あり、先瀉して後に吐するあり、吐瀉の前より腹痛甚しきあり、吐瀉ありて後に腹痛甚しきあり、何れも腹中ひきしめ痛まざるはなし、扨吐して吐やまず、瀉して瀉やまず、或は吐瀉ともにやまず、湯も薬も口に入らず、或は口乾て水を飲んとし、或は悪寒甚しく、或は熱を発し、喘急(いきづかいせわ)しく手足共に厥冷(ひえあがり)戦掉(ふるえ)、軽きは両脚轉筋(すじひきつめ)重きは惣身(そうみの)轉筋(すじひきつめ)、冷汗出脣(くちびる)舌動かず漸々(ぜんぜん)に昏(つかれ)倦(むちゅうに)なるなり 【疾患注釈】嘔吐并乾嘔不已: 嘔吐ならびにからえたきやまざる 【用法】芥子つきて末となし、糊にまぜ紙に攤(の)べ臍中に貼べし、吐不已(はきやまざる)は巨闕の穴に灸すべし、しゃっくりやまざるは大陵の穴に灸すべし 熨薬は前に同じ <上巻37丁> 4. 横死の類: 病死以外の死 └ 4-5. 凍死 【用法】寒気に中(あた)りたるに湯にて芥子をねり、臍の内へ填(つめ)、衣類をかけ置き、手ぬぐいを熱湯に浸絞りて、其芥の上をしかと押温べし、冷えれば取かえ温めてよし <下巻15丁> | |||||
関連情報 | 新訂和漢薬 | |||||
同類生薬 | 黒芥子. | |||||
参考文献 | CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) . C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 232-233. C2) 生薬学概論, p 293. L1) 官準 広恵済急方 L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2) L3) 新訂 和漢薬 | |||||
備考 | 芥子は第8改正日本薬局方(1971年)まで収載された.そこでは Brassica junceaおよびその品種の種子を規定している. 広義のカラシ B. juncea (n=18) はアブラナ B. rapa L.(n=10) とクロガラシ B. nigra (L.) W. D. J. Koch (n=8) が自然交雑してできた複2倍体種で,起源地は中近東や中央アジアだといわれている. 中国では芥子をとる狭義のカラシ (var. juncea)以外に辛味のある葉や茎を食用にするハカラシナ (var. integrifolia Sinskaya や var. multisecta L. H. Bailey),根を食用にするネカラシナ (var. megarrhiza Tsen et Lee),葉身の基部や葉柄が肥大したザーサイ(搾菜:var. tumida Tsen et Lee) などもつくられた. クロガラシは野菜用やカラシと同じ薬用に,中近東や地中海地方で栽培される.クロガラシの種子が黒芥子である. 証類本草27巻では,名医別録から収載されている「芥」ならびに開宝本草から収載された「白芥」があり,ここでは「芥」を採用した. | |||||
更新日 | 2021/09/27 | |||||