資料館生薬データベース

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生薬名

入手時名称側柏葉
正式名称側柏葉
日本語読みそくはくよう, Sokuhakuyō
現地読みCebaiye
ラテン名Platycladi Cacumen (CP), Thujae Orientalis Folium et Ramulus
英語名Chinese Arborvitae Twig and Leaf (CP)
原植物名Podocarpus annamiensis N. E. Gray (mixed with P. neriifolius D. Don)
原植物科名Podocarpaceae, マキ科
薬用部位分類植物性生薬
細分類
入手先情報香港, 永大行
入手年月日1974/12/25
備考生薬学雑誌, 41(3), 161-168(1987).
TMPW No3168

学術情報データベース

一般生薬名側柏葉, Cebaiye, Platycladi Cacumen (CP2020), Thujae Orientalis Folium et Ramulus, Chinese Arborvitae Twig and Leaf (CP2020)
生薬画像
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原植物名Thuja orientalis Linn. (= Platycladus orientalis (L.) Franco), コノテガシワ
原植物画像
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原植物科名Cupressaceae, ヒノキ科
薬用部位葉のついた枝
選品味が苦く,香気の高い青々とした新しいもの程良い(NI).
公定書薬典(2020)
臨床応用収斂,鎮痛,止血薬として,吐血,衂血,血便,血尿,血痢,崩漏等の失血症および風湿痺痛に応用する.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類止血薬
薬効[性味] 苦、渋,寒.
[帰経] 肺、肝、脾経.
[効能] 涼血止血,化痰止咳,生発烏発.
[主治] 吐血,衄血,喀血,便血,崩漏下血,肺熱咳嗽,血熱脱発,須発早白(若白髪)に用いる.
成分情報脂肪酸 Fatty acids
Chamaecyparis obtusa (*C1):
estolide型臘成分(leaves)

その他の脂肪族関連化合物 Other aliphatic and related compounds
T. ovientalis (*C1):
Juniperic acid, Sabinic acid (leaves)

モノテルペノイド Monoterpenoids
Chamaecyparis obtusa (*C1):
alpha-Pinene, Limonene, d-Bornylacetate, d-Terpinylacetate (leaves)
T. occidentalis (*C1):
alpha-Pinene, l-Fenchone, alpha-Thujone (leaves)

セスキテルペノイド Sesquiterpenoids
Chamaecyparis obtusa (*C1):
Sesquiterpene-alchol, Hinokiic acid (leaves)

フラバノンとジヒドロフラボノール Flavanones & Dihydroflavonols
T. ovientalis (*C1):
Taxifolin (wood)

タンニン Tannins
T. ovientalis (*C1):
Tannin (wood)

成分 構造式


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薬理作用未詳.
DNA配列AF152208
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症吐血, 鼻血, 喀血, 血便, 血尿, 出血性下痢, 下血
方剤希有処方に配合
広恵済急方(日本古典) 

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2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-1. 吐血
: 人忽(たちまち)血を吐(はく)なり 此証一様ならず故に七ケ條に分たり
 └ 虚損吐血: 其人いつとなく気怯(きつかれ)、形色憔悴(けしきやつれ)或は胸懐鬱然(こころもちおもしろからず)、飲食ともに風味なく、腹は饑(へり)ながら食することは不欲(いや)にて、且物に驚き易く、夜快寝ざる等の証、其以前にありて後に忽吐血者あり、又は其以前に数度嘔吐の証、或いは度々泄瀉の証有たる後に卒然吐血、或いは下血事有者あり、是を虚損吐血とす、血の色鮮紅かるべし 
【用法】人参焙り、側栢葉焙り荊芥穂黒焼にして、等分何れも末となし、飛羅麪(うどんのとびこ)少許(すこしばかり)を入、新汲水(くみたてのみず)にて和(よく)匂(まぜ)て、稀糊(うすのり)の如くして服す <中巻3丁>

3. 外傷の類: 怪我や蟲獣(むし、けだもの)に咬まれる等の外傷
└ 3-7. 湯盪火焼
: 火傷の類
【疾患注釈】湯火にて焼(やけ)どせるなり おおよそ湯火傷、冷水を淋(そそぐ)べからず、一旦は痛止むに似れども、火毒内攻して大(おおい)に害あり 
【用法】側栢葉実搗爛(つきつぶし)傳(つけ)てよし <中巻70丁>
広恵済急方の植物画像

   (原文)

   (訳文)
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関連情報新訂和漢薬
参考文献CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. Ⅱ, pp 89-91.
L1) 官準 広恵済急方.
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2) pp. 347, 525.
L3) 新訂 和漢薬.
備考側柏葉は輸入品がほとんどで,日本産側柏葉が出回ることは少ないが,しばしば ヒノキ Chamaecyparis obtusa (Sieb. et Zucc.) Endlicher の枝葉が混入される.香港市場の側柏葉はマキ科/Podocarpaceaeの Podocarpus annamiensis N. E. Gray の葉を主とする.その他,ヒノキ科の Cupressus funebris Endlicher の枝葉も側柏葉として用いられるとされる.
更新日2021/09/28