資料館生薬データベース
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生薬名 | 入手時名称 | 和厚朴 |
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正式名称 | 厚朴 | |
日本語読み | こうぼく, Kōboku | |
現地読み | Kōboku | |
ラテン名 | Magnoliae Cortex (JP) | |
英語名 | Magnolia Bark (JP) | |
原植物名 | Magnolia obovata Thunberg, ホオノキ | |
原植物科名 | Magnoliaceae, モクレン科 | |
薬用部位 | 分類 | 植物性生薬 | 細分類 | 樹皮 |
産地情報 | 日本 | |
TMPW No | 9717 |
学術情報データベース
一般生薬名 | 厚朴, Houpo, Magnoliae Cortex (JP18), Magnoliae Officinalis Cortex (CP2020), Magnolia Bark (JP18), Officinal Magnolia Bark (CP2020) | |||||
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生薬画像 |
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原植物名 | Magnolia obovata Thunberg1 (= Magnolia hypoleuca Siebold et Zuccarini), Magnolia officinalis Rehder et E. H. Wilson or Magnolia officinalis Rehder et E. H. Wilson var. biloba Rehder et E. H. Wilson, ホオノキ1 | |||||
原植物画像 |
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原植物科名 | Magnoliaceae, モクレン科 | |||||
薬用部位 | 幹及び枝の樹皮 | |||||
選品 | 外部は紫黒色で,内面に縦紋があり,皮は極めて厚く質は緻密で,少し苦味を覚えるような新しい物が良い(NI) | |||||
公定書 | 日局18,薬典(2020) | |||||
臨床応用 | 鎮痙,鎮痛,健胃,収斂,去痰,利尿薬として,胸腹部の膨満感,腹痛,喘咳などに応用する.また,不安,精神緊張などを伴う骨格筋の異常緊張状態にも適応する. | |||||
医学体系 | 中国医学 | |||||
伝統医学的薬効 | 分類 | 芳香化湿薬 | ||||
薬効 | [性味] 苦、辛,温. [帰経] 脾、胃、肺、大腸経. [効能] 燥湿消痰,下気除満. [主治] 湿滞傷中,脘痞吐瀉,食積気滞,腹脹便秘,痰飲喘咳に用いる. | |||||
成分情報 | モノテルペノイド Monoterpenoids M. obovata (*C1): alpha-Pinene, beta-Pinene, Camphene, Limonene, Bornyl acetate セスキテルペノイド Sesquiterpenoids M. obovata (*C1): alpha-Eudesmol, beta-Eudesmol(= Machilol), gamma-Eudesmol, Cryptomeridiol, Eudesobovatol A, Eudesobovatol B, Caryophyllene epoxide M. officinalis (*C1): beta-Eudesmol フェニルプロパノイド Phenylpropanoids M. obovata (*C1): Magnolo l(= bis-Chavicol), Honokiol, Magnoloside A, Magnoloside B, Magnoloside C M. officinalis (*C1): Magnolol, Honokiol M. officinalis, M. obovata (*C3,C4,C5): Magnolol, Honokiol, 以下代謝物 / the followings are the metabolites Tetrahydromagnolol, 5-(1-Propen-1(E)-yl)-5'-propyl-2,2'-dihydroxybiphenyl, 5-Allyl-5'-(1-propen-1(E)-yl)-2,2'-dihydroxybiphenyl, Isomagnolol, 5-Allyl-5'-propyl-2,2'-dihydroxybiphenyl (*C6): Magnolol M. obovata 葉/leaf (*C2): Obovatal, Obovatol イソキノリンアルカロイド Isoquinoline alkaloids M. obovata, M. officinalis (*C1): Magnocurarine, Magnoflorine, Michelalbine, Anonaine, Liriodenine, Salicifoline chloride M. officinalis, M. obovata (*C5): Magnocurarine, Magnoflorine | |||||
