民族薬物データベース

資料館生薬データベース

※画像をクリックすると、拡大して表示されます。

生薬名	入手時名称	葛根
	正式名称	葛根
	日本語読み	かっこん, Kakkon
	現地読み	Kakkon
	ラテン名	Puerariae Radix (JP), Puerariae Lobatae Radix (CP)
	英語名	Pueraria Root(JP), Kudzu vine Root (CP)
原植物名		Pueraria lobata (Willd.) Ohwi, クズ
原植物科名		Leguminosae, マメ科
薬用部位	分類	植物性生薬
薬用部位	細分類	根
入手年月日		1967/04/00
TMPW No		602

学術情報データベース

一般生薬名

葛根, Gegen, Puerariae Radix (JP18), Puerariae Lobatae Radix (CP2020), Pueraria Root (JP18), Kudzuvine Root (CP2020)

生薬異名

板葛根, 角葛根, 粉葛根

生薬画像

※画像をクリックすると、拡大して表示されます。

原植物名

Pueraria lobata Ohwi, クズ

原植物画像

※画像をクリックすると、拡大して表示されます。

原植物科名

Leguminosae, マメ科

薬用部位

根

選品

粉白色でデンプン質に富んだ品が良い．褐色の物や繊維質の物は良くない．中国産はデンプン質で，日本産は繊維質 (TN).

公定書

日局18，薬典(2020)

臨床応用

発汗，解熱，鎮痙薬として，感冒，発熱，項脊強急（首筋や背肩の筋肉のこり）などに応用する．クズ澱粉原料．

医学体系

中国医学

伝統医学的薬効

分類

辛涼解表薬

薬効

[薬性・性味] 甘、辛，涼．
[帰経] 脾、胃、肺経．
[効能] 解肌退熱，生津止瀉，透疹，升陽止瀉，通経活絡，解酒毒．
[主治] 外感発熱頭痛，項背強痛，口渇，消渇，麻疹不透，熱痢，泄瀉，眩暈頭痛，中風偏瘫，胸痺心痛，酒毒傷中に応用する．

成分情報

その他の脂肪族関連化合物 Other aliphatic and related compounds
(*C1):
D-(+)-Pinitol

単糖類 Monosaccharides
(*C1):
D-Mannitol

多糖類 Polysaccharides
(*C1):
澱粉 (starch polysaccharide)

イソフラボン Isoflavones
(*C1):
Daidzin, Daidzein, Daidzein 4',7-diglucoside, Puerarin, Puerarin-7-xyloside, 4',6''-O-Diacetylpuerarin, Genistein, Formononetin, Kakkonein, Puerarol, Miroestrol

簡単な含窒素化合物 Simple nitrogen containing compounds
(*C1):
Allantoin

成分構造式

※画像をクリックすると、拡大して表示されます。

薬理作用

解熱作用，血糖上昇（水エキス）．鎮痙作用（daidzein）．

DNA配列

伝統医薬データベース.

証類本草（中国古典）

※画像をクリックすると本文の画像が表示されます

適応症

発熱, 頭痛, 項背部の強直, 無汗, 口渇, 泥状水様便, 下痢, 麻疹

方剤

葛根湯, 葛根黄連黄芩湯, 葛根加半夏湯, 葛根加苓朮附湯, 葛根紅花湯, 葛根湯加辛夷川芎湯, 桂枝加葛根湯, 柴葛解肌湯, 七味白朮湯, 芍薬四物解肌湯, 升麻葛根湯, 参蘇飲, 腎疸湯, 清胃瀉火湯, 銭氏白朮散, 竹葉湯, 当帰拈痛湯, 独活葛根湯, 麦門冬飲子, 奔豚湯 [金], 奔豚湯 [集験方], 奔豚湯 [小品], 奔豚茯苓湯, 麻黄五味湯

広恵済急方（日本古典）　

Tips！

2. 卒暴諸証: 突然発症する病
└ 2-1. 吐血: 人忽（たちまち）血を吐（はく）なり　此証一様ならず故に七ケ條に分たり
　└ 傷酒吐血: 酒を常に好む人、或は連日大飲をなしあるいは甚酩酊して後、大に吐血する者あり
【用法】生葛根搗て汁を取、頓（いちがい）に服す、立（たちどころ）に効（しるし）あり　＜中巻6丁＞

3. 外傷の類: 怪我や蟲獣（むし、けだもの）に咬まれる等の外傷
└ 3-11. 諸獣囓傷: 獣に噛まれる
　└ 熊羆爪牙傷: 熊、羆（ひぐま）爪牙にて傷（やぶ）られる
【用法】葛根を濃煮て、其汁にて洗、且乾葛根を末となし、葛根の煮汁にて服すべし。毎日五次程服し、夜は一次服すべし　＜中巻85丁＞
　└ 瘈狗囓: 瘈（やまい）犬に囓まれたる
【用法】防風、升麻、葛根、甘草各三分、杏仁一匁五分、水茶椀に二杯を一杯に煎服す、最よし、豺狼（やまいいぬ、おおかみ）に囓（かまれ）たるも、此方よし　＜中巻90丁＞

6. 諸物中毒: 諸毒にあたる類
└ 6-2. 中諸穀菜毒: 穀類や野菜の毒にあたる
　└ 中諸野菜毒: 諸々の野菜毒に中（あた）りたる
【用法】葛の根を掘採て、切て水に煮汁を多服してよし、或は生なるを擦て、絞汁を服す亦よし　＜丁＞

6. 諸物中毒: 諸毒にあたる類
└ 6-3. 中酒毒: 酒、油、塩の毒にあたる
【用法】葛の花を水に煎じ服す　＜下巻52丁＞
　└ 醒焼酒醉: 焼酒（しょうちゅう)に醉いて醒めざる
【用法】葛の根を採、搗て汁を取、口中へ灌入（そそぎいれ）飲ましむべし、葛粉を煖水（ぬるまゆ）にて灌入れ、飲ましむるもよし　＜下巻54丁＞

広恵済急方の植物画像

（原文）

（訳文）

※画像をクリックすると、拡大して表示されます。