資料館生薬データベース

※画像をクリックすると、拡大して表示されます。
生薬名

入手時名称蒼耳子
正式名称蒼耳子
日本語読みそうじし, Sōjishi
現地読みCang'erzi
ラテン名Xanthii Fructus (CP)
英語名Siberian Cocklebur Fruit (CP)
原植物名Xanthium strumarium L., オナモミ
原植物科名Compositae, キク科
薬用部位分類植物性生薬
細分類成熟果実
入手先情報台湾, 嘉義市
入手年月日1971/00/00
蒐集者難波恒雄
TMPW No4070

首都、省都または行政区域代表地点(都道府県庁所在地など)を表示しています。  
産地情報
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_san.png
23.4800751
120.44911130000003
入手先情報
台湾,嘉義市
https://ethmed.toyama-wakan.net/img/pin_nyu.png

学術情報データベース

一般生薬名蒼耳子, Cang'erzi, Xanthii Fructus (Non-JPS2022, CP2020), Cocklebur Fruit (Non-JPS2022), Siberian Cocklebur Fruit (CP2020)
生薬画像
More
※画像をクリックすると、拡大して表示されます。
原植物名Xanthium strumarium Linn. subsp. sibiricum Greuter1 (Xanthium sibiricum Patrin ex Widder), Xanthium strumarium Linn.2, Xanthium orientale Linn.3, Xanthium orientale Linn. subsp. italicum Greuter4, オナモミ1, マルバオナモミ2, オオオナモミ3, イガオナモミ4, またはそれらの種間雑種
原植物画像
※画像をクリックすると、拡大して表示されます。
原植物科名Compositae, キク科
薬用部位成熟果実
公定書薬典(2020)
臨床応用解熱,発汗,鎮痙薬として,風寒頭痛,鼻炎,蓄膿,リウマチ,四肢拘攣などに応用し,またこれを搾った油は疥癬などの皮膚そう痒に用いる.
医学体系中国医学
伝統医学的薬効分類解表薬
薬効[性味] 辛、苦,温;有毒.
[帰経] 肺経.
[効能] 散風寒,通鼻竅,去風湿.
[主治] 風寒頭痛,鼻塞流涕,鼻塞,鼻渊,風疹痛痒,湿痺拘攣に用いる.
成分情報セスキテルペノイド Sesquiterpenoids
X. pensylvanicum (*C1):
xanthinin

その他 Others
X. strumarium (*C1):
サポニン,アルカロイドを含むといわれるが,詳細不明
Saponins and alkaloids are said to be contained, but not specified.

薬理作用未詳.
証類本草(中国古典)※画像をクリックすると本文の画像が表示されます
適応症頭痛, 蓄膿症, 慢性副鼻腔炎, 鼻閉, 鼻汁, 関節痛, リウマチ, ひきつり, 掻痒, 風疹, 疥癬
方剤希有処方に配合
広恵済急方(日本古典) 

Tips!

1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類
└ 1-11. 疔毒昏憒
: 疔の毒により気を失う
【疾患注釈】凡人平居無事にして、暴(にわか)に死る者あり、何故なる事をしるべからざるは、撚紙(こより)に火を點(とも)し死人の遍身(そうみ)を見るべし、若(もし)小瘡(ちいさいできもの)あらば、是疔毒内に入たるなり 面部等の顯(あらわれ)たる所に生たるは、見易き故に知易し、身體手脚(からだてあし)の隠たる所に生じたるは見えがたきゆえ知かたし、故に往々見誤る事あり、又は初発に憎寒壮(さむけつよく)熱ありて、傷寒と會(こころえ)て療理し、救わざるに至る物あり、此証急に救わざれば半日に死す、死て後其屍(そのしかばね)に紫黒の点あるべし、疔毒なり、故に此証緩(ゆるやか)にすべからず 
【用法】
蒼耳一握り生姜三匁一つに搗きつぶして泥のごとくし、生頭酒(きざけ)一椀を入れてよくまぜて絞り、かすをとって燗酒にして服し、汗大いに出づるをよしとす 
緑豆と野菊花を搗きまぜて熱酒に入れ酔うほど飲むべし、疔瘡へは、蒼耳の根苗茎葉共に焼き灰となし、醋あるいは米の研水、あるいはの汁に混ぜ、疔の上に塗るべし、毒の根い出て癒ゆ <上巻50丁>

3. 外傷の類: 怪我や蟲獣(むし、けだもの)に咬まれる等の外傷
└ 3-10. 諸蟲咬傷
: 諸々の虫に刺される/咬まれる
【疾患注釈】蜂蠍螫傷: 蜂やサソリに螫傷(さしやぶら)れる
【用法】蒼耳を揉んで貼べし <中巻75丁>
広恵済急方の植物画像

  (原文)

  (訳文)
※画像をクリックすると、拡大して表示されます。
関連情報新訂和漢薬
参考文献Non-JPS2022: 日本薬局方外生薬規格2022. (初収載)
CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) .
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp 250-252.
L1) 官準 広恵済急方.
L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2) pp. 222, 223.
L3) 新訂 和漢薬.
備考『中華人民共和国薬典』では Xanthium sibiricum Patr. (正しくは X. sibiricum Patrin ex Widder)が規定される.大井次三郎著『日本植物誌』ではこの学名を オナモミ X. strumarium L. の異名とする.日本産蒼耳子の中には オオオナモミ X. canadense Mill. (= X. occidentale Bertol.) の果実がある.近年北米から帰化した本種が西日本一帯に多くなり,従来の蒼耳子の代用品として出まわっているが,品質はよくない.
更新日2022/10/25