成分 構造式 |
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薬理作用 | 筋弛緩(水エキス).鎮静,正向反射抑制,脊髄反射抑制,抗痙攣・振戦(エーテルエキス).神経筋接合部遮断,一過性血糖降下(magnocurarine).鎮静,中枢性筋弛緩,殺むし歯 (magnolon,honokiol),抗菌・殺虫,抗パーキンソン(magnolol). | |||||
DNA配列 | AB020999, AB021013, AB021000; 伝統医薬データベース. | |||||
証類本草(中国古典) | ※画像をクリックすると本文の画像が表示されます 訳文画像を表示 | |||||
適応症 | 腹満, 腹痛, 便秘, 下痢, 咳嗽, 呼吸困難 | |||||
方剤 | 安産湯, 胃苓湯, 茵蔯散, 温脾湯, 加減胃苓湯, 藿香正気散, 加味承気湯, 加味平胃散, 寛中湯, 九味檳榔湯, 桂枝加厚朴杏仁湯, 合壁飲, 厚朴三物湯, 厚朴七物湯, 厚朴生姜半夏甘草人参湯, 厚朴麻黄湯, 香朴湯, 五積散, 柴胡厚朴湯, 柴朴湯, 紫蘇子湯, 実脾湯, 芍薬湯加大黄, 瀉脾湯, 瀉脾湯加龍骨牡蠣, 十六味流気飲, 潤腸湯, 小柴胡合半夏厚朴湯, 小承気湯, 椒梅湯, 消痞湯, 腎炎一方, 神秘湯, 喘四君子湯, 蘇子降気湯, 大承気湯, 治喘一方, 丁香柿蔕湯, 通導散, 当帰湯, 半夏厚朴湯, 不換金正気散料, 分消湯, 平胃散, 補気建中湯, 補中治湿湯, 中正湯, 当帰養血湯, 内托散 [回春], 内托散 [千金], 半夏厚朴七物湯, 檳榔順気湯, 回春茵蔯散, 香砂養胃湯 | |||||
広恵済急方(日本古典) Tips! | 1. 卒倒の類: 人俄に倒れる病の類 └ 1-10.霍乱: 驕(この)病乾湿の二つあり、湿霍乱は吐瀉(はきくだ)して腹痛甚しきなり、乾霍乱は吐もせず瀉(くだし)もせず惟(ただ)心腹纒続大(むねはらしぼるごとくいたみ)に苦悶(くるしむ)を言なり 何れも危急なる証にて種々の変化一條に載がたし、療法も亦変化あり └ 乾霍乱: 忽然(たちまち)心下(むなさき)つかえかたく腹肚(はら)はりしぼるように痛堪がたく漸々に煩躁擾亂(もがきさわぎ)、吐んとして吐ず、瀉(くだ)さんとして瀉さず、手足逆冷(ひえあがり)冷汗出、胸膈(むね)かたく起(おこ)りふさがり、頃刻(しばらくのうち)に命危証なり 【疾患注釈】中脘以下小腹へかけ、絞るが如く痛甚、是を按ば中脘より下腹の方に塊ある 【用法】厚朴を生姜の汁に付炙、研末となし、白湯にてニ匁許を用ゆ 類は厚朴刻、炙、煎、姜汁を入拌(かきまぜ)用う、或は肉桂、枳実をくわう <上巻48丁> 2. 卒暴諸証: 突然発症する病 └ 2-9. 心腹卒痛: 心腹(むねはら)突然痛くなる └ 熱痛: 暴(にわか)に痛み、暴に止みて、復作(またおこ)り、痛む所へ手を近(ちかく)くことを嫌い、或は面赤く、掌中熱く、或は身に熱あり或は大便鞭(かた)く、或は不通(つうぜず)或は瀉(くだる)者あり、瀉様は先ず痛み一陣(ひとしきり)、大便臭きは是熱の痛みなり 【用法】黄芩、厚朴と同じく煎じ服す <中巻34丁> | |||||
関連情報 | 新訂和漢薬 | |||||
同類生薬 | 厚朴花 | |||||
参考文献 | JP18: 第18改正日本薬局方. CP2020: 中華人民共和国薬典 (2020年版) . C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp 145-147. C2) Chem.Pharm.Bull.,30,3347(1982). C3) Chem.Pharm.Bull.,32,5010(1984). C4) Chem.Pharm.Bull.,34,158(1986). C5) 和漢医薬学会誌,3,129(1986). C6) Shoyakugaku Zasshi,42,130(1988). L1) 官準 広恵済急方 L2) 近世歴史資料集成第2期 (第9巻) 民間治療(2) L3) 新訂 和漢薬 | |||||
備考 | 『日本薬局方』では3種の樹皮が規定され,magnolol を 0.8%以上含むこととされる.『中華人民共和国薬典』では厚朴(Magnoliae Officinalis Cortex)として M. officinalis の樹皮(川朴,湖北厚朴などと称す)と M. officinalis var. biloba(温朴,温州厚朴)の樹皮が規定される.樹皮(幹皮,枝皮)の他,根皮も用いられる.日本市場では中国産の厚朴を唐厚朴と総称する.韓国産はホオノキの樹皮以外に,クスノキ科のタブノキ Machilus thunbergii Sieb. et Zucc. の樹皮を「厚朴(薄朴)」と称し代用にすることがあるが,気味が全く異なる. | |||||
更新日 | 2023/12/06 | |||||